人の欲も無限
名前変更
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【デフォルト名】
リタ
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♡─ス・キ・魔─♡
放課後。
いつものように、リタちゃん、アズくん、クララと四人で帰ろうとしていたら、リタちゃんが突然僕の腕を掴んで走り出した。
よくわからないまま引っ張られアタフタしてると
リタちゃんは立ち止まり、周りを確認してから僕の耳元でコソッと事情を説明してくれた。
バラム先生に呼ばれて準備室に行くらしく、良い機会だから僕にもバラム先生を知ってもらいたいと話してくれたけど、正直アズくんから聞いた噂もあるし、今日教室で見た時も怖そうな悪魔だったから少し不安がある。
「大丈夫。凄く優しい悪魔だからきっと兄さんとも仲良くなれるよ」
僕から離れると、リタちゃんはハッキリと口にする。
その言葉には安心があり笑みを浮かべ頷いた。
リタちゃんは噂や見た目だけで誰かを決めつけたりしないって知ってる。
そんなリタちゃんが言うんだからきっとバラム先生は良い悪魔なんだろう。
リタちゃんに連れられ準備室の中に入ると、今日教室で見たばかりのバラム先生がいた。
僕がいるからか、少し戸惑ってるように見える。
「兄さん、じゃなくて、入間くんも連れてきてしまったんですが大丈夫でしたか?」
「少し驚いたけど大丈夫だよ。人間が二人もなんて夢みたいだ。今魔茶を淹れるから座っててね」
先生の言葉で近くの椅子に二人座ると、魔茶を淹れてくれる姿が瞳に映る。
慎重に淹れるその姿を見て、リタちゃんの言ってた通りの悪魔なんだなと自然と笑みが浮かぶ。
魔茶を差し出されて受け取ると、何故かバラム先生が僕の事をジッと見てる。
「えっと、どうかしましたか?」
「あ、ごめんね。触りたいなと思って」
その言葉で思い出したのが、アズくんが話してくれたバラム先生の触り癖。
皆は嫌がってるみたいだけど触られるくらいならいいかなと頷くと、僕の体はヒョイッと持ち上げられ、バラム先生の膝の上に乗せられてしまった。
頭に手を置いたり、かなり触られてるなと苦笑いを浮かべていると、何故か隣から殺気を感じた。
「先生、お話があって呼ばれたんじゃ……」
「あ、そうだった」
何だかいつもと違うリタちゃんの話し方に違和感を感じたが、そこからは本題に入り二人で話しだしてしまう。
内容は、使い魔の時のバラム先生の名前みたい。
確かに、他の悪魔の前でバラム先生と呼ぶわけにはいかない。
でも今僕が一番気になっているのはこの状況。
未だにずっと触られ続けてるし、リタちゃんからは何故かずっと視線を感じる。
「あの、バラム先生……」
「あ、ごめんね。つい触り過ぎちゃったね」
ようやく開放されてホッとしていると、どうやら名前は「ピーちゃん」で決まったみたい。
これがカルエゴ先生だったらって考えただけで怖い。
「先生、私の事も触ってください」
「え! いいの!?」
リタちゃんの言葉に正直驚いた。
普段誰かに甘えたりとかしないから、こんな風に何かを頼む姿は初めて見た。
バラム先生の膝の上に乗せられたリタちゃんは顔を伏せてるけど、一瞬見えたその頬はほんのり色付いているように見えた。
それにどことなく先生は落ち着かないみたい。
「先生、好きです」
「え、それはどういう……」
「使い魔になったピーちゃんの姿が可愛らしくて」
先生はリタちゃんの言葉に困惑し、僕は一瞬固まったけど、次の言葉で緊張感は弱まる。
僕が言われたわけじゃないのに心臓に悪い。
それにしても、バラム先生の使い魔姿のピーちゃんを機会があれば見てみたいな、なんてのほほんと考えていたとき、ふとバラム先生の顔が視界に入る。
優しい視線をリタちゃんにおくってるけど、もしかしてバラム先生は、と考えたところで一度目を閉じた。
これは僕の思い過ごしだよね。
瞼を上げるとリタちゃんと目が合い、僕はいつもの様に笑顔を向けた。
《完》