涙はハニー味
名前変更
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【デフォルト名】
巫兎(みこと)
囚人番号:211
※囚人番号は固定となります。
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「どうしたのかなぁ、ハニーちゃん?もしかして私襲われちゃうとかぁ?」
「それだよ、マジイラつく。お前さ、そうやってへらへらとした態度わざとしてるだろ」
「ッ……!!えー、わざとってなぁに?それよりも時間勿体無いから皆と遊ぼうよ」
誤魔化そうとする巫兎にイラつき、ハニーの両の手が大きな音をたて巫兎の顔の横へと突く。
音に驚き固まってしまう巫兎の目を真っ直ぐに見ると、ハニーは口を開き言葉を発する。
「悲しいときは泣け、嬉しいときは笑え。それと、アイツの告白に対しても答えてやれ」
言葉が上手く纏まらず思ったことを口に出すと、そんなハニーに巫兎は笑みが溢れ笑いだす。
「お前、人が真面目に話してるっつーのに」
「だって、真剣な顔して何を言うかと思ったら……ふ、ふふ……。ハニーやっさしー」
「ッ……!!お前のために言ったんじゃねぇ!!見てて俺がムカつくからだ!!」
そうは言っていても、ハニーは自分のことなど眼中にないと思っていたのに、ちゃんと見てくれていたことが巫兎は嬉しいのだ。
必死に否定するハニーの姿は、巫兎には肯定にしか見えない。
「はいはいわかりましたよ~」
「またお前はそうやって、ッ!?」
再び怒りかけたハニーに巫兎は抱きつくと、顔だけ上に向けハニーを見つめる。
「好きだよ」
「ッ!?」
真剣な眼差しで告げられた言葉に、ハニーは顔を真っ赤に染め上げ動揺する。
だがハニーは、言う相手間違ってんだろうがと受け止めてはくれない。
「もう、へらへらするなって言ったのはハニーなのに」
「だからなんだよ」
「だからへらへらしないで気持ちを伝えたんだけどな~」
「ああそうかよ、俺はトロワ待たせてるから行くわ」
結局ハニーの返事は聞くことができず、頬を膨らます巫兎だったが、ハニーはと言うと、その後のダーツでは全ての矢を的から外し、トロワに心配された挙げ句に顔真っ赤だよと言われる始末だ。
そんな娯楽室での一時間はあっという間に過ぎ房へと戻ると、何故かハニーは巫兎を避けるようになってしまった。
今まで無視されたりウザがられたりはあったものの、避けられたのは初めてのことで巫兎は落ち込んでしまう。
「何だかハニーくん、今日はあからさまに巫兎ちゃんのこと避けてるみたいだけど、何かあったの?」
様子が可笑しい二人を心配したトロワが巫兎に声をかけると、巫兎は娯楽室であったことを話した。
想いを伝えたのに受け流されてしまったこと、そして避けられている今の状況が辛いことを、吐き出すようにトロワに話す巫兎の表情には、いつものへらへらとした笑みや口調はなく苦しげだ。
「いいこと思い付いちゃった」
「え?」
そんなトロワの企みなど知らないハニーは、二人に背を向けているものの二人を気にしていた。
避ける必要なんてないのだが、娯楽室でのあの告白を思い出すとつい避けてしまう。
「へらへらすんなって言ったのは俺のくせに……」
いざへらへらしないで告げられた言葉は、いつもの100倍威力があり、まさかこんなにも自分が動揺するなど思いもしなかった。
だがそれより、今は背後で話す巫兎とトロワのことが気になって仕方がない。
「巫兎ちゃんはハニーくんのことが好きなんですか?」
聞こえてきた会話にハニーの胸は音をたて、先程の告白のことを思い出す。
なんて返事をするのだろうかと耳を澄ませていると、巫兎のうんという声が耳に届く。
「でも、ハニーくんてあんな性格だから、巫兎ちゃんには僕みたいなイケメンが相応しいと思うよ」
「でも……」
トロワが巫兎を口説き始め、イケメンオーラに流されそうになっている巫兎に、ハニーはじっとしていられず二人に近づくと、巫兎の腕を掴み自分へと引き寄せた。
「お前よりイケメンなのはこの俺だからな、巫兎に相応しいのは俺ってことだろ」
「あれ?でもハニーくんは巫兎ちゃんのこと嫌いなんだよね?」
「ッ……いいんだよ!!コイツは俺のだ!!誰にも渡さねぇ!!」
ハニーはトロワに自分もの発言をすると、巫兎を抱き締める腕に力を込めた。
誰にも渡したくない、誰にも取られたくない、そんな気持ちがハニーを動かす。
そんなハニーの姿にトロワは笑みを浮かべると、巫兎へと視線を向ける。
「だって、よかったね、巫兎ちゃん」
「は?どういうことだよ?」
「ハニーくん素直じゃないから、一芝居打って本音を引き出そうとしたんだよ」
「なっ!?」
そんなトロワの作戦にまんまと引っ掛かってしまったハニーは、さっき自分が口にした言葉を思い出し顔を耳まで赤く染めた。
そして、今も腕の中で大人しくしている巫兎へと視線を落とすと、そこには、ハニーと同じ様に耳まで赤く染めた巫兎の姿がある。
「ほらハニーくん、まだ巫兎ちゃんに伝えなきゃいけないことがあるんじゃない?」
「あ?」
「巫兎ちゃんも自分の気持ちを伝えたんだから、ここでハニーくんも自分の気持ち伝えないと、カッコ悪いよ?」
「ッ……!!」
カッコ悪い、その言葉はハニーの嫌いな言葉であり、そう言えば、ハニーが自分の気持ちを言うしかないとわかっているからこそ、トロワはそう言ったのだ。
ハニーは片手で頭をわしゃわしゃと掻くと、巫兎の両肩を掴み真っ直ぐに見詰め口を開く。
「一回しか言わねぇからよく聞いとけ。俺はお前のことが」
ハニーの言葉は、他の誰に言われても巫兎が受け流してきた言葉であり、その言葉をハニーから聞けたことが嬉しくて、涙が溢れ出て止まらない。
「おい、何で泣くんだよ!?」
「ぅ……ッ……だって、嬉しくて」
「はぁ……こんなんで嬉しがんなよな」
頬を掻きながら言われた言葉はとても優しくて、泣いてるのに巫兎の口許は緩んでしまう。
「まだお前の返事、聞いてねーぞ」
返事なんて決まっている。
涙を拭い、最高の笑顔を向けてハニーに返事をする。
この幸せが現実なのか実感がなくて、巫兎がハニーを思いきり抱き締めると、ハニーも力強く抱き締め返す。
泣いたり悩んだり苦しんだり笑ったり、ハニーといるといろんな感情が生まれて、そのどれもが、自分はハニーが好きなんだと実感させられる。
だが、それはお互い様で、こうして好きを実感していくに違いない。
《完》