涙はハニー味
名前変更
名前変更お話にて使用する、夢主(主人公)のお名前をお書きくださいませ。
【デフォルト名】
巫兎(みこと)
囚人番号:211
※囚人番号は固定となります。
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ここ、3舎6房には、囚人番号82番のハニー、囚人番号3番のトロワ、そして、唯一の女囚人である巫兎が収容されていた。
二人は女性に紳士的な対応をするのだが、何故かハニーは巫兎にだけ、男に対してと同じ扱いをする。
「ねぇ、ハニー」
「……」
「ハニーくーん?ハニーさーん?ハニーちゃーん?」
「あー、うっせぇッ!!」
話しかければいつもこの反応で、最近では巫兎を鬱陶しがっているように見える。
そんなハニーに巫兎は頬を膨らますが、お前がそんなことやっても可愛くねぇんだよと言われてしまう。
「えーん、トロワー、ハニーが虐めるよー」
「よしよし。駄目だよハニーくん、女性には優しくしないと」
トロワは誰にでも優しくて、巫兎が泣きつくといつも頭を名で慰めてくれる。
「そうだそうだ!優しくしろー」
「お前みたいなヤツは女性とはいわねーんだよ」
そう言うと、ハニーは巫兎の方を見ようともせず背を向けてしまう。
これもいつものことなのだが、巫兎はこんなふざけた物言いをしていても、内心はもっとハニーと近づきたいと思っている。
「ごめんね、ハニーくんは女性には優しいはずなんだけど」
「ううん、私にはトロワがいるから平気だもーん!」
そう言いながら抱きつくと、トロワはイケメンオーラを撒き散らしながら、今日の下着(上)の色は何色ですかと巫兎に尋ねる。
「それはトロワにも秘密だよ~」
そこは乙女、下着の色はいくら巫兎でも教えたりはしない。
「こんなヤツの下着の色なんて聞いたところでどうすんだよ」
「女性が目の前にいたら下着の色を聞く、当然のことじゃないかな」
「まぁな、だが、そいつを女性としてみるのはどうなんだ?」
「ハニーくん、目、悪くなったの?」
巫兎は心の中で、一体なんの会話なんだとツッコミをいれたが、それはそっと心の中に留めておいた。
一見巫兎はふざけているように見えるが、真面目な雰囲気が苦手なだけであり、実際は真面目ちゃんだ。
だが、その事に気づいているものは誰もおらず、巫兎はこういうヤツなんだという認識をされている。
「俺はコイツが嫌いなんだよっ!!」
「ハニーくん、それはいくらなんでも言い過ぎだよ」
「ッ……俺は本当のことを言っただけだ」
空気が悪くなり出し、巫兎はそんな空気を壊そうと、へらへらと笑みを浮かべながら嫌われちゃったぁと、平気な振りをする。
本当は内心傷ついているのに、それを表には出さない。
「巫兎ちゃん、本当に平気なの?」
「うん!だって、ハニーが私のこと嫌ってるのなんてバレバレじゃん」
そう、いつだってウザがられて、女としても見られてなくて、そんなの、嫌われてるって気づいていた。
でも、それを本人の口から直接聞くのは、やはり胸が苦しくなる。
「私にはトロワがいるもんねーだ」
「そうかよ、よかったなトロワ」
「ハニーくん、もう少し巫兎ちゃんの気持ちを、ッ……!?」
トロワが視線を下へと向けるとそこには、トロワのシャツをぎゅッと握り、声を抑えて涙を流す巫兎の姿があった。
初めて見る巫兎の涙に、トロワは言葉を失ってしまう。
トロワは心配し巫兎の名を呼ぼうとするが、巫兎はトロワの口許に人差し指を当て、ニコリと笑みを浮かべる。
ハニーに泣いてる顔なんて見られたくないから、トロワを心配させないように笑顔を作ったが、その笑顔はぎこちなく歪む。
必死に溢れる涙を手で拭い何でもない振りをするが、その目は少し赤くなっている。
そんな巫兎を心配するトロワだが、それ以上声をかけることもできず、いつも通りに振る舞う巫兎の姿を眺めることしかできなかった。
それから時間は過ぎ、一時間の自由時間となると3舎の主任であるキジに連れられ、13舎の娯楽室へとやって来ていた。
「巫兎ちゃん、一緒にトランプしよ!」
「おいニコ、巫兎は俺とダーツをすんだよ」
「えー、ズルいよウノくん」
唯一の女囚人である巫兎は、他の舎でも人気があり、とくにウノは巫兎狙いなのがバレバレだ。
ウノは巫兎が好きだと皆に言っており、巫兎本人にも会うたびに好きだと口にするが、反応に困った巫兎はいつもへらへらとした笑みを浮かべるだけで誤魔化している。
「巫兎ちゃんやっぱ可愛いな~!俺と付き合って!」
気がないなら断ればいいのだが、ウノに告白されても巫兎は笑みを浮かべるだけで答えたりはしない。
ダーツをしながらそんな光景を気にしていたハニーはイライラとし、珍しくダーツの矢が真ん中からずれて突き刺さる。
「ハニーくん、どうかしたの?」
「いや、何でもねぇ」
トロワとダーツをしている間、巫兎は13房の囚人と仲良く遊び、その中には勿論ウノもいる。
そんな光景を見ていると、さっきとは違うイラつきがハニーの中で生まれていく。
「ねえねえ!巫兎ちゃんって、ハニーくんとトロワくん、どっちが好きなの?」
「え?」
思いもしない質問に巫兎は驚きの声を漏らすが、そのニコの質問に動揺した人物はもう一人いた。
「ハニーくんがダーツで2回も外すなんて、やっぱりどうかしてるんじゃない?」
「べ、別に何でもねぇっつてんだろ!」
とは言いつつも、巫兎の答えが気になりハニーの意識はそっちへと集中してしまう。
「おいニコ!俺が抜けてんじゃねーか!!」
「ウノくんは置いといて」
「置くんじゃねー!!」
そんなニコの質問に、巫兎が笑みを浮かべ答えた名は、トロワという3文字だった。
その答えに、ハニーの頭は機能停止となり、一旦フリーズしたのは言うまでもない。
「やっぱあの二人だったらトロワだよなー」
「僕もそう思う!」
「う~ん、私ハニーには嫌われてるからね。いっつもウザがられちゃうし、それに比べてトロワはいっつも優しいんだ」
思考回路が停止していたハニーの耳に、嬉しそうにトロワのことを話す巫兎の声が届くと、一気にイラつきが込み上げ、制御不可能になる。
このイラつきが何なのか、もう前から気づいていたハニーは、手にしたダーツの矢を置く。
「悪いトロワ、ダーツの続きは後だ」
「え、ハニーくん?」
それだけ言うとハニーは、巫兎の元へと近づいていき腕を掴む。
突然のハニーの行動に驚く巫兎だったが、そのままハニーに娯楽室の隅まで引っ張っていかれた。
「ハニー……?」
何時もと様子が違うハニーに、巫兎は戸惑いながらハニーの名を口にする。
だが、直ぐにいつものへらへらとした喋り方に戻ってしまう。