誤解が招いたhappyend 後編
名前変更
名前変更お話にて使用する、夢主(主人公)のお名前をお書きくださいませ。
【デフォルト名】
風明 音根(ふうめい おとね)
■友達(親友)
陽子(ようこ)
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そして音根はというと、文次郎に宿題を見てもらったことを親友に嬉しげに話していた。
その話の中には、寂しさを感じたことなども含まれており、親友は笑みを浮かべると、頑張れと音根を励ます。
当の本人は何をと首を傾げているが、この恋が実るのも時間の問題だろうと、そう親友は確信していた。
そして翌日その話を仙蔵に聞かせると、だから文次郎も顔が赤かったのかと何かを納得したらしく、何気にこの二人が話すことも増えていた。
だが、そんなある日、事件は起きてしまったのだ。
あれから音根と文次郎は会話をすることも増え、話はあの日の話になった。
そう、音根が文次郎の隈を心配し、告白に聞こえてしまうような言葉を言ってしまったあの日だ。
「あの時は、まさか木の上にいたのが女だとまでは気づいていなかった」
「はは、あの時は潮江くんのことが気になってて、伝えなきゃって思ってたから」
その一言で、文次郎は胸を高鳴らせた。
もうすでに、文次郎は自分のこの気持ちを恋だと確信していたからだ。
あの言葉から始まった自分の恋なら、あの言葉の真意を知り、そして自分の想いを伝えようと思っていた。
だが、音根の口から紡がれた言葉は、文次郎の頭を真っ白にさせた。
その言葉の真意。
それは、自分に想いを寄せていた訳ではなく、体調を気遣っての言葉だった。
「そう、だったのか……」
「うん。だってあの時の潮江くんの隈、すっごく酷かったから、って、どうかしたの潮江くん?」
「いや、何でもない。自分はまだまだ未熟だと思っただけだ」
音根は文次郎の言葉の意味がわからず首を傾げているが、この時の文次郎は、自分だけが浮かれていたのだと、自分の未熟さを思い知った。
そして、やはり自分には恋などしている暇などないのだと思い立ち上がると、音根と別れ鍛練に向かう。
そんな文次郎の背を見送る音根だが、どこか様子の可笑しい文次郎が気になっていた。
「どうしたんだろう?何だか元気がなかったような……」
一人呟く音根だが、そんな一部始終を見ていた人物が二人いた。
それは、音根の親友と仙蔵だ。
今日辺りに文次郎が想いを伝えるだろうと感じていた仙蔵は、音根の親友と共にこっそり隠れ二人の様子を窺っていたのだが、まさかの展開に二人は、手で自分の額を押さえてしまう。
「このタイミングでこの話って」
「文次郎、何故そこで諦めるんだ」
等々見ていられなくなった二人は、このまま二人の想いを終わらせるわけにはいかないと、親友は音根の元へ、仙蔵は文次郎の元へと向かった。
親友が声をかけると、音根は何時ものように笑みを浮かべているが、どこかその笑みはぎこちない。
きっと本人は気づいていないのだろう。
今自分がどんな顔をしているのか、そして、自分の気持ちにも。
「音根ってさ、潮江くんのことどう思ってるの?」
「え?どうしたの急に」
「いいから答えてみて」
じっと見つめ尋ねれば、音根は柔らかな笑みを浮かべその問いに答える。
誰よりも頑張っていて、しっかりしていて、それでいて優しくて。
何より潮江くんの笑顔を見てると自分まで嬉しい気持ちになる。
そんな言葉を深く考えずに口にする音根は、間違いなく恋をしている。
だが、それを他の人が、例え親友であっても教えるべきではない。
文次郎は自分で自分の気持ちに答えを出したのだから、音根も自分で答えを出さなければいけないのだ。
そうなると、親友が取る行動はこれしかなくなる。
「私、潮江くんのこと好きになっちゃったんだよね」
「え……?」
一気に音根の顔に影が差す。
だが、これだけでは音根が気づかないことは知っている、だからこそ、更に言葉を続ける。
「でね、想いを伝えようと思うんだけど、潮江くん見なかった?」
「……えっと、鍛練しに行くって」
「そっか。最近鍛練は裏裏山でしてるみたいだから、行ってくるね」
それ以上のことは何も話さず、親友はその場を後にすると裏裏山へと向かう。
さっき仙蔵と別れる際に、文次郎の最近の鍛練場所は裏裏山だと聞いていたため、親友は裏裏山へと向かう。
勿論文次郎に想いを伝えるためではない。
これでどうするかは音根次第のため、音根を信じて裏裏山で待つしかないのだ。
「音根、あんたなら絶対にくるよね……」
絶対に来る保証なんてないが、同室であり親友でもあるからこそ、音根のことはわかっているつもりだ。
そして、一方仙蔵の方はというと、音根の親友と別れ裏裏山へと来ていた。
思った通り今日もここで鍛練をしているようだが、何時ものようなギンギンな気合いは感じられない。
「文次郎」
「何だ仙蔵か、どうしたんだ?」
端から見ればいつも通りなんだろうが、仙蔵から見た文次郎は違う。
その元気のなさ、落ち込み具合、全てがわかってしまう。
「今日のお前になら負ける気がしないな」
「何だと……?」
「女にフラれて諦める。そんなお前に負ける気はしないと言ったんだ」
何故知っていると言いたそうな文次郎に、仙蔵はフッと笑みを漏らすと、お前が諦めるなら俺が貰うと口にする。
「俺は今から風明に想いを伝えてくる。想いを伝える前から逃げ帰るような負け犬は、そこで何時ものように鍛練をしていればいいさ」
そう言い残しその場を去るふりをすると、音根の親友と落ち合い、二人はこっそり隠れて様子を窺う。
すると、文次郎は迷うことなく仙蔵が去っていった方向に走り出そうとしたとき、その方角からある人物が走ってくる。
それは音根であり、この場所に来たということは、音根もようやく自分の気持ちに気づいたのだろう。
二人は見つめ合ったまま固まってしまうと、少しの沈黙が流れた。
お互いの顔は真っ赤に染まっており、声を上げたのは同時だった。
「私、潮江くんのことが」
「俺は、音根のことが」
好きですと同時に伝えられた二人の想い、それを隠れて見守る二人は、もう心配なさそうだといった様子でその場を去る。
陰で協力をしていた二人の存在は後に知られることになるのだが、そのあと何だかんだと息が合った親友と仙蔵が仲良くなり、それが恋に発展したのかは、また別の話だ。
《完》