誤解が招いたhappyend 前編
名前変更
名前変更お話にて使用する、夢主(主人公)のお名前をお書きくださいませ。
【デフォルト名】
風明 音根(ふうめい おとね)
■友達(親友)
陽子(ようこ)
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「で、立花くんどうだった?」
「どうって?」
「本人になんてなかなか会える機会なんてないもの、やっぱりかっこよかった?」
先程のことを頭に浮かべ、文次郎の横にいた仙蔵のことを思い出し、確かにかっこよかったと頷く。
だが、話したのも少しのやり取りであり、途中からはいつの間にか姿を消していたため、どうだったかと聞かれても、女にモテるのに納得したくらいだ。
「少しでも、あの立花くんと話せるなんて羨ましすぎるよ!食堂で見かけることはあるけど、私だってまだ話したことなんてないんだから」
親友に羨ましがられながら話はどんどん別の話へとコロコロ変わり、当初の話など忘れた頃、夕食を食べに二人食堂へと向かう。
その途中、他のくのたまに用があったことを思い出した親友と一旦別れると、音根は先に食堂へ向かい親友を待つことにした。
「え~と、今日は何処に座ろうかな?」
とくに指定の席はないため、何時も空いている場所でご飯を食べる音根は、今日も食堂の中を見回し空いている席を探す。
「風明」
すると突然声をかけられ、振り返るとそこには文次郎の姿があった。
手には今日の夕食が乗ったお盆が持たれており、どうやら文次郎も今から夕食を食べるようだ。
「潮江くんも今からご飯?」
「ああ。あの席が空いてるな、行くぞ」
空いている席に向かう文次郎の背を見ていると、早く来いと呼ばれ、音根は慌てて返事をすると文次郎の前の席に座る。
まさか一緒に夕食を食べることになるとは思わず、前に座る文次郎の姿をチラリと見ると、やはり酷くなっている隈が気になってしまう。
「どうかしたのか?」
「ッ、えっと、潮江くんの隈が……」
「ああ、最近委員会の仕事が忙しくてなかなか眠れていないからな」
聞きたかったことを話すことができよかったが、眠れないほどに委員会の仕事が忙しいのは正直心配だ。
だが、だからといって会計委員の仕事が自分に手伝えるとも思えず、何か自分でも役に立てることはないかと考える。
「私じゃ何の役にもたたないかもしれないけど、何か手伝えることがあったら言ってね!」
一瞬音根の言葉に驚いた表情を浮かべると、文次郎は柔らかな笑みを浮かべありがとうなと一言口にした。
初めて見るその笑顔に、自分の頬が熱くなるのを感じ顔を伏せていると、夕食を食べ終えた文次郎が立ち上がる。
「もし時間があればでいいんだが、明日、会計委員の仕事を手伝ってくれるか?」
明日は休日で授業もないため、少しでも文次郎の力になれるのならと頷くと、じゃあまた明日なと言い残し、文次郎は食堂を出ていってしまう。
思いもしない展開に、これで文次郎の睡眠時間が作れるのならいいのだがと思っていると、音根の目の前の席に誰かが座る。
顔を上げると、そこにいたのは親友の姿であり、何やらニヤニヤと笑みを浮かべながら音根に視線を向けている。
「何々?一体私がいない間にどういう転回なわけ?」
「うん、実はね。明日潮江くんのお手伝いをさせてもらうことになったんだ」
「わざわざ折角の休日を使って!?」
「うん。潮江くん、最近委員会の仕事が忙しくて寝れてないみたいだから」
ニコニコと笑みを浮かべる音根の姿に、親友はそっかそっかと笑みを浮かべる。
二人夕食を食べ終えると、お風呂に入り部屋に戻る。
音根は布団に入ると、明日は沢山頑張って文次郎の役に立たなければと考えながら眠りにつく。
そして翌日の朝、何時もなら皆起き出す時間だが今日は休日。
皆がまだ寝ている時間に目を覚ましてしまった音根は、まだ早いだろうなと思いながら会計委員の部屋へと向かう。
「失礼しまーす」
一応一声かけてから中に入ると、そこにはすでに文次郎の姿があり、どうやら昨日も寝ていないようだ。
算盤で計算をしている文次郎は音根の存在に気づいていないらしく、黙々と作業を進めている。
邪魔にならないようにと、一度部屋を出ると食堂でお茶を淹れ戻り、文次郎に声をかけると横にお茶を置く。
「どうぞ」
「ああ、風明か、来てくれていたんだな。気づかずすまなかった」
その後は、音根にもできる作業の手伝いをし、気づけば昼を過ぎた頃、ようやく二人は全ての作業を片付け終えた。
ふと視線を向けると、長机に頬をつけ眠る文次郎の姿があり、音根はそっと近くにあった羽織を掛けると部屋を後にした。
部屋に戻るとお疲れ様と言いながら、どうだったのかと親友が音根に話を聞いてくる。
「全部の仕事が片付いて、潮江くん寝ちゃったから、羽織を掛けて戻ってきちゃった」
「そっかぁ!これで、音根の心配の種だった、潮江くんの隈が少しはよくなってるといいね」
うんと頷く音根に、他にも聞きたいことがあるのか、親友は何かを期待している。
首を傾げる音根に、恋の方はどうなのかと親友は尋ねるが、当の本人は全く何のことかわからないといった様子だ。
「だーかーらー、音根と潮江くんの恋よ!!潮江くん、脈はありそうなの?」
「え?」
「え?って、まさか本当に気づいてないの?」
言葉の意味がわからず、親友のその言葉では、自分が文次郎のことを好きだと言っているように聞こえる。
まさかねと思いながら親友に視線を向けると、大きく頷かれてしまう。
「ないないないない!!これは恋とかじゃないから」
「あんたねぇ、それ本気で言ってるわけ?」
「当たり前だよ!」
普通、好きでもない人のためにわざわざ休日を使ってまで手伝う人など早々いないのだが、どうやら本人は気づいていないらしい。
一体この恋は、始まっているのかいないのかもわからない現状だが、そんな音根の恋がこれからどうなっていくのか、親友は少し楽しみでもあった。
《完》