誤解が招いたhappyend 前編
名前変更
名前変更お話にて使用する、夢主(主人公)のお名前をお書きくださいませ。
【デフォルト名】
風明 音根(ふうめい おとね)
■友達(親友)
陽子(ようこ)
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六年い組、潮江 文次郎は、忍術学園一ギンギンに忍者をしている忍たまである上に、会計委員の委員長、またの名を、地獄の会計委員長とも呼ばれている。
そんな文次郎の目の下にはいつも隈があり、見慣れた皆は気にしていないようだが、ここに一人、その隈を心配するくのたまがいた。
「気になる……」
「音根、また潮江くんのこと?」
「うん。だって、ほら見てよあの隈!また酷くなってるよ!?」
食堂にて、文次郎から少し離れた席で食事をとるくのたまの二人。
文次郎の隈を先程から気にしているのは、くのたま上級生の風明 音根。
そしてその隣で呆れながらも音根の話を聞いているのは、音根と同じくくのたま上級生であり音根の親友。
食堂に来る時間がいつも文次郎と重なり、次第に音根は文次郎の隈が気になりだし、毎日のように食堂ではこの話だ。
「潮江くんの隈なんて何時ものことじゃん。あんま気にしない方が」
「何時ものことだから気になるのよッ!!」
「しー!!しー!!音根、声大きいよ」
親友に言われハッとし周りを見ると、皆の視線が音根に集まっており、その中には文次郎の姿もある。
勢いでいつの間にか自分が立ち上がっていることに気づき、音根は食べ終わった膳を片付けると逃げるように食堂を去った。
「もう……。何で皆気にならないのよ」
自分が気にしすぎなだけなのだろうかとも考えるが、やはり目に入れば気になってしまう。
ギンギンに忍者をして、会計委員でも地獄の会計委員長と呼ばれるほどの人物だ。
きっとあの隈の原因はそれなんだろうとは思うものの、くのたまと忍たまではなかなか会う機会もなく面識すらない。
そんな相手にいきなり声をかけるなんて勇気は自分にはなく、今日も隈のことを気にしつつもくの一教室に向かう。
今日は午前中の授業だけしかなかったため午後からは暇となり、くのたまと忍たまの共用区域である場所を散歩していると、ふと、今朝の文次郎の隈が頭に浮かぶ。
「少しだけなら、いいよね」
本当は、忍たまとくの一の共用場所は限られているため、許可なく忍たまの敷地内やくの一の敷地内に入ることは禁止されているのだが、音根はこっそりと隠れながら文次郎を探す。
見つけて隈のことを言うわけではないのだが、やはり気になるため様子だけでも覗けたらと思ったのだ。
だが、忍たま達も午前の授業しかなかったため、忍たまの数が多く隠れながら動くのはかなり難しい。
「文次郎、最近隈が更に酷くなったんじゃないか?」
その時聞こえた名にこっそり覗けば、そこには文次郎ともう一人、忍たまの姿がある。
装束の色を見る限り、文次郎と同じ六年生のようだ。
その人物は、文次郎と同じ六年い組の立花 仙蔵。
作法委員会の委員長であり、文次郎とは同室だ。
どうやら仙蔵も音根と同じく、文次郎の隈を心配しているようだ。
やっぱり気にしていたのは自分だけじゃなかったのだと安心したのも束の間、どうやら二人は人が隠れている気配に気づいていたらしい。
「ところで、先程からそこの木上で隠れているのは誰だ」
「俺も気になっていたところだ。曲者なら俺と勝負しろ!!」
冷静な仙蔵に、今にも懐から武器を取り出しそうな文次郎の姿に、音根は慌てて木上から地面に降りる。
まさか女だとは思っていなかったらしく、二人は一瞬驚いた表情を浮かべたあと、何故忍たまの敷地にくの一がいるのかと、仙蔵は冷静に音根に問う。
「ごめんなさい!勝手に入ってしまって。でも、どうしても気になってしまって……」
「気になって、とは、一体何がだ?」
首を傾げる仙蔵に、音根はチラリと文次郎を見る。
そして覚悟を決め、文次郎に視線を向け真っ直ぐに見つめると、口を開いた。
「私、ずっと潮江くんのことが気になってたの!!」
ハッキリと伝えた心配の気持ちだったのだが、何故か何も言わず黙って音根に視線を向ける文次郎、そして、仙蔵はいつの間にか姿を消していた。
何か間違ったことを言っただろうかと、自分の言った言葉を思い出してみると、これでは告白みたいではないかと慌てて訂正をしようとする。
「あ、えっと、気になるというのはその」
「名は、何と言うんだ?」
「え?」
「名だ」
「え?あの……風明 音根、です」
結局あの言葉の訂正はできないまま、音根は自室へと戻り、親友に今あった話を全て話た。
すると、悩む音根の横で親友は声を上げ笑い出す。
「もう!!笑い事じゃないんだからね」
プイッとそっぽを向くと、親友はごめんごめんと謝りながら改めて話を聞いてくる。
とはいっても、音根が自分の名を名乗ると、文次郎は、そうかと頷き、これから委員会の仕事があるからとその場を去ってしまったのだ。
そして現在に至るわけであり、話はそこで終了となってしまった。
「って、肝心な隈のことを伝えてない上に、告白を逸らされてるじゃない!!」
「うん。これじゃあ何か、勘違いさせた上に、私フラれた状態だよね」
どうしたらいいのだろうかと悩む音根の肩に、ポンと手が置かれ視線を向けると、このまま何もなかったふりをしたらどうかと親友は提案する。
先程の告白とも受け取れる言葉だが、文次郎は表情一つ変えなかった上にその言葉にとくに突っ込む様子もなかった。
もしかすると、告白とは受け取られなかったのかもしれない。
それなら、変に考え込むよりも、親友の言う通り普段通りにしている方のがいいのかもしれないと思えてくる。
「そうだね。そうすることにするよ!」
「そうそう!それにあの潮江くんだよ?恋愛なんて興味あるわけないし、もし音根の言葉を告白だって受け取ってたら、その場で、バカタレ!!とか言われて説教されそうだし」
親友とそんな話をしながら笑い合っていると、話は文次郎といた仙蔵の話に変わっていく。
くの一にとって仙蔵は騙しにくい相手であり、苦手なタイプなのだが、見た目良し、成績優秀ともなれば、くの一としてではなく女として好意を寄せる者は多い。