いつものオチ
名前変更
名前変更お話にて使用する、夢主(主人公)のお名前をお書きくださいませ。
【デフォルト名】
風明 音根(ふうめい おとね)
■友達(親友)
陽子(ようこ)
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今日の音根は、何故か元気がなく朝から落ち込んでいた。
結局下校時間まで元気がなかった音根に、同じクラスの平 滝夜叉丸、綾部 喜八郎の二人が声をかける。
「何だ音根、今日は元気がないではないか」
「ですよねえ。溜息ばかり吐いてるし」
「うん、それが……やっぱりなんでもない」
一度話そうとした音根だが、話すのを止め、下駄箱へと歩き出してしまう。
そんな音根の後を二人が追いかけていくと、別のクラスで仲のいい、田村 三木ヱ門、浜 守一郎がどうかしたのかと声をかけてくる。
そんな二人に、滝夜叉丸と喜八郎が指を指す先には、下駄箱で靴に履き替えている音根の姿だ。
その姿はどこか元気がなく、何かを悩んでいるように見える。
「朝からあの調子でな。お前達は何か知らないか?」
滝夜叉丸が二人に尋ねるが、どうやら二人もわからないらしく、そんなことを話している間に、音根がどんどん遠ざかっていくため、四人は慌てて音根の後を追う。
声をかけられるような雰囲気ではなく、こっそりと後を追っていると、突然背後から声をかけられ、四人は声を上げ驚く。
「何そんなに驚いてるの?」
そこにいたのは、皆より一つ上の先輩である斉藤 タカ丸だった。
あまりにも皆が驚くものだから首を傾げるタカ丸に、滝夜叉丸は簡単に事情説明する。
他の皆は音根に気づかれていないかと覗いてみるが、どうやら気づかれていないようだ。
「あれだけ大きな声を上げたのに気づかないとは」
「よっぽどの悩みみたいだな」
三木ヱ門と守一郎が心配そうに音根を見つめている間に、どうやら滝夜叉丸の説明が終わったらしく、それは気になるねと、タカ丸も一緒に音根の後を追う。
だが、このまま後を追っていても仕方がないため、声をかけるべきかと悩みだす。
「ここは音根の友である私たちが声をかけるべきだろう」
「でもさっき僕達が聞いたら断られましたよね~」
「ならば、音根の一番の友である私が行こう」
「何を言っている。音根の一番の友は私だ」
滝夜叉丸と三木ヱ門が喧嘩するのを何故か腹を抱えて笑う守一郎。
そんな三人を無視し、喜八郎はどうしましょうかとタカ丸に声をかける。
「そうだね。こうしてても仕方ないし、声をかけてみようか」
「そうですね」
三人はその場に置いていき、すでに先を歩いて行ってしまった音根の背に追い付くと、二人は声をかける。
だが、やはり何か考え事をしているらしく二人に気づいていないようだ。
地面を見つめながら歩く音根の横に並ぶと、喜八郎は覗き込みながら声をかける。
「音根」
「きゃっ!?き、喜八郎くん?それにタカ丸先輩までどうされたんですか?」
「それは、音根ちゃんの方なんじゃないかな?」
タカ丸の言葉に思い当たることがある音根は、口を噤んでしまう。
よかったら話してくれないかなというタカ丸は、何時もと同じ様にふにゃりとした笑みを音根に向けており、そんなタカ丸に安心したのか、音根は小さく頷いた。
「おいッ!!何を私達抜きで話を進めているんだ!!」
「そうだぞ!!話なら音根の一番の友である私、田村 三木ヱ門が」
「いいや、音根の一番の友の私が!!」
「あはははははッ!!」
追い付いてきた三人はまたも同じ揉め合いをしている。
そんな様子の三人に、音根が苦笑いを浮かべていると、皆音根ちゃんのことが心配なんだよとタカ丸が言う。
自分のことを心配してくれる友達がこんなにもいてくれるのだと感じていると、守一郎の笑い声が高らかに響き、本当に心配してくれているのだろうかと少し不安になる。
「で、結局音根は何に悩んでたわけ?」
喜八郎の言葉に、その場にいた皆が音根に注目する。
すると音根は苦笑いを浮かべながら、昨日告白をされたと言うことを皆に話す。
音根の言葉に続き、告白と言う皆の驚きの声が響く。
「誰から告白されたんだ!?」
「それよりも返事は決めたのか!?」
「もちろん断るんだよね!?」
「どうなんだ音根!?」
皆からの質問攻めに合い戸惑う音根に、一人だけは違う言葉を音根にかけた。
さっきと変わらないふにゃりとした笑みを浮かべ、音根ちゃんはどうしたいのと、タカ丸は尋ねる。
「私は正直、恋とか愛とかよくわからなくて……」
「そっか、それで悩んじゃってたって訳だね」
タカ丸の言葉に小さく頷く音根の表情は困っており、つい騒いでしまった四人も冷静になり話を聞く。
相手を傷つけたくない音根は、どうやらどう断ればいいかで悩んでいるようだ。
「普通に断ればいいだけではないか。音根には私という未来の恋人がいるのだからな」
「なぁにが未来の恋人だ。勝手に音根をお前の未来の恋人にするな!」
「私は事実を言ったまでだ。成績優秀、顔も完璧、相応しいのは私くらいだ」
再び滝夜叉丸と三木ヱ門が喧嘩を始めてしまったため、タカ丸は、今はそんな話じゃないでしょと二人の間に入る。
今も悩んでいる音根に、最初に言葉をかけたのは喜八郎だった。
「音根は難しく考えすぎなんじゃない?今僕達に話してくれたことを本人に伝えてみなよ。それでどうするかはその人の問題なんだからさ」
「喜八郎くん……」
何だかおいしいところを持っていかれたような感じてはあるが、他の皆も喜八郎の言葉に頷く。
下手にあやふやな返事をしたりすれば、相手に期待を持たせ逆に傷つけてしまう可能性があるからだ。
だが、こうして相手のことでこんなにも悩める音根はやっぱり優しい。
「わかった。私、自分の気持ちを正直に話してみるよ!」
音根の悩みが晴れたところ、いつもの騒がしい話し声を響かせながら帰路を歩いていく。
きっと音根はこの関係を友達と思い、仲の良い六人組だと思っている。
だが、気づいていないのは音根だけだ。
ここにいる五人は、音根に惹かれて傍にいる。
勿論その惹かれるというのは、恋や愛といった類いの感情だ。