麦わら海賊団の船長は私だ
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サナギ ハル
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「ルフィ、食べすぎなんじゃない?」
「そうかもしんねェ。見張りで腹空いちまってたからなァ~」
見張りと言ってもルフィの場合はいつも眠っているわけなのだが、それでもやっぱりお腹は減ってしまうわけだ。
そんなことを話していると甘い香りが鼻を掠め、この香りが何なのかはすぐにわかった。
「もしかしてこの香り、クッキー……?」
「正解!そんな奴はほおっておいて一緒に食後のデザートでもどうだい?」
「うん、じゃあそうさせてもらおうかな!」
「おれも食うぞ!」
今まで苦しそうにしていたのが嘘のように、いつの間にかルフィの膨らんだお腹は今の一瞬のうちに元に戻っている。
「お前は腹一杯だったんじゃねェのかよ」
「甘いものは別腹だ!」
「仕方ねェな」
サンジくんはオーブンから取り出した焼きたてのクッキーを1枚のお皿へと乗せ、3人の真ん中へと置いた。
そのテーブルを囲うように3人で座ると、真ん中に置かれたクッキーへと手を伸ばし1枚指で摘まみ口へと頬張る。
「うぅ~……美味しいッ!」
「そりゃよかった!でだ、何てめェはさっきからパクパク食ってやがるッ!」
私がクッキー1枚を食べ終わる間に、横からはルフィの手が伸ばされクッキーがどんどん減っていく。
「うめェな、このクッキー!」
「これはてめェに作ったんじゃねェ!ハルちゃんの分が無くなるだろォがッ!!」
「わりィわりィ!ハルも食うか?」
ルフィに聞かれ、うん、と返事を返すと、ルフィはクッキーを1枚指で摘まむとそのまま私の口へと入れてしまった。
突然の行動に頭が追い付かず固まっていると、目の前のルフィの頭に拳が落とされた。
「てめェ、ハルちゃんに何してやがるッ!!」
「いってェ……!何怒ってんだよサンジ?」
私は二人の会話をどこか遠くに聞きながらさっきのことを思い出していると、頬に熱が集まりだす。
間違いなくさっきのは恋人同士がするという、あ~んというものだと思うが、きっとルフィは私にクッキーを食べさせただけのつもりに違いない。
私はそう自分に言い聞かせると心を落ち着けた。
「大体お前はッ」
「サンジくん、私は大丈夫だから」
「だがハルちゃんッ」
「ルフィはただ私にクッキーを食べさせてくれただけだから」
何でサンジくんが怒っているのかわからないルフィは首を傾げており、考えるまでもなく、ルフィは何も考えずにした行動なんだとわかる。
きっと、私とサンジくんが深く考えすぎなのだろう。
「ハルちゃんがそう言うならいいんだが……って、ルフィッ!!てめェ、クッキー全部食いやがったな!!」
テーブルには空の皿だけが置かれており、沢山あったクッキーは一瞬のうちに消えてしまっていた。
そのあとルフィがサンジくんにお説教されたのは言うまでもないことだ。
サンジくんのお説教タイムが始まり、私がダイニングを出て図書館へと向かうとロビンの姿があった。
「あら、船長さんも本を読みに来たのかしら?」
「うん。この前寄った街で買った本を読もうと思って」
私は本を手に取ると椅子へと座り読み始める。
静かな空間で本を読んでいるとしばらくして、どこからかルフィやチョッパー、ウソップの騒がしい声が聞こえてくる。
どうやらサンジくんのお説教が終わったルフィは二人と一緒に騒いでいるようだ。
「うふふ、外が騒がしいみたいね」
「そうだね、様子でも見に行ってくるよ」
まだ読み始めたばかりの本を本棚へと戻すと、私は声の聞こえる甲板へと向かう。
「女ヶ島ってどんなとこなんだよルフィ!」
「女だらけの島だ、あと食いもんが美味い!!」
「わたあめあるかな……」
どうやら3人はルフィがお世話になったという女ヶ島について話しているようだ。
というのも、女ヶ島の近くの島に用事があるため皆で今向かっている最中だからだろう。
「女ヶ島って、島の名前通り女の人しかいないんだ?」
「ああ!あいつら元気かなァ~」
ルフィにとって女ヶ島は、エースさんの処刑を知った場所である訳だが、当の本人は悲しい表情などは一切見せずに、ウソップやチョッパーと女ヶ島でのことを楽しそうに話している。
ルフィのことだから無理はしてないだろうし、今ルフィは前を見ているから、私も皆も普段通りでいられる。
「そういやすっげェ美女がいたよな!」
「多分そりゃハンコックだな」
「あのときはサンジが大変だったからな……」
「そうだったね。サンジくんが突然石になったり鼻血を吹き出したりだったからね」
サンジくんが飛ばされていた場所は、カマバッカ王国というオカマの人達しかいない島だったため、女好きのサンジくんにとっては余程地獄だったのだろう。
最近では2年前のサンジくんに戻っており、女性を見ただけでは鼻血は吹かなくなったものの、またあんな美人さんを見たら吹き出してしまうかもしれない。
不安なこともあるが、女ヶ島、どんな場所なのか今から楽しみで、私達はルフィから女ヶ島の人達の話などを聞き、今日も1日が過ぎていく。
翌日、女ヶ島に着くと、ルフィの知り合いらしい金髪の女の子が現れると、私達を島へと入れてくれた。
ルフィから聞いていた通り、どこを見ても島には女の人しかいない。
「おねェさ~ん!」
「あッ、サンジくん!」
ついて早々サンジくんは女の人達のところへと行ってしまうが、先ずはこの島の皇帝であり、王下七武海の一人、海賊女帝のボア・ハンコックさんに挨拶をしに行く途中のため、サンジくんはほおっておき私達は先を急ぐ。
一体、ボア・ハンコックとはどんな人なのだろうかと考えていると、私の横を風通り過ぎたかと思いきや、後ろを見ると女の人がルフィを抱き締めている。
「ルフィ!!よう来たな、わらわはまた会えると信じておったぞ」
「久しぶりだなハンコック!」
「はうッ!!ルフィがわらわのことをハンコックと……ッ!!」
どうやらこの人がボア・ハンコックさんらしいが、そうとうルフィを気に入っているのかルフィから放れようとしない。
「サンジいなくて正解だったかもしれねェな」
「そうだな、輸血の血が足りなかくなるところだった」
ウソップとチョッパーの言う通り、こんな美人な人見たら死人が出るところだったに違いない。
「ハンコック、そろそろ放してくれねェか?」
「ッ!!わらわとしたことがすまなかった、直ぐ宴の準備をさせよう」
ハンコックさんはルフィから放れると、直ぐに宴の準備を始めるように皆に伝える。
「あの」
「何じゃそなたは」
「こいつはおれ達の船長のハルだ」
「な……に……。この小娘が、わらわの愛しき人の船長………くッ!!」
何だかわからないが凄く私を睨んでいるようだが、先ずは挨拶をと思い口を開く。
「初めまして、ハンコックさん」
「ハンコック様じゃ、無礼者め!!」
そのあとも私は睨まれ続けながらも、宴が開かれる場所へと案内され部屋へと向かう。
「ルフィ、一杯食べるがよいぞ」
「美味そうだなァ~!!」
目の前には沢山の料理が用意されており、ルフィはハンコック様、男性陣は他の女の人達に囲まれている状態だ。
ここ、女ヶ島では男は珍しく皆興味があるのだろうが、あれだけベタベタされては皆食べにくそうでしかない。
「私達も料理をいただきましょうよ」
「うふふ、男の人達には悪いけどそうしましょうか」
「そうだね」
私達女も料理を食べ始めた時、足音がこちらへ近づいてきたかと思うと扉が開かれ現れたのは、すっかり存在を忘れてしまっていたサンジくんの姿がそこにはあった。