入れ替わり
名前変更
名前変更お話にて使用する、夢主(主人公)のお名前をお書きくださいませ。
【デフォルト名】
サナギ ハル
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「おれはこのままでもおもしれェけどなぁ~」
「ルフィがよくても私は嫌よ!!」
その後も、チョッパーは調べてくれると言っていたが、もしかするとずっとこのままなんじゃないかという不安が頭を過る。
取り敢えずは、皆といると入れ替わりに気付かれてしまうといけないため、ルフィと甲板へ行き、することもなく暇を潰していた。
「しししッ! なんかおもしれェな」
ハルとは対称的に、ルフィは入れ替わりを楽しんでいるようだ。
「何がそんなに楽しいのよ。私は、このままなんて嫌よ!」
「まぁ、ずっとこのままってのは困るよな」
「でしょ?」
「ああ。これじゃあハルを抱き締める時に、おれの方が抱き締められてるみたいになっちまうしな」
「え?」
ルフィの発言に驚き瞬きをすると、ルフィはハルへと近付きギュッと体を抱き締めた。
入れ替わっているせいで、ルフィの方が小さく、ルフィの顔がハルへと向けられると、自然と上目遣いになり鼓動が高鳴る。
自分の姿をしているルフィだというのに、意識してしまうと耐えられなくなり目を逸らしてしまう。
「なッ! こういう時におれのが下になっちまうだろ?」
「ッ……ルフィにとって、困ることってそれだけなの?」
今だに自分を抱き締めているルフィから目を逸らしながら問いかけると、ルフィは体を離し考える仕草をする。
抱き締める時の身長差などではなく、普通は入れ替わったままなんて嫌だと思うはずだが、ルフィにはそんな考えはないのか、まだ頭を悩ませている。
「あ!」
「何?」
ようやく答えが出たらしいルフィがハルへ近付くと、顔を前に出してみろと言う。
どうするのだろうかと首を傾げるが、少しルフィへと顔を近付ける。
すると、近づけた瞬間ルフィの顔が近づき唇が重なる。
慌てて離れると、こういうときにも困る、とルフィはしししと笑いながら答えた。
「ハル、お前顔が真っ赤だぞ?」
「誰のせいよッ!!」
結局その後も戻ることはなく、気付けば夜になってしまったため、ハルとルフィは女部屋と男部屋、それぞれの部屋で眠ることとなった。
入れ替わったのが他の男、特にサンジやブルックなら女部屋で寝かすわけにはいかないが、ルフィなら安心して代わることができる。
だが、ハルはと言うと、男部屋で眠れるはずもなく、皆が寝静まった後こっそりと部屋を抜け出し甲板へと出た。
夜の海を月明かりが照らす中、波の音だけが聞こえ、心が落ち着く。
今日は朝から慌ただしく、ゆっくりなどする暇はなかったが、こうして周りを見てみると、いつも自分が見る景色とは違って見え、ルフィとの身長差が今見る景色分違うのだと実感する。
入れ替わってしまったときは慌ててしまったが、こうしてルフィが見ている世界が見れて、少しでもルフィに近づけた気がし、入れ替わりもそんなに悪くないかも、なんて今なら思えてしまう。
「眠れねェのか?」
そんなことを考えながら海を眺めていると、背後から声をかけられ振り返る。
するとそこには、ルフィの姿があった。
「うん。ルフィも?」
「ああ。なんか落ち着かなくてさ」
二人並んで座り空を見上げると、真上にある月が瞳に映る。
「満月だね」
「そうだな」
「……ルフィ、もしもこのまま戻らなかったら、どうしようか?」
「その時は、おれと一緒に海賊王になろうぜ!」
「えー」
不安なはずなのに、こうしてルフィと笑い合っていると、不思議とそんな気持ちは何処かへと消えてしまう。
「ルフィって、不思議だよね」
「何がだ?」
意味がわからないルフィは首を傾げ、頭にハテナマークを浮かべている。
そんなルフィが面白く、つい笑みが溢れてしまう。
ルフィは気付いてないと思うが、どんな姿をしていても、ルフィはルフィなんだと感じ安心する。
ハルはルフィと話した後、部屋へ戻ると、不安だった気持ちはすっかりなくなっており、その後はすぐに眠ることができた。
そして翌朝、目を覚まし顔を洗っていると、鏡に映る自分の顔に驚き、ハルはある場所へと走り出した。
「ルフィッ!!」
男部屋の扉をノックもせず開け入ってきたハルに、サンジとゾロは驚いていたが、そんなことなど今のハルが気付くはずもなく、まだ眠っているルフィの体を揺すり起こす。
「ルフィ! ルフィ! 起きて!!」
「ふぁ~……何だ、ハルか…………ハルッ!?」
目の前に映る姿は自分ではなくルフィで、ルフィの瞳に映るのも自分ではなくハルだった。
何故かはわからないが、どうやら戻ることができたようだ。
ハルとルフィが喜んでいる横では、サンジとゾロが訳もわからず驚きの表情を浮かべ、この騒がしさで集まってきた皆も頭にハテナマークを浮かべている。
そんな皆の姿が昨夜のルフィのようで、クスッと笑みが溢れてしまう。
色々と大変だった1日は終わり、このことを知るのは、ハルとルフィ、チョッパーの3人だけとなった。
《完》