きみの声で呼んでほしい
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「名前、ていうのはね……特に、拘ってつけられた名前は力を持つものなんだ」
「え?」
見上げた髭切の表情は珍しく笑みではなく真面目な表情をしていた。
けれど、すぐにその表情はまたいつものように柔らかな笑顔に変わってしまって、その表情の意味を探ることは出来なかった。
「ねえ、髭切。それなら髭切の名前はどんな力を持つの?」
「僕の?うーん、そうだなあ、例えば弟の……ええっと、なんだったかな。まあいいや、弟が呼ぶのならさ、僕は彼の兄だって所属させられてるよね」
所属させられる。
なんとなくではあるが、やよいにも髭切の言いたいことが少しだけ理解出来た。
つまり、呼ぶ人によって名前の力は変わる。
「兄」と呼ばれれば、呼んだ人は「弟」または「妹」になる。
「父」と呼べば、読んだ方が「子供」ということになる。
お互いがお互いを縛るように、名前には力があって、そこに意味が生まれる。
「ねえ、それなら私が髭切を呼べばどうなるの?」
「それは簡単だよ、主。 君が僕を呼ぶのならそれは支配だ」
支配、そう言われてしまうとなんだか威圧的に思える。
強く、固い縛り付けのように思えてしまって、やよいは刀装を書き留める手を止めて、髭切を見つめた。
「私は支配するより、対等になりたいな……髭切と仲良くなりたい」
「なるほど。そういう考えもあるのか……ああ、それじゃあ君にとってはどうだろうか」
「え?」
見上げた髭切の表情は珍しく笑みではなく真面目な表情をしていた。
けれど、すぐにその表情はまたいつものように柔らかな笑顔に変わってしまって、その表情の意味を探ることは出来なかった。
「ねえ、髭切。それなら髭切の名前はどんな力を持つの?」
「僕の?うーん、そうだなあ、例えば弟の……ええっと、なんだったかな。まあいいや、弟が呼ぶのならさ、僕は彼の兄だって所属させられてるよね」
所属させられる。
なんとなくではあるが、やよいにも髭切の言いたいことが少しだけ理解出来た。
つまり、呼ぶ人によって名前の力は変わる。
「兄」と呼ばれれば、呼んだ人は「弟」または「妹」になる。
「父」と呼べば、読んだ方が「子供」ということになる。
お互いがお互いを縛るように、名前には力があって、そこに意味が生まれる。
「ねえ、それなら私が髭切を呼べばどうなるの?」
「それは簡単だよ、主。 君が僕を呼ぶのならそれは支配だ」
支配、そう言われてしまうとなんだか威圧的に思える。
強く、固い縛り付けのように思えてしまって、やよいは刀装を書き留める手を止めて、髭切を見つめた。
「私は支配するより、対等になりたいな……髭切と仲良くなりたい」
「なるほど。そういう考えもあるのか……ああ、それじゃあ君にとってはどうだろうか」