きみの声で呼んでほしい
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「おかえり、みんな!」
戻ってきたばかりの部隊を前にして、やよいは声をかけた。
部隊の皆は傷をいくらか負ってはいたが、大怪我というような者はいない。
名刀揃いの上に相応に練度が高く、武装の面でも不足がなければ当然の結果ではあるのだが、彼らが戦いに行ってしまえば本丸の自分に出来るのは帰還の指示を下すか否か程度であるだけに、無事の帰還にはいつも安堵の息を零していた。
「主はずいぶんと心配性だね、僕らがそう簡単に折れるはずがないのに」
「兄者、主の気遣いにそのようなことをいうのは……」
戦場からの帰還とは思えないほどのどかな風情で声を挙げたのは髭切だった。
それに続くようにして、どうにも呑気な兄を窘めるように苦労性の弟が声を上げた。
この2人は比較的、最近この本丸へと顕現した刀剣男子であり、やよいもまだ距離を掴みかねていた。
「う、うん、負けないとは思っていたけど、怪我をしたらやっぱり痛いじゃない?」
「そうだね、人の体というのは3寸切り込めばままならない。ほんの少し欠けただけでも動きが鈍る。不自由極まりないよ」
穏やかな口調からは想像もつかない剣呑な内容に、思わずやよいの表情は強ばった。
けれど、当の髭切はといえば新しく得た生身の欠点と、その利点とをつぶさに観察しているというだけであり、その感想を主がどう感じるかなど理解していなかった。
戻ってきたばかりの部隊を前にして、やよいは声をかけた。
部隊の皆は傷をいくらか負ってはいたが、大怪我というような者はいない。
名刀揃いの上に相応に練度が高く、武装の面でも不足がなければ当然の結果ではあるのだが、彼らが戦いに行ってしまえば本丸の自分に出来るのは帰還の指示を下すか否か程度であるだけに、無事の帰還にはいつも安堵の息を零していた。
「主はずいぶんと心配性だね、僕らがそう簡単に折れるはずがないのに」
「兄者、主の気遣いにそのようなことをいうのは……」
戦場からの帰還とは思えないほどのどかな風情で声を挙げたのは髭切だった。
それに続くようにして、どうにも呑気な兄を窘めるように苦労性の弟が声を上げた。
この2人は比較的、最近この本丸へと顕現した刀剣男子であり、やよいもまだ距離を掴みかねていた。
「う、うん、負けないとは思っていたけど、怪我をしたらやっぱり痛いじゃない?」
「そうだね、人の体というのは3寸切り込めばままならない。ほんの少し欠けただけでも動きが鈍る。不自由極まりないよ」
穏やかな口調からは想像もつかない剣呑な内容に、思わずやよいの表情は強ばった。
けれど、当の髭切はといえば新しく得た生身の欠点と、その利点とをつぶさに観察しているというだけであり、その感想を主がどう感じるかなど理解していなかった。
1/5ページ