小料理屋【すみれ】



ここは米花町の隣町にある小料理屋。

母と2人でお店を切り盛りしています。
と、言っても昼間は通訳や翻訳等のお仕事を頂いているので
空いた時間にお手伝い、といった様な感じなのですが
小さな頃からずっと手伝っていたので最近はたまに1人で
お店を開けたりもしてます。

お客さまはそんなに多くはないけれど
常連のお客さまに支えられてなんとかやっています。


閉店時間に近かったのもあり、母には奥で休んでもらって
私は表の落ち葉を軽く掃きに出た。

サラサラのプラチナブロンドの髪に
褐色の肌の整った顔の男性はグレーのスーツをスマートに
着こなし、とても疲れた顔をしていた。

彼の事が気になり、気がつくと彼に声をかけていた。
彼は一瞬目を丸くしてブルーグレーの瞳に私を映した。


｢いきなりすみません…なんだかとても、疲れている様だったので、良ければ｣


と、お店を指さし彼に笑顔を向けた。