明日はデートしようね
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ぽんっ。テーブルの上に置かれているスマホが、メッセージを受信して光る。もたれ掛かってテレビを見ていたソファーから体を起こし、何気なく画面を覗き込んだ。
123:今日はあざっしたー!
ぽんっ。
123:画像を送信しました
ぽんっ。
123:またセンセの車で行きましょーね♡
ぽんっ。
123:なんちて☆
(見なきゃ良かった)
ぼすっと音を立てて元いたソファーに逆戻りする。
「メッセージが来たのかい?」
「うわッ!?」
急に真後ろから声が聞こえて、飛び上がって後ろを振り返る。バスローブの胸元をはだけさせている寂雷が、髪をタオルで拭きながら立っていた。
「ねえ!気配殺して背後に立つなっていつも言ってるよね!?」
「九重正樹が驚くのが面白くってつい、ね」
ふふふ、と笑いながらテーブルまで歩いてスマホを持ち上げた。
「一二三君か。今日の釣りはね、川でしたんだよ。こんなに大きなニジマスが釣れたんだ」
嬉しそうにこちらにスマホを向けて来る。画面には、右手に釣竿を持ち左手に大きなニジマスを持ち上げた寂雷と、満面の笑みを浮かべてピースをしている一二三くんが写っている。二人とも凄く楽しそうだ。
「……いいな、」
「九重正樹も来れば良かっただろう?」
「おれが超人見知りだって知ってるでしょ」
「ふむ」
隣に腰を下ろした寂雷が頭を撫でた。手がポカポカと温かい。
「君ももう三十だし、人見知りを直さないといけないね」
「そうだけど。そうじゃないってゆーか……」
「と言うと?」
「おれだってたまには寂雷と二人でデートしたいって言いたいの!一二三くんばっかズルいよ」
押し倒そうとすると、すんなりと後ろに倒れてくれた。
「君もそういう可愛らしい事を言うんだね」
興味深いな。微笑まれて頬が熱くなる。
「言うし!めっちゃ言うかんね!だっておれ可愛いの化身だし!!」
「はは。そうだね。さて、それじゃあ可愛い九重正樹は今から私と夜の釣りを楽しんでくれるかな?」
くつくつと笑っている寂雷の腹に跨ったまま、ぽこぽこと軽い力で殴った。
「まさかのここで電王かよ〜電王めっちゃ好き〜。てか寂雷がそのセリフ言うとよりエッチなんですけど〜〜!もお〜好きが過ぎる〜〜〜」
「それは光栄だね。さ、おいで九重正樹」
肩に手をついてゆるゆると顔を近づけていると、頭の後ろと腰に手を回して来た。そのままぐいっと寂雷の唇に押し当てられた。形の良い薄い唇はほんの少し硬い。ちゅっちゅっとまるで小鳥が啄んでいるようなキスを何度か繰り返すうちに、熱く湿った舌がぬるりと侵入して来た。
「ふ……っ、あ」
ぐちゅ、ぐちゅ。熱さで脳が溶けちゃいそう。舌が出て行った後も頭はぼんやりとしている。
「さて。私は髪を乾かして来るとしよう」
「……え、」
「医者である私が風邪を引いて寝込むなんて事、あってはならないだろう?」
「うぅ……」
「そんな不安そうな顔をしなくても大丈夫だよ。続きはその後で、ね」
「っ……!おれが乾かしてあげるっ」
「おや。せっかくだからお言葉に甘えてしまおうかな」
素早く立ち上がり、寂雷を引っ張り起こすと、背中をグイグイと押して洗面台へと向かう。
〆
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