本編沿い
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「よし…こんなもんだろ。」
ノエルが以前渡したアイロンを使い
髪を巻き、髪を団子にしながらサイドテールにした
最後にこの間、雑貨屋で見つけた三日月の簪を刺し、仕立て屋にわざわざフリルを付けろとうるさく行った男の努力は仕立て屋の努力の賜物と言わんばかりに袖という袖につけられていた
後ろの帯も大きくリボンに結び満足気な顔をしている
「ほら、行くぞ。」
「でも私、今どんな感じなのかわからないです」
「んなもん…似合ってるんだから別にいいだろ」
「え?紅丸さんなんて?」
「…いいから、紺炉たちも待ってる…行くぞ。」
顔を一切合わせなくなった紅丸に手を引かれるように廊下へと出た。
「箱入り娘…また若にめかしこんで貰ったな」
「馬子にも衣装だな」
「ヒカゲ…ヒナタ…お前らなぁ…」
「「箱入り娘の姿みんなに見せてやろうぜ。」」
「え、あっちょっと……」
「おいテメェら!!!」
好きな人を取られたことがさらに気に食わなくなる紅丸
いつになったら2人きりになれるのか。
そもそも3日間2人きりになれる時間はあるのか
それすら不安になってきていた。
「あれ、若。第1の子は?」
「ヒカゲとヒナタに取られた…」
さらに不機嫌を隠せないでいるこの男
余計なことを言うと何をしでかすか分からないと思った隊員は、乾いた笑いしかできなかった。
「「コンロ〜」」
「ヒカヒナ?若はどうした?」
「若は遅いからな」
「置いてきた」
置いてきたと言うより、置いていかれたが近いだろうに…あぁ嬢ちゃんがここにいるということは今頃かなり不機嫌だな…。
「紅丸さんが全部やってくれて…鏡も全然見せてくれないからどうなってるかよく分からないんです…」
「大丈夫だ。似合ってるから。髪型もだいぶ変わったな…若が?」
「はい。私が前に渡したアイロンを使ってくれて…。」
「やけに熱心に練習して…」
「紺炉…」
「若、今頃登場ですかぃ?」
「うるせぇ…外出るぞ。修理と壊れた家の住人を詰所に泊めなきゃならねぇ。ノエル…傘。」
「あ、ありがとうございます」
日傘も傘職人にわざわざフリルつけてほしいと
わざわざ言った男である
最初は着物の仕立て屋も傘職人も、浅草の破壊王が何を言っているかわからなかったが、よく一緒に歩いていた女を見て納得するしか無かった
相手を見つけたと喜びながら作ったが
付き合ってもなければただの贈り物
としか言わず、紺炉に聞けば
気長に待ってくれとしか言われない
職人たちは気長に待つしかないのである
ピュ~っと花火が町中に上がり、太鼓が鳴り響く
「まるで祭りだな」
「原国式の特別式ともまた違ったここでの特別な弔いでしょうか」
第8の声などお構いなしに紅丸は指示をだす
「トビ共は修理しろ!今の弔いで家が壊れちまった奴は詰所に泊まっていけ!修復作業が終わるまで俺たちが面倒を見てやる‼」
ノエルはそんな姿を日傘をさしながらやさしく見守る
「紅ちゃん~。今度は私の家壊して~~~ん♡私も紅ちゃんと暮らしたいわァ~♡」
「アイツの家はぜってェ壊れねぇように補強しとけ」
「ヘイ!」
紅丸のことが好きだろう男(?)が紅丸にアピールするも眼中にすら入れられず、全体をみながら、ついでのようにノエルの確認をしていた。
「一緒に暮らしましょうよ‼」
「…ノエル、行くぞ。」
「え、いいんですか。ずっと紅丸さんに話しかけていますけど…」
「いいんだよ。」
「紅ちゃん…誰よ!その女‼」
「誰だっていいだろ!一緒に住まねぇからな!」
「もぉ~照れちゃって~」
「うっとしい…別のところ行くぞ。」
時折、足元の確認や、歩幅を気にしながら歩く
「その木材を運んでくれ」
「…おい」
「はい!第8にもやらせてください。俺の能力なら運搬も高所作業も平気ですから」
そういうと木材をもって飛んでいく
「私もやったほうが…」
「気にするな。勝手にあいつらがやり始めたことだ。俺たちは現場監督しとけばいいんだよ」
これ以上減らされてたまるか
「あら、お嬢ちゃん。私の着物着てくれてるのね。紅丸ちゃんが、最初ね~」
「おい…余計な事言うな」
「紅丸ちゃん…照れちゃって~こんなかわいい子連れて歩けてうれしいんでしょう?」
「いつもありがとうございます。紅丸さん…仕立て屋さんの情報なにもくれなくて」
「紅丸ちゃんは、驚かせたいのよ」
「なんで…?」
「もうそんなことは…」
「おい…それ以上はわかっているな」
本日聞いた中で一番低い声がノエルの後ろから聞えた
「おやおや…まったく紅丸ちゃんは困った子だねぇ…。邪魔者は退散するよ」
「え…いいんですか?」
仕立て屋の中年女性は紅丸に笑ってはいたが本当にいいのだろうか
その後も、どこに行ってもノエルとの関係を町の人たちにいじられる
「居心地悪いだろ。いつも悪ぃな…」
「紅丸さんが、町の人に愛されているからですよ」
「別に…」
「ほらほら、あれ見なよ。紅ちゃんが照れてる」
「ほんとだ。デレデレしてるな…!」
聞えてんだよ…ノエルに聞こえたらどうしてくれるんだ
キッとしゃべっている男たちのほうを見るとバレたといわんばかりにそそくさと仕事に戻る。
「誰かいましたか?」
「いや…」
_空も赤色に青みがかってきたころ_
「今日の作業は終わりだ!」
紅丸の声で本日の作業は終わりとなった。
「第8の隊員もありがとな!助かったぜ」
「ノエルも中に入りな。歩き疲れただろ。明日は、買い物に付き合う。」
「私そこまで欲しいものとかは…」
「…」
「嬢ちゃん。なら、若の買い物に付き合ってくれねぇか?」
「私が…ですか?」
「嬢ちゃんじゃないと、務まらないと思うからな」
「…紺炉。包帯…」
「わかったよ…」
古い包帯を紺炉は取りながら、桶に入った水にタオルを付け、絞る紅丸
「私、ここにいてもいいんですか?」
「ヒカヒナは、第8の奴らに興味があるみたいだからな…嬢ちゃんを一人にしてしまうからな。野郎の上半身だろうと裸を見るのは平気か?」
「お父様の鍛錬後とかよく脱いでいるので…それに消防隊のカレンダーとか…」
そういえば…そんなものあったなと、タオルの水気がないか確認しながら考えていた紅丸
今年は、去年のようにはいかせない…
「でも、紅丸さんの写真は銭湯でしたけど…」
「おま…あれ見たのか?」
「お父様から、サンプルカレンダー見せてもらったので…」
娘に裸の男の写真見せるか?
神父だろ
「若が銭湯がいいっていったからな」
「紺炉…」
「若…ここは…」
ん~っと言葉にならない小さな声でうなりながら
タオルで肩周りを拭く。
「わざわざ若がやらなくても…」
「若い衆はようやく一息着いてんだ。俺にもこんくらいやらせろ。」
「すみません…」
「抑制剤も少なくなってきたな。灰島に発注しねぇと」
ピトッと抑制剤を貼った
「!」
「痛むか?」
「いえ、ヒヤッとしただけです。」
「本当は紺炉お前が大隊長になるはずだったんだのにな…」
「ここは荒くれ共の集まる第7です。戦えないやつに大隊長なんざ務まりません。」
「紺炉…さん…。」
そうノエルが呟くと
ガラッと扉が開いた
「「わー!!!」」
「コンロ〜」
「わか〜」
「「ここにいたのか箱入り娘!」」
「おい…待て…」
後ろから追いかけてくる男、森羅がため息をつきながら追いかけてきた。
「ヒカゲ・ヒナタどうしたんだ?」
「あのくそボウズがヒカ・ヒナを喰っちまおうと追っかけてくるんだよマジふざけてやがる」
「鬼ごっこしてるのにくそボウズだと?コノヤロー。もう炎の独楽見せてやらねぇぞ」
「炎の独楽?」
「アイツ足から火を出してすげぇ回るんだ。まじバカみてぇー」
「あれは、ブレイキン!ブレイクダンス!バカじゃなくてカッコいいやつなの!」
「悪いな第8の…修理を手伝ってもらうばかりかチビ共2人の面倒まで…」
紺炉が二人の世話が大変なのは知っているうえでの言葉である。
「チビじゃねぇつぶすぞコンロ~」
「あ…いえ…子供の相手するの嫌いじゃないです。」
「子ども扱いするな。つぶすぞシンラ~」
紺炉の肩をみて何かを気付いたようでヒカゲ・ヒナタを連れ元きた方向へ帰っていく
「炎の独楽見せてやるからいくぞ」
「「うるせぇヒカとヒナに指図するな」」
「ヒカヒナちゃんたち…楽しそうでしたね」
「まぁいつも遊んでやるのは、決まってるからな。若いやつが遊んでくれると体力あるからな。ずっと遊んでくれるだろ?」
「そうですね…私では役不足みたいで…」
「でも嬢ちゃんは、着物だからなぁ…動きやすいのになれば…」
「基本私は第1では後方より射撃していますので…」
「お茶持ってきますね」
そういうとノエルは、廊下へと出ていく
二人で話をさせる時間を作ったようだ。
「嬢ちゃんには悪いことしてるな。」
「…」
「第8の連中は…気持ちのいい奴らですね。ほかの消防隊とは毛色が違う。俺たち第7に近い。調査の件協力してやっては?」
「お前が大隊長ならそうするか?」
「若!あんたは強いだけで大隊長に選ばれたわけじゃない。第8の連中が協力してくれたのも若に___…」
「分かってる。そのことは何度も聞いている。ただ俺には向いていねぇんだ。俺は…人の上に立つのはよ。ほら、前を向け包帯が巻けねぇ…。協力はする。第8の連中は嫌いじゃない。」
紅丸さん…
もらってきた急須と湯飲み茶わんをもって中に入る
「お話は終わりましたか?」
「気を遣わせたな」
「いえ…構いませんよ。」
そういいながら、ポットからお湯を入れ、急須の茶葉を慣らしていく
少し待ち、湯飲み茶わんに注ぐ
「どうぞ」
「客人の嬢ちゃんがここまでしなくてもいいんだぜ?」
「着物も、簪も、ほんとに一杯やってもらって、こんなことしかできないので…」
「それは紅が勝手にやったことなんだから。っていっても嬢ちゃんは気にするか」
「すみません。こんな性分なもので」
「第8と話してくる」
「私は、紺炉さんと待ってますね」
「…あぁ」
そういうと廊下のほうへと出ていった。