本編沿い
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「すみません…紅丸さんいますか?」
「あ、第1の…。すまねぇな。若は今外にいるんだ。」
外の掃き掃除をしていた第7の消防隊員に言われる
「そうですか…。あ、でもこれ…ヒカヒナちゃん達に」
「皇国のお菓子がいいと前に言われてたんで…」
「ほんと悪いな…いつもいつも。」
「構いませんよ。」
「あ、でも中で待っててくだせぇ!若もすぐ戻ってくると思うんで!あ、俺はやる事あるんでこれで!」
お仕事かしら?
「はい。ありがとうございます」
後ろからバサッと布を通る音がする
「ノエル…。」
大きな風呂敷袋を手に持ち中に入ると
中にはノエルが私服で立っていた。
「今日から3日間休みなので来ちゃいました。」
「バーンズになんて言って出てきたんだ?」
「お友達の所に行くと。泊まりになるかもしれないとも言ってきました。」
「お前も、だんだん悪巧みが上手くなってきたな」
「悪巧みなんて…お父様…こういうことはあまり許してくれないと思うので…」
「…まぁいい…。三つ編みの姉ちゃんにだけは本当のこと喋ってきたんだろう?」
「えぇ…アンジュさんには…」
ノエルのファザコンにも困ったものだが
箱入り娘のように育てたバーンズもバーンズだと思う。
「ババァの大福だ。食いたいやつは勝手に食え。」
「死にぞこないのクソババァの大福大好き!」
「大福作らねぇババァなんて死んだ方がマシだぜ!」
「「うへへへへ…ッ!」」
「ヒナタ…ヒカゲ…お前らなぁ」
「「なんだ?若…文句なら受け付けねぇぞ!」」
「全部若の受け売りですぜぇ…」
「…文句なら受け付けてねぇぞ」
「ほらそれ。」
「大福うめぇーこれは死に損ないの最後の輝きだぜ」
「うっへへへ…ババァの死に輝りうめぇー」
「俺はあそこまで言わねぇ…」
第7のいつもの風景にクスッと笑うノエル
大福を食べながらいつもの口の悪さで
褒めてるのか貶してるのか分からない評価をしているヒカヒナであった…
「お、嬢ちゃんじゃねぇか。」
「紺炉さん…お勤めご苦労様です…」
「ノエルの着物出さねぇとな…」
「それもですが…若…いまさっき、第8の連中から連絡がありやして…例の伝導者絡みで俺達の管轄をガサ入れしたいそうで…」
「めんどくせぇ…無視しとけ」
男ふたりが会話をしている中
ノエルは双子たちに皇国のお菓子をあげていた
「やっぱり…お菓子は沢山ある方がいいよな」
「箱入り娘のお菓子大好き」
「喜んで貰えて嬉しいわ」
「ヒカゲ…ヒナタ…ノエルにどんだけ頼んでるんだ」
「構いませんよ。これくらいしか給料の使い道ないので…」
前も言ってたな…服は基本、父親の給料から出ていると…。いつになったら娘離れするんだ?あの父親は…。
っと思ったが三つ編みの姉ちゃんが
『あ〜ノエルファザコンなんで…え?ファザコンの意味?お父さん大好き♡です』
っと言ってきた時は…バーンズと1戦交えてこようかと考えたくらいだ。
だが、ノエルが悲しむと思って辞めた
バサッとまた布の擦れる音がした
「すみません…もう来ちゃいました」
「あ?」
「ひぇ…」
「「どうした?箱入り娘…」」
「えぇ…ノエルさんなんでこんなところに…」
第1での謹慎処分中後輩、環に驚かれ紺炉の後ろに隠れてしまう
「なっ…!紺炉てめぇ…」
「若…そんなことより…第8の連中…」
自分ではなく自分よりガタイのいい紺炉を盾にしてるのが気に食わないらしく、不貞腐れている
若は素直じゃねぇからなぁ…
「突然押しかけて来るとはどういうつもりだ?」
「新門紅丸大隊長は面倒な手続きが嫌いと聞いて…直接来たのですが…」
「勝手に来ちまったのは…まぁいい…伝導者の調査だかなんだか知らねぇが…俺たちのシマを勝手に荒らされるわけにはいかねぇんだ」
「伝導者は人工的に焔ビトを作り出している…次はここの町民がターゲットにされる可能性がありますよ。」
「それだって皇国の言っていることだろ?実際にその一味が焔ビトにしている所を俺が見たわけじゃねぇ。バカ正直に信じる気はねぇんだよ」
「だからそれを確かめるために私たにはここに来たんです」
桜備が紅丸に言うが彼には響かない
「俺は実際に見ました!伝導者と繋がる男が焔ビトにする所を!」
「私も見ました!」
「皇国の犬が何を見たかなんかこちとら知らねぇんだよ。疑うことを知らねぇ犬っコロの話なんざ聞きたくねぇ」
「そこにいるノエル小隊長の言葉なら聞くんですか!」
何で今ふってくるの…
第7と第8の話に第1を巻き込まないで…
紺炉の後ろから声がする。
「私の元上司…直属の部下だったんですけど…新羅くんが言ってるのが彼です…殉職しましたけど…。他の中隊長達も言っているので…人工的な焔ビトの話は、していましたけど…。」
「ノエル自身が見たわけじゃねぇんだな」
「はい…私は報告書だけで…」
ノエルも見てねぇじゃねぇかという顔を第8に向ける紅丸の表情に頭が来たのか新羅が口を開いた
「疑うだけ疑って何もしねぇやつに言われたくねぇ」
「威勢がいいなクソガキ」
紺炉の作務衣を後ろから掴みながら
「紅丸さん…喧嘩はダメです」
新羅は桜備大隊長に宥められてはいるが喧嘩腰である。
「第7の大隊長!あんた最強の消防官なんだろ?強すぎて仲間にするしかねぇって町の火消しを皇国に認めさせたんだろ?!だったら今度は俺があんたをぶっ飛ばして認めさせる番だ!」
「火事と喧嘩は江戸の華ってか?」
新羅の言葉に落ち着きながらも喧嘩っ早い男
新門紅丸
「紅丸さん…そんなことしても何も解決しませんよ」
「ノエル…止めるんじゃねぇ」
「嬢ちゃん…あれはダメだ…。嬢ちゃんが本気で怒らなきゃ若には響かねぇよ。紅…あんま嬢ちゃん困らせると嫌われるぞ」
「…うるせぇ…。」
カーンカーンカーン
と外から鐘の音がした
「火事だ!」
「火事だ!!!」
「焔ビト?!」
「若が縁起でもねぇこと言うから…」
「俺が戻ってくる間に消え失せろ。ノエルは、終わるまで待ってろ。すぐ片付けてくる」
「はい…。」
紺炉の後ろから顔をのぞかせ紅丸を見送る
紅丸がいなくなると玄関で靴を履き、
新羅と環の前に立つ
「お父様には他言無用で…お願いしますね?」
いつものほわほわした感じとは裏腹にすごい重圧である。
「「は、はい…」」
二人は、返事をするしかなかった。
…
「あれか…」
詰所から少し離れたところに煙が上がっていた
「焔ビトか?」
「派手好きの勘太郎がなっちまった!」
第7の隊員が紅丸に報告をする
「さっき飲みに誘われたばっかなんだけどな」
「とっとと水回せ!」
「避難は済んでるよな?場所は?」
「隊員の連中が目印に纏を立ててます!」
「三丁目の勘太郎が焔ビトになっちまった!始めるぞ!祭りだ!!!」
どこからともなく
セイヤ・ソイヤと声が聞こえてくる
「何をする気だ?」
新羅の考えを超えるかのように民家を纏で破壊する
「民家ー?!!?」
「何棟抜いた?」
「4.5棟っすかね」
「若!!派手にかましてくれ!」
「こいつら何言ってるんだ?」
「こんなの第1でやったら厳罰ものだぞ」
第7のやり方がよく分からない新人隊員の新羅と環は驚きを隠せないでいる
「紅丸さん今日も楽しそうですね」
「第1の消防官なのにそんなこと言ってくれるのは嬢ちゃんくらいだぞ?」
「第1には第1のやり方があります。ですが、浅草には紅丸さんのやり方があります…。」
「そうかい?で、嬢ちゃん。今日は何色がいい?」
「そうですねぇ…先日は江戸紫色でしたね…でも、いつも紅丸さんが選んでくれてるので…」
「まぁ…紅はやけに真剣に買ってくるからなぁ…自分の着物は後回しにして」
「…紅丸さん…本当になんで私にこんなにしてくれるのか本当に謎です。」
「…まぁ……嬢ちゃんならそうなるよな」
あまりの疎さに驚きを隠せないでいる紺炉
「ノエル小隊長はなんでここに?いつも来てるようですけど…」
「3年くらい前からよく来てるの。そこで紅丸さんと出会った…。居心地がいいから来てるだけ…立場上あまり公に出来ないことと、お父様の立場もある。皇国だからとか原国主義者だからとかそんな古い考えはダメなのよ。どっちでもいいの。大災害前はいくつもの文化、宗教…言葉があった。だから、別に浅草には浅草の生き方があってもいいのではなくて?」
その目は確かに真っ直ぐであり
何者にも囚われない目をしていた_
「三丁目の勘太郎さんでしたっけ?よく紅丸さんと飲んでいる」
「あぁ…いつ誰がなってもおかしくはねぇんだ。悪ぃな。休みの日に…」
「いえ…前に…私も飲みに誘われたんですけど残念です…。」
紺炉の隣で目を閉じながら合掌をし
数秒後、目を開ける
「こうやって知り合いがいなくなるのは心が痛みますね。紅丸さんは私なんか以上に心が傷んでるはずです。破壊王と言われてはいますが…ただの破壊王ではあんなにもしたわれることは有りません。」
そんな中…纏を持って飛んでいく紅丸を第8の消防達は口々に口を開く。
「どうなってるんだ?着火させて炎の操作もしているのか?」
「あの纏になにか仕掛けがあるんですか?!」
「別にあの纏はただの纏よ。なんの仕掛けもない」
「若は第3世代の発火能力と第2世代の炎の操作能力の両方が使える…。自由自在に着火して操作することもおちゃのこさいさい。唯一無二の煉合消防官だ」
「焔ビトじゃなくほとんどあの人が壊してるぞ」
「家はいくらでも直せばいい。でも焔ビトになってしまった勘太郎の命はこれで最後なんだ」
後ろから歩いてくる老婆に驚きを隠せないでいる新羅
「見ろよ!カンタロウ!町がめちゃくちゃだ!年甲斐となく暴れやがって!」
「NDEèEëE…‼」
言葉ともならない声をあげ紅丸の方へと歩いていく勘太郎
「全く…派手好きのお前らしいぜ。なぁ…」
ドッと音がしたかと思うと心臓の核を一瞬で破壊した
「よく頑張ったな…」
そう呟いて_
…
「おかえりなさい。紅丸さん」
「あぁ…」
鎮魂の後は少し表情が重い
「ノエル…服だったな」
「私の事より…修繕作業とか…」
「いや、着替えるくらいいいだろ」
「嬢ちゃん付き合ってやってくれ。」
ノエルの後ろから声がする
「紺炉さん…」
「紺炉余計なお世話だ。」
「そうかい?ずっと邪魔され続けて少し不貞腐れてるように思えたからな。」
「…邪魔?」
「嬢ちゃんは気にしなくていいんだ。」
紺炉の言葉に?マークをつけながらとりあえず頷くノエル
「ノエル…藍色でいいか」
「紅丸さんの好きな色でいいですよ」
「それ、こないだ新調してたやつじゃないか」
「そうだ…ノエルが着替えるから入ってくんじゃねぇぞ」
バタンっと襖を閉めて、紺炉は閉め出された
「全く若は素直じゃねぇな。」
「紺さん…若は?」
「第1の嬢ちゃんにようやくかまえて喜んでる頃だろうよ。着替えさせるからって追い出された」
「ほんと若はあのお嬢ちゃんに夢中ですね。」
「本当に…あそこまで無垢だとよく特殊消防隊で戦えていると思う…。あそこまで優しいと…思い詰めることもあるだろうに…」
紅丸を探しに来た第7の消防隊員にそう言った。
「あ、第1の…。すまねぇな。若は今外にいるんだ。」
外の掃き掃除をしていた第7の消防隊員に言われる
「そうですか…。あ、でもこれ…ヒカヒナちゃん達に」
「皇国のお菓子がいいと前に言われてたんで…」
「ほんと悪いな…いつもいつも。」
「構いませんよ。」
「あ、でも中で待っててくだせぇ!若もすぐ戻ってくると思うんで!あ、俺はやる事あるんでこれで!」
お仕事かしら?
「はい。ありがとうございます」
後ろからバサッと布を通る音がする
「ノエル…。」
大きな風呂敷袋を手に持ち中に入ると
中にはノエルが私服で立っていた。
「今日から3日間休みなので来ちゃいました。」
「バーンズになんて言って出てきたんだ?」
「お友達の所に行くと。泊まりになるかもしれないとも言ってきました。」
「お前も、だんだん悪巧みが上手くなってきたな」
「悪巧みなんて…お父様…こういうことはあまり許してくれないと思うので…」
「…まぁいい…。三つ編みの姉ちゃんにだけは本当のこと喋ってきたんだろう?」
「えぇ…アンジュさんには…」
ノエルのファザコンにも困ったものだが
箱入り娘のように育てたバーンズもバーンズだと思う。
「ババァの大福だ。食いたいやつは勝手に食え。」
「死にぞこないのクソババァの大福大好き!」
「大福作らねぇババァなんて死んだ方がマシだぜ!」
「「うへへへへ…ッ!」」
「ヒナタ…ヒカゲ…お前らなぁ」
「「なんだ?若…文句なら受け付けねぇぞ!」」
「全部若の受け売りですぜぇ…」
「…文句なら受け付けてねぇぞ」
「ほらそれ。」
「大福うめぇーこれは死に損ないの最後の輝きだぜ」
「うっへへへ…ババァの死に輝りうめぇー」
「俺はあそこまで言わねぇ…」
第7のいつもの風景にクスッと笑うノエル
大福を食べながらいつもの口の悪さで
褒めてるのか貶してるのか分からない評価をしているヒカヒナであった…
「お、嬢ちゃんじゃねぇか。」
「紺炉さん…お勤めご苦労様です…」
「ノエルの着物出さねぇとな…」
「それもですが…若…いまさっき、第8の連中から連絡がありやして…例の伝導者絡みで俺達の管轄をガサ入れしたいそうで…」
「めんどくせぇ…無視しとけ」
男ふたりが会話をしている中
ノエルは双子たちに皇国のお菓子をあげていた
「やっぱり…お菓子は沢山ある方がいいよな」
「箱入り娘のお菓子大好き」
「喜んで貰えて嬉しいわ」
「ヒカゲ…ヒナタ…ノエルにどんだけ頼んでるんだ」
「構いませんよ。これくらいしか給料の使い道ないので…」
前も言ってたな…服は基本、父親の給料から出ていると…。いつになったら娘離れするんだ?あの父親は…。
っと思ったが三つ編みの姉ちゃんが
『あ〜ノエルファザコンなんで…え?ファザコンの意味?お父さん大好き♡です』
っと言ってきた時は…バーンズと1戦交えてこようかと考えたくらいだ。
だが、ノエルが悲しむと思って辞めた
バサッとまた布の擦れる音がした
「すみません…もう来ちゃいました」
「あ?」
「ひぇ…」
「「どうした?箱入り娘…」」
「えぇ…ノエルさんなんでこんなところに…」
第1での謹慎処分中後輩、環に驚かれ紺炉の後ろに隠れてしまう
「なっ…!紺炉てめぇ…」
「若…そんなことより…第8の連中…」
自分ではなく自分よりガタイのいい紺炉を盾にしてるのが気に食わないらしく、不貞腐れている
若は素直じゃねぇからなぁ…
「突然押しかけて来るとはどういうつもりだ?」
「新門紅丸大隊長は面倒な手続きが嫌いと聞いて…直接来たのですが…」
「勝手に来ちまったのは…まぁいい…伝導者の調査だかなんだか知らねぇが…俺たちのシマを勝手に荒らされるわけにはいかねぇんだ」
「伝導者は人工的に焔ビトを作り出している…次はここの町民がターゲットにされる可能性がありますよ。」
「それだって皇国の言っていることだろ?実際にその一味が焔ビトにしている所を俺が見たわけじゃねぇ。バカ正直に信じる気はねぇんだよ」
「だからそれを確かめるために私たにはここに来たんです」
桜備が紅丸に言うが彼には響かない
「俺は実際に見ました!伝導者と繋がる男が焔ビトにする所を!」
「私も見ました!」
「皇国の犬が何を見たかなんかこちとら知らねぇんだよ。疑うことを知らねぇ犬っコロの話なんざ聞きたくねぇ」
「そこにいるノエル小隊長の言葉なら聞くんですか!」
何で今ふってくるの…
第7と第8の話に第1を巻き込まないで…
紺炉の後ろから声がする。
「私の元上司…直属の部下だったんですけど…新羅くんが言ってるのが彼です…殉職しましたけど…。他の中隊長達も言っているので…人工的な焔ビトの話は、していましたけど…。」
「ノエル自身が見たわけじゃねぇんだな」
「はい…私は報告書だけで…」
ノエルも見てねぇじゃねぇかという顔を第8に向ける紅丸の表情に頭が来たのか新羅が口を開いた
「疑うだけ疑って何もしねぇやつに言われたくねぇ」
「威勢がいいなクソガキ」
紺炉の作務衣を後ろから掴みながら
「紅丸さん…喧嘩はダメです」
新羅は桜備大隊長に宥められてはいるが喧嘩腰である。
「第7の大隊長!あんた最強の消防官なんだろ?強すぎて仲間にするしかねぇって町の火消しを皇国に認めさせたんだろ?!だったら今度は俺があんたをぶっ飛ばして認めさせる番だ!」
「火事と喧嘩は江戸の華ってか?」
新羅の言葉に落ち着きながらも喧嘩っ早い男
新門紅丸
「紅丸さん…そんなことしても何も解決しませんよ」
「ノエル…止めるんじゃねぇ」
「嬢ちゃん…あれはダメだ…。嬢ちゃんが本気で怒らなきゃ若には響かねぇよ。紅…あんま嬢ちゃん困らせると嫌われるぞ」
「…うるせぇ…。」
カーンカーンカーン
と外から鐘の音がした
「火事だ!」
「火事だ!!!」
「焔ビト?!」
「若が縁起でもねぇこと言うから…」
「俺が戻ってくる間に消え失せろ。ノエルは、終わるまで待ってろ。すぐ片付けてくる」
「はい…。」
紺炉の後ろから顔をのぞかせ紅丸を見送る
紅丸がいなくなると玄関で靴を履き、
新羅と環の前に立つ
「お父様には他言無用で…お願いしますね?」
いつものほわほわした感じとは裏腹にすごい重圧である。
「「は、はい…」」
二人は、返事をするしかなかった。
…
「あれか…」
詰所から少し離れたところに煙が上がっていた
「焔ビトか?」
「派手好きの勘太郎がなっちまった!」
第7の隊員が紅丸に報告をする
「さっき飲みに誘われたばっかなんだけどな」
「とっとと水回せ!」
「避難は済んでるよな?場所は?」
「隊員の連中が目印に纏を立ててます!」
「三丁目の勘太郎が焔ビトになっちまった!始めるぞ!祭りだ!!!」
どこからともなく
セイヤ・ソイヤと声が聞こえてくる
「何をする気だ?」
新羅の考えを超えるかのように民家を纏で破壊する
「民家ー?!!?」
「何棟抜いた?」
「4.5棟っすかね」
「若!!派手にかましてくれ!」
「こいつら何言ってるんだ?」
「こんなの第1でやったら厳罰ものだぞ」
第7のやり方がよく分からない新人隊員の新羅と環は驚きを隠せないでいる
「紅丸さん今日も楽しそうですね」
「第1の消防官なのにそんなこと言ってくれるのは嬢ちゃんくらいだぞ?」
「第1には第1のやり方があります。ですが、浅草には紅丸さんのやり方があります…。」
「そうかい?で、嬢ちゃん。今日は何色がいい?」
「そうですねぇ…先日は江戸紫色でしたね…でも、いつも紅丸さんが選んでくれてるので…」
「まぁ…紅はやけに真剣に買ってくるからなぁ…自分の着物は後回しにして」
「…紅丸さん…本当になんで私にこんなにしてくれるのか本当に謎です。」
「…まぁ……嬢ちゃんならそうなるよな」
あまりの疎さに驚きを隠せないでいる紺炉
「ノエル小隊長はなんでここに?いつも来てるようですけど…」
「3年くらい前からよく来てるの。そこで紅丸さんと出会った…。居心地がいいから来てるだけ…立場上あまり公に出来ないことと、お父様の立場もある。皇国だからとか原国主義者だからとかそんな古い考えはダメなのよ。どっちでもいいの。大災害前はいくつもの文化、宗教…言葉があった。だから、別に浅草には浅草の生き方があってもいいのではなくて?」
その目は確かに真っ直ぐであり
何者にも囚われない目をしていた_
「三丁目の勘太郎さんでしたっけ?よく紅丸さんと飲んでいる」
「あぁ…いつ誰がなってもおかしくはねぇんだ。悪ぃな。休みの日に…」
「いえ…前に…私も飲みに誘われたんですけど残念です…。」
紺炉の隣で目を閉じながら合掌をし
数秒後、目を開ける
「こうやって知り合いがいなくなるのは心が痛みますね。紅丸さんは私なんか以上に心が傷んでるはずです。破壊王と言われてはいますが…ただの破壊王ではあんなにもしたわれることは有りません。」
そんな中…纏を持って飛んでいく紅丸を第8の消防達は口々に口を開く。
「どうなってるんだ?着火させて炎の操作もしているのか?」
「あの纏になにか仕掛けがあるんですか?!」
「別にあの纏はただの纏よ。なんの仕掛けもない」
「若は第3世代の発火能力と第2世代の炎の操作能力の両方が使える…。自由自在に着火して操作することもおちゃのこさいさい。唯一無二の煉合消防官だ」
「焔ビトじゃなくほとんどあの人が壊してるぞ」
「家はいくらでも直せばいい。でも焔ビトになってしまった勘太郎の命はこれで最後なんだ」
後ろから歩いてくる老婆に驚きを隠せないでいる新羅
「見ろよ!カンタロウ!町がめちゃくちゃだ!年甲斐となく暴れやがって!」
「NDEèEëE…‼」
言葉ともならない声をあげ紅丸の方へと歩いていく勘太郎
「全く…派手好きのお前らしいぜ。なぁ…」
ドッと音がしたかと思うと心臓の核を一瞬で破壊した
「よく頑張ったな…」
そう呟いて_
…
「おかえりなさい。紅丸さん」
「あぁ…」
鎮魂の後は少し表情が重い
「ノエル…服だったな」
「私の事より…修繕作業とか…」
「いや、着替えるくらいいいだろ」
「嬢ちゃん付き合ってやってくれ。」
ノエルの後ろから声がする
「紺炉さん…」
「紺炉余計なお世話だ。」
「そうかい?ずっと邪魔され続けて少し不貞腐れてるように思えたからな。」
「…邪魔?」
「嬢ちゃんは気にしなくていいんだ。」
紺炉の言葉に?マークをつけながらとりあえず頷くノエル
「ノエル…藍色でいいか」
「紅丸さんの好きな色でいいですよ」
「それ、こないだ新調してたやつじゃないか」
「そうだ…ノエルが着替えるから入ってくんじゃねぇぞ」
バタンっと襖を閉めて、紺炉は閉め出された
「全く若は素直じゃねぇな。」
「紺さん…若は?」
「第1の嬢ちゃんにようやくかまえて喜んでる頃だろうよ。着替えさせるからって追い出された」
「ほんと若はあのお嬢ちゃんに夢中ですね。」
「本当に…あそこまで無垢だとよく特殊消防隊で戦えていると思う…。あそこまで優しいと…思い詰めることもあるだろうに…」
紅丸を探しに来た第7の消防隊員にそう言った。