「リン、こっち向いてくれないかい？」

「もう…いいです…。私が弱いから…」

「弱くないけど…君を空組にしたのは、彼らを率いて欲しいから、僕と居たら、君の本当の力を引き出せないんだ」

「でも…ハオ様といたかった」

「チーム戦だけ…それ以外は僕と入れるから…ね？」

どっちが大人で子供なのか
そんなことは見てわかる

ずっと巫女と祭り上げられ
あまり人と接することなく
生きてきた
巫女時代も仲間はいた
しかし、彼らは巫女ではなく
神殿内で巫女の言伝を伝える役目
立場はリン…もとい、ノエルの方が上だった
だから、彼女に気安く話しかけてくるものなどいなかった

だから、彼だけが彼女のたった一つの光であった＿。


「ってことでダシャ、モルテいいね？」

「全くもって構わねぇけどよ」

ぶっきらぼうにモルテがいい、

「あぁ…彼女は使い物になるのか？」
ダシャがそれに続く。

「大丈夫…試合までには…何とかするさ。」

ハオ様に愛されてる
それは誰が見てもそう見えていた
だが、彼は愛というものを1000年も昔に忘れた

これが愛なのかも知らない

女の扱い方は1000年前から知ってる
ただ、今までのタイプと全然違い
こうやって構っても
自分の気持ちがわかってないと
癇癪を起こすもの
気づいたら屋敷から消えてるもの
それだけでは飽き足らず
気づいたら他の男と駆け落ちしてるもの

さまざまいた。
まぁ、それでも女からよってきた

だいたいこうなれば
僕を裏切り者と決めつけるやつがほとんど

だけど、彼女はどこか違う

自分には価値がない

何かあればすぐ彼女は落ち込む

「そんなに泣いてたら、顔が腫れちゃうよ。」

「いいんです…私別に可愛くないですから」

「リン…。」

もうどう言葉をかけていいかわからず名前を1度呼び
リンの頭を自分の方に傾けさせた


「え…？」

「もう、これなら落ち着くだろ」

ハオ様が…ハオ様が…こんな優しくしてくれる…

さらに泣き出すリンにびっくりするハオだったが
少し機嫌が良くなったので良しとした

全く手のかかるお姫様だ…。