パーティ 幸村
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それはとある日の出来事。
氷帝の跡部から立海宛に手紙が届いた
【跡部財閥主催パーティへのご招待】というものであった
「また、不思議なものを…」
柳が手紙の内容を読みながら一行もテニスの内容が書かれていないことに驚く
「テニス関係ないじゃないっすか」
それに続くように赤也も手紙にツッコミをいれた
「いやでも…跡部ん家なんだろ?絶対ごちそうじゃん!」
「確かに!」
ブン太の声にテニスのことを考えていた赤也も食べ物の脳にすぐに切り替わる
「お前ら、単純かよ…。そんなことより、服ってどうするんだよ。俺らは、タキシードとかそういうの持ってねぇんだぞ」
「その点は大丈夫そうだぞ。ジャッカル。ほら、後ろにもう一枚紙がある」
【跡部景吾直々にセレクトした物を用意する。メス猫達には好きなものを…俺様からのささやかなプレゼントだ。】
「だそうだ。下に電話番号、店と住所が書かれている。」
「金持ちはやることがちげぇ…ん?そういえば、幸村部長は?」
「精市ならもう行動している…。」
「行動…?」
「精市のパートナーを誘いに行った。」
…
「ここにいたのかい?」
屋上で花壇に水やりをしていたテニス部マネージャーの凛が振り返る
「ん?」
「跡部からさっき手紙が届いてね。」
「ん?うん。」
「ダンスパーティやるんだって。だから、俺にエスコートさせてくれないかな?」
「え…私?」
「そうだけど…?俺は君以外誘う気ないよ?」
告白に取れるような台詞を吐き、涼し気な笑顔を凛に向けた。
…
数日後
「ひぇ…怖っ何?」
跡部から送られてきたドレスの店にやってきた。
もちろん、彼、幸村精市も一緒である
行く前に「精市に選んでもらえ」と言われ、誘うなんて無理と言えば、蓮二から言ってくれたみたいで、彼の方から誘ってきた。ついでに自分の服も選ぶらしい…。
「よう…幸村…と立海のマネージャーもよく来たな。」
「あぁ跡部。今日はありがとう…。ちょっとこの子は人見知りだから気にしないで」
幸村の後ろに隠れながら跡部の様子を伺う凛
「あーん?こないだも練習試合であっただろ?」
「んー…練習試合の時は俺らしか見てないからね」
「この俺様の美技を見てないとはとんだやつだな。」
「そう?」
幸村の後ろに隠れながら二人の会話が終わるのを待つ凛。
「まぁいい。で、お前がエスコートするのか?幸村」
「そのつもりだよ。」
「女を輝かせるのが俺らの仕事だぜ?」
「あぁ、分かっている」
…
店の奥に行くとたくさんのドレスが飾られていた
「好きなのを選びな。」
「ひぇ…何をどう選べと…」
この種類の中から1着を選ぶのは至難の業
お腹痛くなる帰りたい
ゲームしてたい…
「じゃぁ俺が選んでいい?」
「え?」
「似合いそうなの適当に選んでくるから…気に入らなきゃ他のをまた選ぼ?」
そういうと、ドレスを選びに行く幸村
最初は腕を組み眺めていた跡部も何か思い立ったように幸村の後をおった
「どうしたんだい?跡部」
「あれがお前の好きな女か?」
「だったらどうするの?奪うのかい?」
「まさか…俺様の好みには合わねぇな。」
「へぇ…君にも好みがあるなんて初めて知ったよ。で、好みは?」
「唐突だな…ま、いいぜ?勝気な女だよ。俺様にモノを言ってこれる女じゃねぇと楽しくねぇ」
「ふーん。じゃぁ跡部はあの子のことまだよくわかってないね。」
「あーん?どういうことだよ」
「あの子、しればしるほどよく喋るよ。とてもキラキラした目で…楽しそうに話すんだよ。俺が入院していた時も…」
「お前…入院していた時に恋したのかよ。」
「悪い?」
「いや…ん?お前がさっきから選んでいるドレスだいたい似たような色だな…それも青系統。」
数着幸村の手の中にあるドレスは皆、青や、水色といった決まった色
「うん、俺も好きな色だけど、彼女も好きな色だから。ねぇ、跡部、星空みたいなドレスってないの?」
「探せばあると思うが…お前が自分で選ぶなら花や女っぽいピンクを選ぶかと思ったんだかな」
「まぁそれもありだけど…彼女は、ピンクより青の方が輝くんだよ。それに青って女性を綺麗に見せてくれるでしょ?」
「そういうことだけは詳しいな」
「まぁね…よく絵を描くから…色の組み合わせとかは考えるんだ。」
「ふっ…そういうことにしておいてやるよ。」
「あ…これよさそうだな。」
おいおい…話を聞いているのかよ…
「決まったのか?」
「あぁ…気に入っていれるさ。」
「すごい自信だな。」
「まぁ…ずっと一緒にいるからね」
「お前のはどうするんだ?」
「あぁそれなら、さっき凛に俺のを選んでって送っておいた。」
先ほど選んだ最後の1着以外すべて元の場所に戻しながら跡部と会話する
「どういうことだ?」
そういえばさっきやけに携帯をいじってるなと思ったらそういうことか…
「お互い見せ合いっこしよって」
「おう…?一つ聞いていいか?」
「なんだい?」
「付き合ってないんだよな?」
「そう…だけど…?」
そう…
これが彼らの普通であって他人から見たら異様な光景なことは彼らにとってはよくわからないのである。
「これ…」
真っ白な白のフォーマルなタキシード
「白が似合うかなって…」
「ありがとう…。おれも選んできたから着て見てよ。」
青く、星空のように輝くドレス、それを、爽やかな笑顔で渡してきた。
美人…っと脳裏に言葉がよぎったが、はっと商機を取り戻す
いけない…この魔性の笑みで落とされるところだった…好きって言いそうだった
言ったら死ぬ
この関係も終わる。
いつもネガティブにしかものを考えられない。凛であった。
「とりあえず着てみて?」
「幸村、お前も着てきたらどうだ?」
「ん~そうするよ。」
跡部はやれやれっと思いながら二人を見送る
あの様子じゃ、嫉妬なんて言葉はなさそうだな。
立海のメンツの苦労が知れる…なぜ、今日ほかの立海の奴らが来ないで、別の店に行ったのかも何となくわかった。
あっちは、忍足たちが何とかしているとはいえ…っと考えながら
二人が出てくる方向を眺めながら壁によりかかる
俺様なら、さっさと自分のものにするんだがな…
「跡部、着て見たよ」
「あぁ…いいんじゃねぇの?」
「ありがと。あの子は、どうかな。似合いそうだから心配はしてないけど。ドキドキするな」
「お前でも緊張なんてするんだな」
「失礼だな。俺だってするさ」
「どうだかな…」
…
「どうかな…?」
きれいに着飾り、いつもより大人びた姿がそこにはあった。
「うん。とってもきれいだよ。」
「よかった…。」
横の髪をねじるように目線を合わせない○○
照れてるなっというのはわかるが…この甘い雰囲気を
立海のあいつらはいつも耐えているのか?
それなのにこの2人は特にアクションも起こさないのか
あまりこういうことに遭遇することのない跡部はだんまりしてしまう。
「どう?それにする?」
「うん…。」
「じゃぁ俺もこれにするね。」
「え?」
「青を引き立てられるのは白のようななにも染まってない色だけだよ。」
本当に…後ろの花がみえるほど、甘いのに発展がないことにため息が出そうになったがそれを飲み込み、二人から、衣装を受け取る
「凛。」
「なに?」
「靴は、俺に任せてくれない?」
「いいけど…。」
「合いそうな靴をさっき見つけたんだ。」
「あぁさっき、近くに合った靴か?」
「そうだよ。そうだ、跡部、耳、貸して。」
「もう一足これある?」
「あると思うが…、ダンスするんでしょ?もう少し低めか、
厚底にしてほしい。」
「ほんと容赦ねぇな、お前は…。」
「できないの?」
「野郎はともかく、雌猫たちのモノは完璧にするのが俺様、跡部景吾だぜ?」
「そう?ありがと。じゃ、帰ろうか凛。じゃぁね跡部。パーティ楽しみにしてるよ」
「おう…。」
嵐のような一日が過ぎていった。
そして2週間後…
ダンスパーティの日になった
もう誰もテニスへの関係性などといった話をしなくなった
そんなことなどどうでもよくなったようだ。
「お手を…」
「緊張する…。めちゃくちゃ場違い感があるから…。」
「そんなことはないよ?」
「幸村部長~!早く行きましょ~!」
「まったく困ったやつだな、赤也はマナーを柳生にみっちり教え込まれたはずなのに…」
普通なら怖い笑みっとなりそうなところだが、緊張と幸村の手元以外見えていない○○にとっては、赤也の事を考える余裕などなかった。
パチンっと指の鳴る音がした…
跡部だ
「今日は俺様主催のパーティによく来たな。ゆっくりと楽しんでいきな!乾杯!」
「「乾杯!!」」
跡部子乾杯の音頭ともにパーティがスタートした
「どうしたい?」
上段にいる跡部を見ながら凛の方へと振り向く。
「食べたい…」
「そうしよっか。」
少しヒールが低くなりさらに少し厚底になったヒールの事など知らない凛は
綺麗な靴だな、としか思わないのである
…
やはり、跡部財閥のシェフが作ったものは美味しい…
彼は毎日こんなものを食べられるのか
羨ましい限りだ
彼、跡部景吾は、話をしていると思いきや、曲がかかると誰かしらと踊っている。
器用な人…
まぁ、私とは合わない…
あそこまで輝いてる人は私には眩しすぎる。
「気になるの?」
「ううん…。全く…ただ…次元の違う人間だなって。」
「まぁ…そうだよね。」
そんな話をしていたら、騒がしい声が近づいてきた
「ゆうや!」
「あ、金ちゃん、待ってや!」
「…いい加減、名前をしっかり覚えようか。」
そう、静かに遠山金太郎を見つめる凛。彼は一度名前を間違えればずっと間違い続ける。
越前リョーマの情報もめちゃくちゃだったようで、
【めっちゃ図太い体で 指から毒素を出し 3つの目でごっつう睨んでくる アメリカ帰りの大男のコシマエ】といったくらいらしい。正確には、【めっちゃ図太い神経で唯我独尊 三白眼でごっつう睨んでくる アメリカ帰りの越前】彼に何を言っても無駄。信じ込んだら、
それを維持でも通すようで、めんどくさじゃなかった。馬鹿…じゃなかった、素直なんだか、よくわからないが、そんな彼になぜか気に入られている。根はいいし、人となりは悪くないが、問題は、しつこいこと。私がテニスできる。それも、彼、幸村精市から、五感を奪われないなんて情報を聞けば、引っかからないわけがなかった。
私は、彼のテニスが怖いと思ったことがない。だから、イップスにはならない。ただそれだけ。長時間、ラリーを続けるほどの体力もない。炎天下の中、走りたくもない。だから、マネージャーになった。だけど、彼とは休みの日に打ち合うし、ずっとやってきたから、癖もなんとなくわかる。ただ、打ちやすいところに打ってくれてるだけかもしれないけど…
「遠山くん。どうしたんだい?」
「ゆうとテニスがしたいんや!」
「今日は、パーティだからその話はまた今度ね、ほら、後ろのほうに料理があるから食べてきたら?」
「そやった!ご馳走がわいを待ってる‼」
待ってねぇし、逃げねぇなんて思ったが、当の本人はもう料理の前で皿を持っていたのでもうどうでもいいとなってしまった。
「あ~久しぶり。っていっても、今日もlineしてたから、久々感ないな。」
「そうね、金ちゃん、ほんと今日もやかましくて、大変でしょ?光。」
「あのゴンタクレひとりでも大変やけど、うちの先輩らもアホやから、まぁいつもの事や。」
財前光…彼は、ヲタクの同志。よくゲームを一緒にする中だし、つい最近は、ライブのチケット入手のために手助けをした。彼も、大阪限定のグッズを送ってくれるし、私も、東京限定のモノを送る。WIN WINの関係である。
「…ふ~ん。」
「何…。」
「付き合ってへんの?」
「声がでかい!付き合えるわけないでしょ。」
「女々しいな…女みたいな反応して。」
「女だよ…。」
財前に対してツッコミをいれる凛であった。
「なんか、堪忍な。幸村君。お宅のマネをうちの後輩たちがとって。」
白石が、遠山金太郎をほかの部員に任せ、ここにまた合流したようだ。
「構わないよ。楽しそうなら俺はそれでうれしいから。」
「せやな…。なぁ幸村君知っとるか?」
「なに?」
「跡部君から聞いたんやけど…ここ、薔薇の庭園があるんやて。跡部君が自由に見てええって言ってたから、あとで2人でいってきたらいいんちゃう?」
「ありがとう…。そうしてみるよ」
…
「そろそろ、ダンスを踊らないか?」
食事を終え、壁際でダンスをする人たちを見つめていたら、精市に話しかけられた。
「そうだね…。」
彼の手を取る…ホールに流れる優雅なワルツ
私、そんなに踊ったことないんだよな…なんて思うが、彼も同じくらい踊ったことなどないはずなんだけど…器用だからか、曲に合わせてリードしてくれる
王子のようだなんて思いながら、顔が美人っと眺めてしまう。
神は二物はあたえないとはいうが、彼は、いくつも才能がある
神の子だからなのかもしれない。
1曲踊り終えた。さすがになれないことは疲れたし、足を踏まないかっと思ってしまって、曲なんか聞いてる暇がなかった。
「どやった?」
「光…。どうもなにも、なんもないよ。」
「そうか?俺には…睨むなって…おっかないやっちゃな。」
「凛。」
「?」
「財前君と踊ってきたらどうだい?」
「へ?」
「楽しいと思うよ。」
そうだった…。彼はこういう人であった。仲が良ければ、もっと話してきなよみたいな人だった。付き合ってないから、引き留めてほしいなどおこがましいことだけど…
曲が流れ、またダンスを踊る
「あんたの所の部長さん…あれが普通なんか?」
「うん…」
「嫉妬とかなさそうやなぁ…」
「それはわかる…想像できない。」
「お前も大変やな…。」
「大変なのかな…。」
一方そのころ幸村は…
「幸村…あれはいいのか?」
「なんだい?柳。」
「あれ…は、好きな女が異性とそれも他校と踊ってもいいのかと…。」
「何か問題があるのかい?」
そうだった・・・精市はこういう男だった。執着しているようで執着してない。好きだから独占したいっとならず、自由にしてあげたい精神の人間だった。
「でもさ、いつも見られない姿を見るってのはドキドキしちゃうな。」
「…あぁ…そうだな…。」
もう、肯定することしかできなかった柳であった。
「どうだった?」
彼は楽しそうに聞く。
「うん、楽しかったよ。」
少し自分に嘘をつく。私の片思いなのだから…
「ねぇ…凛。抜け出さないか?」
「抜け出す?」
「そう、パーティは楽しいけど、さすがに静かなところに行きたいなって」
どうかな?と聞かれ、断る理由もない。2つ返事でOKした。
2人で抜け出し、パーティ会場の外、薔薇の庭園に手を引かれるままやってきた。
赤・白・黄色・オレンジ…様々な色が多く並んでいた。
「きれいだね…。」
「そうだね。さすが跡部の薔薇だよ。」
庭園の中にあったベンチに座り、しばらく薔薇を眺めていた。
空を見上げると満開の星空が広がり、空いっぱいにたくさんの星が輝いていた。
「あ…。」
そういうと、彼、精市は、立ち上がり、薔薇のところに歩いて行った。
「折れてる…。昨日そういえば、風が強かったからな…それで折れちゃったんだろうな。」
このままじゃ、どちらにしろ枯れるだけ…。後で跡部に言えば許してくれるだろ
プルルル…。噂をすればなんとやらだな。跡部からだ。
「お前ら、姿見えねぇから、立海の奴ら心配してるぞ。」
「あぁ…ごめんごめん。薔薇庭園にいるんだ。」
「わかった。あまり部員を心配させるなよ。」
「わかってるよ。ねぇ跡部、薔薇が1輪が折れてるんだ。」
「それか…、今朝、積みあげたと思たんだがな。もらっていってもいいぜ。」
「そう?ありがとう。もう少ししたら戻るよ。」
ツーツー…電話を切り、ベンチで待つ彼女のもとへ…
「薔薇が折れていたんだ。跡部がもらってもいいって言ったからさ、ほら。」
棘を取り、白い薔薇を凛の耳元に添えてあげる。
「うん…似合ってる。」
リアル王子がいる…っと思考が停止しそうになる
顔がいいと言ってしまいそうになるのを噛みしめ、見つめ返す。
「…ありがと…。」
今言えるせい一杯の言葉を…あなたへ
「ねぇ。また、誘ってもいい?」
彼の手を取り、会場へと戻る
片思いのままでも今は、今だけはこの時間が楽しい。
きっと彼は知っていそうだけどな
1輪の薔薇の花言葉【一目ぼれ・あなたしかいない】そして白の薔薇の意味、
【純潔・私はあなたにふさわしい・深い尊敬・純潔・清純】だけど、あまり深くは考えていないだろうな。
これは、私が勝手に思う自惚れ。
彼女はわかっているのかな
薔薇の意味を。1輪の薔薇の花言葉【一目ぼれ・あなたしかいない】そして白の薔薇の意味、
【純潔・私はあなたにふさわしい・深い尊敬・純潔・清純】だけど、赤薔薇は有名だけど、白薔薇だと、少し、マイナーかな。俺の思いを薔薇に込めて。まだ、少し俺には勇気が足りないようだ。
ずっと一緒にいたからか、変に関係を崩したくないから
ずっと拗らせて…
勇気を出して。
いうから
もう少し待ってて
END
氷帝の跡部から立海宛に手紙が届いた
【跡部財閥主催パーティへのご招待】というものであった
「また、不思議なものを…」
柳が手紙の内容を読みながら一行もテニスの内容が書かれていないことに驚く
「テニス関係ないじゃないっすか」
それに続くように赤也も手紙にツッコミをいれた
「いやでも…跡部ん家なんだろ?絶対ごちそうじゃん!」
「確かに!」
ブン太の声にテニスのことを考えていた赤也も食べ物の脳にすぐに切り替わる
「お前ら、単純かよ…。そんなことより、服ってどうするんだよ。俺らは、タキシードとかそういうの持ってねぇんだぞ」
「その点は大丈夫そうだぞ。ジャッカル。ほら、後ろにもう一枚紙がある」
【跡部景吾直々にセレクトした物を用意する。メス猫達には好きなものを…俺様からのささやかなプレゼントだ。】
「だそうだ。下に電話番号、店と住所が書かれている。」
「金持ちはやることがちげぇ…ん?そういえば、幸村部長は?」
「精市ならもう行動している…。」
「行動…?」
「精市のパートナーを誘いに行った。」
…
「ここにいたのかい?」
屋上で花壇に水やりをしていたテニス部マネージャーの凛が振り返る
「ん?」
「跡部からさっき手紙が届いてね。」
「ん?うん。」
「ダンスパーティやるんだって。だから、俺にエスコートさせてくれないかな?」
「え…私?」
「そうだけど…?俺は君以外誘う気ないよ?」
告白に取れるような台詞を吐き、涼し気な笑顔を凛に向けた。
…
数日後
「ひぇ…怖っ何?」
跡部から送られてきたドレスの店にやってきた。
もちろん、彼、幸村精市も一緒である
行く前に「精市に選んでもらえ」と言われ、誘うなんて無理と言えば、蓮二から言ってくれたみたいで、彼の方から誘ってきた。ついでに自分の服も選ぶらしい…。
「よう…幸村…と立海のマネージャーもよく来たな。」
「あぁ跡部。今日はありがとう…。ちょっとこの子は人見知りだから気にしないで」
幸村の後ろに隠れながら跡部の様子を伺う凛
「あーん?こないだも練習試合であっただろ?」
「んー…練習試合の時は俺らしか見てないからね」
「この俺様の美技を見てないとはとんだやつだな。」
「そう?」
幸村の後ろに隠れながら二人の会話が終わるのを待つ凛。
「まぁいい。で、お前がエスコートするのか?幸村」
「そのつもりだよ。」
「女を輝かせるのが俺らの仕事だぜ?」
「あぁ、分かっている」
…
店の奥に行くとたくさんのドレスが飾られていた
「好きなのを選びな。」
「ひぇ…何をどう選べと…」
この種類の中から1着を選ぶのは至難の業
お腹痛くなる帰りたい
ゲームしてたい…
「じゃぁ俺が選んでいい?」
「え?」
「似合いそうなの適当に選んでくるから…気に入らなきゃ他のをまた選ぼ?」
そういうと、ドレスを選びに行く幸村
最初は腕を組み眺めていた跡部も何か思い立ったように幸村の後をおった
「どうしたんだい?跡部」
「あれがお前の好きな女か?」
「だったらどうするの?奪うのかい?」
「まさか…俺様の好みには合わねぇな。」
「へぇ…君にも好みがあるなんて初めて知ったよ。で、好みは?」
「唐突だな…ま、いいぜ?勝気な女だよ。俺様にモノを言ってこれる女じゃねぇと楽しくねぇ」
「ふーん。じゃぁ跡部はあの子のことまだよくわかってないね。」
「あーん?どういうことだよ」
「あの子、しればしるほどよく喋るよ。とてもキラキラした目で…楽しそうに話すんだよ。俺が入院していた時も…」
「お前…入院していた時に恋したのかよ。」
「悪い?」
「いや…ん?お前がさっきから選んでいるドレスだいたい似たような色だな…それも青系統。」
数着幸村の手の中にあるドレスは皆、青や、水色といった決まった色
「うん、俺も好きな色だけど、彼女も好きな色だから。ねぇ、跡部、星空みたいなドレスってないの?」
「探せばあると思うが…お前が自分で選ぶなら花や女っぽいピンクを選ぶかと思ったんだかな」
「まぁそれもありだけど…彼女は、ピンクより青の方が輝くんだよ。それに青って女性を綺麗に見せてくれるでしょ?」
「そういうことだけは詳しいな」
「まぁね…よく絵を描くから…色の組み合わせとかは考えるんだ。」
「ふっ…そういうことにしておいてやるよ。」
「あ…これよさそうだな。」
おいおい…話を聞いているのかよ…
「決まったのか?」
「あぁ…気に入っていれるさ。」
「すごい自信だな。」
「まぁ…ずっと一緒にいるからね」
「お前のはどうするんだ?」
「あぁそれなら、さっき凛に俺のを選んでって送っておいた。」
先ほど選んだ最後の1着以外すべて元の場所に戻しながら跡部と会話する
「どういうことだ?」
そういえばさっきやけに携帯をいじってるなと思ったらそういうことか…
「お互い見せ合いっこしよって」
「おう…?一つ聞いていいか?」
「なんだい?」
「付き合ってないんだよな?」
「そう…だけど…?」
そう…
これが彼らの普通であって他人から見たら異様な光景なことは彼らにとってはよくわからないのである。
「これ…」
真っ白な白のフォーマルなタキシード
「白が似合うかなって…」
「ありがとう…。おれも選んできたから着て見てよ。」
青く、星空のように輝くドレス、それを、爽やかな笑顔で渡してきた。
美人…っと脳裏に言葉がよぎったが、はっと商機を取り戻す
いけない…この魔性の笑みで落とされるところだった…好きって言いそうだった
言ったら死ぬ
この関係も終わる。
いつもネガティブにしかものを考えられない。凛であった。
「とりあえず着てみて?」
「幸村、お前も着てきたらどうだ?」
「ん~そうするよ。」
跡部はやれやれっと思いながら二人を見送る
あの様子じゃ、嫉妬なんて言葉はなさそうだな。
立海のメンツの苦労が知れる…なぜ、今日ほかの立海の奴らが来ないで、別の店に行ったのかも何となくわかった。
あっちは、忍足たちが何とかしているとはいえ…っと考えながら
二人が出てくる方向を眺めながら壁によりかかる
俺様なら、さっさと自分のものにするんだがな…
「跡部、着て見たよ」
「あぁ…いいんじゃねぇの?」
「ありがと。あの子は、どうかな。似合いそうだから心配はしてないけど。ドキドキするな」
「お前でも緊張なんてするんだな」
「失礼だな。俺だってするさ」
「どうだかな…」
…
「どうかな…?」
きれいに着飾り、いつもより大人びた姿がそこにはあった。
「うん。とってもきれいだよ。」
「よかった…。」
横の髪をねじるように目線を合わせない○○
照れてるなっというのはわかるが…この甘い雰囲気を
立海のあいつらはいつも耐えているのか?
それなのにこの2人は特にアクションも起こさないのか
あまりこういうことに遭遇することのない跡部はだんまりしてしまう。
「どう?それにする?」
「うん…。」
「じゃぁ俺もこれにするね。」
「え?」
「青を引き立てられるのは白のようななにも染まってない色だけだよ。」
本当に…後ろの花がみえるほど、甘いのに発展がないことにため息が出そうになったがそれを飲み込み、二人から、衣装を受け取る
「凛。」
「なに?」
「靴は、俺に任せてくれない?」
「いいけど…。」
「合いそうな靴をさっき見つけたんだ。」
「あぁさっき、近くに合った靴か?」
「そうだよ。そうだ、跡部、耳、貸して。」
「もう一足これある?」
「あると思うが…、ダンスするんでしょ?もう少し低めか、
厚底にしてほしい。」
「ほんと容赦ねぇな、お前は…。」
「できないの?」
「野郎はともかく、雌猫たちのモノは完璧にするのが俺様、跡部景吾だぜ?」
「そう?ありがと。じゃ、帰ろうか凛。じゃぁね跡部。パーティ楽しみにしてるよ」
「おう…。」
嵐のような一日が過ぎていった。
そして2週間後…
ダンスパーティの日になった
もう誰もテニスへの関係性などといった話をしなくなった
そんなことなどどうでもよくなったようだ。
「お手を…」
「緊張する…。めちゃくちゃ場違い感があるから…。」
「そんなことはないよ?」
「幸村部長~!早く行きましょ~!」
「まったく困ったやつだな、赤也はマナーを柳生にみっちり教え込まれたはずなのに…」
普通なら怖い笑みっとなりそうなところだが、緊張と幸村の手元以外見えていない○○にとっては、赤也の事を考える余裕などなかった。
パチンっと指の鳴る音がした…
跡部だ
「今日は俺様主催のパーティによく来たな。ゆっくりと楽しんでいきな!乾杯!」
「「乾杯!!」」
跡部子乾杯の音頭ともにパーティがスタートした
「どうしたい?」
上段にいる跡部を見ながら凛の方へと振り向く。
「食べたい…」
「そうしよっか。」
少しヒールが低くなりさらに少し厚底になったヒールの事など知らない凛は
綺麗な靴だな、としか思わないのである
…
やはり、跡部財閥のシェフが作ったものは美味しい…
彼は毎日こんなものを食べられるのか
羨ましい限りだ
彼、跡部景吾は、話をしていると思いきや、曲がかかると誰かしらと踊っている。
器用な人…
まぁ、私とは合わない…
あそこまで輝いてる人は私には眩しすぎる。
「気になるの?」
「ううん…。全く…ただ…次元の違う人間だなって。」
「まぁ…そうだよね。」
そんな話をしていたら、騒がしい声が近づいてきた
「ゆうや!」
「あ、金ちゃん、待ってや!」
「…いい加減、名前をしっかり覚えようか。」
そう、静かに遠山金太郎を見つめる凛。彼は一度名前を間違えればずっと間違い続ける。
越前リョーマの情報もめちゃくちゃだったようで、
【めっちゃ図太い体で 指から毒素を出し 3つの目でごっつう睨んでくる アメリカ帰りの大男のコシマエ】といったくらいらしい。正確には、【めっちゃ図太い神経で唯我独尊 三白眼でごっつう睨んでくる アメリカ帰りの越前】彼に何を言っても無駄。信じ込んだら、
それを維持でも通すようで、めんどくさじゃなかった。馬鹿…じゃなかった、素直なんだか、よくわからないが、そんな彼になぜか気に入られている。根はいいし、人となりは悪くないが、問題は、しつこいこと。私がテニスできる。それも、彼、幸村精市から、五感を奪われないなんて情報を聞けば、引っかからないわけがなかった。
私は、彼のテニスが怖いと思ったことがない。だから、イップスにはならない。ただそれだけ。長時間、ラリーを続けるほどの体力もない。炎天下の中、走りたくもない。だから、マネージャーになった。だけど、彼とは休みの日に打ち合うし、ずっとやってきたから、癖もなんとなくわかる。ただ、打ちやすいところに打ってくれてるだけかもしれないけど…
「遠山くん。どうしたんだい?」
「ゆうとテニスがしたいんや!」
「今日は、パーティだからその話はまた今度ね、ほら、後ろのほうに料理があるから食べてきたら?」
「そやった!ご馳走がわいを待ってる‼」
待ってねぇし、逃げねぇなんて思ったが、当の本人はもう料理の前で皿を持っていたのでもうどうでもいいとなってしまった。
「あ~久しぶり。っていっても、今日もlineしてたから、久々感ないな。」
「そうね、金ちゃん、ほんと今日もやかましくて、大変でしょ?光。」
「あのゴンタクレひとりでも大変やけど、うちの先輩らもアホやから、まぁいつもの事や。」
財前光…彼は、ヲタクの同志。よくゲームを一緒にする中だし、つい最近は、ライブのチケット入手のために手助けをした。彼も、大阪限定のグッズを送ってくれるし、私も、東京限定のモノを送る。WIN WINの関係である。
「…ふ~ん。」
「何…。」
「付き合ってへんの?」
「声がでかい!付き合えるわけないでしょ。」
「女々しいな…女みたいな反応して。」
「女だよ…。」
財前に対してツッコミをいれる凛であった。
「なんか、堪忍な。幸村君。お宅のマネをうちの後輩たちがとって。」
白石が、遠山金太郎をほかの部員に任せ、ここにまた合流したようだ。
「構わないよ。楽しそうなら俺はそれでうれしいから。」
「せやな…。なぁ幸村君知っとるか?」
「なに?」
「跡部君から聞いたんやけど…ここ、薔薇の庭園があるんやて。跡部君が自由に見てええって言ってたから、あとで2人でいってきたらいいんちゃう?」
「ありがとう…。そうしてみるよ」
…
「そろそろ、ダンスを踊らないか?」
食事を終え、壁際でダンスをする人たちを見つめていたら、精市に話しかけられた。
「そうだね…。」
彼の手を取る…ホールに流れる優雅なワルツ
私、そんなに踊ったことないんだよな…なんて思うが、彼も同じくらい踊ったことなどないはずなんだけど…器用だからか、曲に合わせてリードしてくれる
王子のようだなんて思いながら、顔が美人っと眺めてしまう。
神は二物はあたえないとはいうが、彼は、いくつも才能がある
神の子だからなのかもしれない。
1曲踊り終えた。さすがになれないことは疲れたし、足を踏まないかっと思ってしまって、曲なんか聞いてる暇がなかった。
「どやった?」
「光…。どうもなにも、なんもないよ。」
「そうか?俺には…睨むなって…おっかないやっちゃな。」
「凛。」
「?」
「財前君と踊ってきたらどうだい?」
「へ?」
「楽しいと思うよ。」
そうだった…。彼はこういう人であった。仲が良ければ、もっと話してきなよみたいな人だった。付き合ってないから、引き留めてほしいなどおこがましいことだけど…
曲が流れ、またダンスを踊る
「あんたの所の部長さん…あれが普通なんか?」
「うん…」
「嫉妬とかなさそうやなぁ…」
「それはわかる…想像できない。」
「お前も大変やな…。」
「大変なのかな…。」
一方そのころ幸村は…
「幸村…あれはいいのか?」
「なんだい?柳。」
「あれ…は、好きな女が異性とそれも他校と踊ってもいいのかと…。」
「何か問題があるのかい?」
そうだった・・・精市はこういう男だった。執着しているようで執着してない。好きだから独占したいっとならず、自由にしてあげたい精神の人間だった。
「でもさ、いつも見られない姿を見るってのはドキドキしちゃうな。」
「…あぁ…そうだな…。」
もう、肯定することしかできなかった柳であった。
「どうだった?」
彼は楽しそうに聞く。
「うん、楽しかったよ。」
少し自分に嘘をつく。私の片思いなのだから…
「ねぇ…凛。抜け出さないか?」
「抜け出す?」
「そう、パーティは楽しいけど、さすがに静かなところに行きたいなって」
どうかな?と聞かれ、断る理由もない。2つ返事でOKした。
2人で抜け出し、パーティ会場の外、薔薇の庭園に手を引かれるままやってきた。
赤・白・黄色・オレンジ…様々な色が多く並んでいた。
「きれいだね…。」
「そうだね。さすが跡部の薔薇だよ。」
庭園の中にあったベンチに座り、しばらく薔薇を眺めていた。
空を見上げると満開の星空が広がり、空いっぱいにたくさんの星が輝いていた。
「あ…。」
そういうと、彼、精市は、立ち上がり、薔薇のところに歩いて行った。
「折れてる…。昨日そういえば、風が強かったからな…それで折れちゃったんだろうな。」
このままじゃ、どちらにしろ枯れるだけ…。後で跡部に言えば許してくれるだろ
プルルル…。噂をすればなんとやらだな。跡部からだ。
「お前ら、姿見えねぇから、立海の奴ら心配してるぞ。」
「あぁ…ごめんごめん。薔薇庭園にいるんだ。」
「わかった。あまり部員を心配させるなよ。」
「わかってるよ。ねぇ跡部、薔薇が1輪が折れてるんだ。」
「それか…、今朝、積みあげたと思たんだがな。もらっていってもいいぜ。」
「そう?ありがとう。もう少ししたら戻るよ。」
ツーツー…電話を切り、ベンチで待つ彼女のもとへ…
「薔薇が折れていたんだ。跡部がもらってもいいって言ったからさ、ほら。」
棘を取り、白い薔薇を凛の耳元に添えてあげる。
「うん…似合ってる。」
リアル王子がいる…っと思考が停止しそうになる
顔がいいと言ってしまいそうになるのを噛みしめ、見つめ返す。
「…ありがと…。」
今言えるせい一杯の言葉を…あなたへ
「ねぇ。また、誘ってもいい?」
彼の手を取り、会場へと戻る
片思いのままでも今は、今だけはこの時間が楽しい。
きっと彼は知っていそうだけどな
1輪の薔薇の花言葉【一目ぼれ・あなたしかいない】そして白の薔薇の意味、
【純潔・私はあなたにふさわしい・深い尊敬・純潔・清純】だけど、あまり深くは考えていないだろうな。
これは、私が勝手に思う自惚れ。
彼女はわかっているのかな
薔薇の意味を。1輪の薔薇の花言葉【一目ぼれ・あなたしかいない】そして白の薔薇の意味、
【純潔・私はあなたにふさわしい・深い尊敬・純潔・清純】だけど、赤薔薇は有名だけど、白薔薇だと、少し、マイナーかな。俺の思いを薔薇に込めて。まだ、少し俺には勇気が足りないようだ。
ずっと一緒にいたからか、変に関係を崩したくないから
ずっと拗らせて…
勇気を出して。
いうから
もう少し待ってて
END
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