プルルっと電話の音が鳴る
画面の表示を見ると左馬刻くんと表示されている

「どうしたんだい？左馬刻くん」
「あ、先生…この間の件のことなんだけどよ」
「この間？あぁ…あの件だね。入間くんには後でお礼をしなくては…彼がどうなったのかはこちらに必要最低限しか降りてこないし…詳しく聞きたくても調査中だからの一点張りで」
「先生の役に立てたなら俺はそれで…」
「でもこんなことのためだけに電話してきたのかい？」
「先生の彼女を殴った男…銃兎の話によるとうちの傘下の下っ端だったらしくて…別の組とのいざこざで病院送りになったって話らしくて」
「なるほどね…そこまではカルテには書かれないし、本人もヤクザの傘下なんて口にしたら追い出されるとでも思ったんじゃないかな…」
病院なのだからよっぽどの事がない限り追い出すなんてことはしないんだけど。
「だから、俺の組の傘下が先生の彼女に手をあげたことを」
「左馬刻くん…もう終わったことです。彼女のことを心配してくれてありがとう」
「でも、それじゃぁ…」
「では、こうしませんか？左馬刻くんと私たちで後日、ヨコハマに食事でも」
「先生がそれでいいなら…」
「そうしましょう…それでは」

プツッと電話を切り踵をかえす

本当に律儀な子ですね左馬刻くんは…。
左馬刻くんのところの傘下…
確かに普通の人間とは少々違いましたが、
左馬刻くんのような感じは見受けられませんでたね。
これはよりいっそう気をつけなくては。


後日

左馬刻の奢りでディナーに招待される2人であった。