貴方を絶対に守るよ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
玄武が感じる小宇宙は,明らかに剣から発せられている。
勝ち誇ったように紹介するエーギル
「この、偉大なる小宇宙を放つ剣の名は、天地崩滅斬!!」
神話の時代より伝わる神々の聖剣の一振り。その一振りが天と地を崩壊させ、全てを滅するという破壊の剣。一級パラサイト、四天王、ハイペリオン様の剣よ!!」
「ハイペリオンだと……?」
「ハイペリオン様……このエーギル、天地崩滅斬、ありがたく使わせて頂きます!!」
「フッ、剣でも矢でも鉄砲でも持ってくるがいい。均衡と調和を司る黄金聖闘士、この天秤座の玄武は倒せん!!」
「フッ、それはどうかな。貴様も気づいていよう。この圧倒的で攻撃的な小宇宙を!」
ついに剣を手にするエーギル
「おお……なんという、禍々しく強大な小宇宙……!」
エーギルが床石から抜いただけでパライストラ全土が揺れる。
間近にいる玄武や神威の子はおろか
遠距離にいる檄先生までも怯むその威力。
「なんて小宇宙なの……!」
と叫ぶ横にシュタッと出現する栄斗。
「このままだと、パライストラが崩壊してしまうぞ……!」
「栄斗……?」
「剣から放たれる、アプス、いや、それ以上に強大な小宇宙を前に……!」
「天地崩滅斬!パラス様に仇為す聖闘士どもを滅ぼそうぞ!!」
剣に振り回されている感じのエーギル。
右腕のガントレットが無ければ多分振り回せそうにないくらいの
圧倒的な剣の存在感。
宇宙空間を周囲に出現させる天地崩滅斬を前に
「ここまでの小宇宙とは……!」
さすがの玄武も顔色が変わる。
「見るか?天地を滅ぼす力……!!」
横薙ぎの一閃が炸裂した
玄武はかわせなかったのか、かわさなかったのか、
その玄武を門に叩きつけるのみならず、門までも崩壊させる一撃。
『玄武!!!』
怒りが湧き上がってくる
アイツよくも
よくも玄武を!!
瓦礫の上に横たわる玄武は動かない。
「一太刀で逝ったか……さすがはハイペリオン様の剣……」
…
本拠地のパラスは相変わらずエウロパお手製人形を撫で撫でしている。
「全てを切り刻む破壊の剣。天地崩滅斬……聖闘士抹殺は剣のみで事足りるということか」
タイタンが御前の間にてハイペリオンに声を掛けている。
「俺が出るまでも無かろう。黄金聖闘士など、我が大いなる聖剣の前では、芥のごとく消え去るのみ……」
「天秤座の黄金聖闘士よ、貴様にも見せてやりたかった……この天地崩滅斬によって全ての聖闘士が息絶える様を」
勝敗は決したと見てすたすたと歩いて近づくエーギル。
見上げると崩壊した門の奥、丘の上から光牙を始めとする青銅聖闘士たちが
聖衣箱のベルトに手を掛けて見下ろす。
「ペガサス……」
「それ以上先へは行かせねえ!」
「よくも……」
と呟くのは龍峰。
「あそこには、可愛い後輩たちがいるんでねえ!通すわけにはいかねえんだよ!」
と蒼摩も続く
「いくぞ、みんな!」
の光牙の号令とともに、昴を含む六人の聖衣装着。
真っ先に飛びかかった光牙の拳を、
だがエーギルは左手の指一本で止める。
うむ、聖闘士星矢の伝統的防御である。
「神殺し、黄金潰しのおまえらとて、二級パラサイトの私を倒すことは不可能」
指一本の衝撃だけで一旦光牙を吹っ飛ばす。
とはいえ光牙もこれは着地できる。
その光牙をとりまくように栄斗たちも着地。
「貴様らなど、一級パラサイト、四天王ハイペリオン様の力を借りるまでもない!」
「一級パラサイト?」
ちゃんと昴の左肩には流星のマーク。
「さしずめ、聖闘士でいう黄金聖闘士ってところだろう」
「ぬるいわ!一級の力は黄金聖闘士を軽く凌ぐ!!」
栄斗の言葉を侮辱と見たエーギルさんは剣を栄斗に向ける。
「パラサイトは貴様ら聖闘士とは格が違うのだ。天秤座の屍を見ればわかるだろう?」
『あなたどこに屍があると言うの?どこに屍があるんだ。』
少しどころかキレてるヴァイオレット。
『ボクが相手になろうか?雑魚さん?』
「貴様は、獅子座の黄金聖闘士か。面白い
二人も倒せば楽しいことになるぞ!!」
「誰の屍だって?」
エーギル台詞を遮る声とともに、玄武がふたたび立ち上がる。
「馬鹿な……!天地崩滅斬を食らって!!」
「黄金聖衣を舐めるな……!中でも、円盾を備える天秤座の聖衣が、破れるはず無かろう!!」
きらりと輝く右肩の円盾。
「ヴァイオレット、手出しは無用!俺が片付ける」
『分かった』
その言葉と共に後ろに下がった
「玄武さん!!」
「何故おまえら……」
「だってさあ……!」
「誰が出てこいと言った!奴は俺の相手。ヴァイオレット同様戻ってろ!」
「そんな!」
「邪魔だと言っている!!エーギルとか言ったな。来るなら来い。その、天地崩滅斬とやらの力を持ってなっ!」
天秤座の聖衣を纏っている玄武があそこまでやられた以上、
青銅聖衣を纏っている光牙たちではまだ
天地崩滅斬に耐えきれないという判断。
「だが、この橋を渡ることはできんぞ……
お前が渡るのは、三途の川!!」
「フン、橋など渡るまでもない。教えてやろう。天地崩滅斬の恐ろしさを!この剣は、時をも斬り、砕く!!刮目せよ!天地崩滅斬は時の理を断ち切ることができるのだ!!全ての時よ、歩みを止めよ!クロノ・デストラクション!」
天頂まで展開される宇宙空間とともに、
幾重にも放たれる波動。
辛うじて凌いだ玄武だが……
「みんなの小宇宙が消えた……いや、止まってしまったのか!?」
振り返れば、すぐ後にいたはずの光牙たちが全員が全員、石化していた
『何で?石化している……。小宇宙全くを感じない…』
ヴァイオレットもかろうじて避けたがダメージが大きい
「こ、これは……何をした、エーギル!!」
「全ての物の時間を破壊したのだ。貴様とあの獅子座の女は黄金聖衣に守られたようだが……奴等の時はこの剣に奪われた。残念だったな。パライストラを守れず」
「貴様あああああ!」
激怒する玄武。
だが
「かすかな小宇宙……」
光牙たちの身体は動けなくても、目だけは時の破壊から戻った。
「動けなくても意識はあるということか……」
驚くエーギルだが、
「クロストーンより新生した聖衣のおかげか……だが、では奴は何故……ペガサスらに守られて、それとも、潜在的に小宇宙が高いのか……?」
エーギルが玄武以上に懸念して見つめるのは、纏っているのが鋼鉄聖衣だけのはずの昴。
なぜあのガキは聖衣でもない人工的に作られた鉄で意識を保てている?
なんの力だ?
「確か、奪われた時は、奪ったパラサイトを倒せば、元に戻るんだろう?」
瞬よりその情報が伝わっており、その事実を聖闘士たちに知られているという怒りがエーギルを襲う
「何?」
「至極、簡単なルールだ」
不敵に笑う玄武。自分がエーギルを倒せば戻るという確信がある。
「私を倒すとでも……?次は直に、その身に食らわせてやる!!」
右腕で大上段に天地崩滅斬を構えるエーギル。
「それはどうかな?天秤座の聖衣には、円盾を含め、六つの武器が備わっている」
「なんだと!?」
「トンファー、双節棍、三節棍、スピア、そして、天秤座の聖剣!!」
「こ、これは……!」
「聖闘士は武器の使用を禁じられている。
アテナ、もしくは天秤座の聖闘士が許せば、この武器は使用可能となる!!星の光を纏う、天秤座聖衣の聖剣、我が師童虎、あなたより授かりし天秤座の武器、使わせて頂きます……!」
青眼の構えにて黄金の小宇宙を燃え上がらせる玄武。
「受けるがいい、アテナを守護する黄金聖闘士、天秤座の聖剣を!
「ふん、そんなもの、この天地崩滅斬の前ではなまくらも同じ。へし折ってやるわ!!」
エーギルの狂気の入った勝ち誇る笑顔。
「これは……!天地崩滅斬を堪えるとは……!」
「この星をも砕く天秤座の聖剣を、舐めて貰っては困る!!」
「だが!!」
一旦着地の後、ふたたび接近戦の間合いにて、幾合と剣が激突する。
一旦間合いを取った後、玄武が膝を突く。
「どうやら、剣を交えるたびに放たれる強大な小宇宙。剣では受け止めても、黄金聖衣が防ぎきれない……天地崩滅斬の衝撃は、その身体にダメージを刻んでいく。貴様にはもう、勝ち目など無いのだ!!」
剣の打ち合わせではなく、黄金聖衣をも切り裂けとばかりに、
エーギルが真っ正面から突きの姿勢で突っ込んでいく。
「ハイペリオン様の前に散れえええええ!」
だが、それでもなお玄武は息絶えぬ。
「な、何!!」
うつ伏せの姿勢から、地を掴むようにして顔を上げる玄武の胸に、
かつての五老峰での修行の光景が去来する。
「我が師、童虎……あなたには、よく言われた……俺には、根気がないって、な……ここで倒れたら……師匠にも……若い聖闘士達にも……示しが、つかん!!」
己の全身を叱咤するようにして立ち上がり、ふたたび剣を構える玄武。
「ほざくなああ!!」
怒りにまかせて剣の威力を叩きつけるエーギルに、玄武は防御することもできずに吹っ飛ばされる。
だが、死なない。
またも立ち上がり、エーギルに向き直る。
「な、なぜだ……なぜ立ち上がる……」
「師匠の思いを、若き聖闘士たちへ繋ぐため……」
「こざかしいわあああ!!」
エーギルが振り抜く威力を、受け止めなければ背後にいる光牙たちを破壊してしまう。
玄武は避けることをせず耐える。
「我が師、童虎……そして、我が兄弟子、紫龍……彼らが仲間のために命を賭けて何度も立ち上がったように……この身を犠牲にしてでも、こいつらは守る!!」
新時代の聖闘士たちを背中に背負って、
堂々たる様にて、玄武は仁王立ちする。
「フフフ、無駄だ。この天地崩滅斬の前で、全ての聖闘士は滅びるのだ。待っていろ、今、最期の一太刀をくれてやる!!」
天高く跳び上がり、最大上段から振りかぶったエーギルの天地崩滅斬が
玄武の目の前まで来てもなお玄武は動かない。その、黄金聖衣を纏った身を、無情にも天地崩滅斬が切り裂いて迸る鮮血が、石化したまま意識だけを残した聖闘士たちの前で飛び散る。
「フッ、無様な。立ったまま往生したか」
天地崩滅斬の刀身は、玄武の左肩から心臓をあるあたりを通って腹まで到達している。その身を裂く、禍々しい小宇宙を湛えながら。
「青銅聖闘士どもを守ると息巻いていたが、フン、あとは残りの聖闘士どもを砕くのみ」
光牙たちの瞳は見開かれたまま、瞬き一つすることもできず、また、せず、
その光景を目の当たりにしている。
「貴様は愚かな無駄死にを選んだのだ」
と告げた直後、エーギルは異変に気づく。
「ぬ、抜けない……!?」
そして、半身を割かれた玄武の瞳がなお開く。
「おまえの……負けだ」
「まさか……この天地崩滅斬を食らって、生きているというのか!?」
「この玄武、ただでは死なん!一つ教えてやる……この聖剣は、おまえを倒すために手にしたのではない……!」
「なんだと……!?」
「俺は、おまえなどは見ていない……俺の相手は最初から、この剣の向こう側にいる男よ!」
ハイペリオン、というその名前を、玄武は確かに最初から通して意識していた。
「この剣さえ破壊すれば、みんなが元に戻る……!この、天秤座の聖剣で!!はああああああ!!!」
割かれたまま、貫かれたまま、その剣を逃すものかと、玄武は聖剣を構える。
「ま、まさか……この天地崩滅斬を破壊するため、己の身体で剣を受け止めたというのかあああああ!!」
「せめて、俺の命とひきかえに、この剣を破壊してみせよう!若き聖闘士達よ、我が魂を受け継ぎ、巨大な邪悪を討つのだ!」
その背にある聖闘士たちよ、まさにこれをこそ刮目して見るがよい。
「我が師童虎より、天秤座聖衣を俺が引き継いだように聖闘士は新しき世代に思いを紡ぎ、託して行くもの!!」
その言葉を、遙か遠くで聞くハイペリオンは、かすかに笑う。
「ハイペリオンよ、お前の剣は、この玄武が貰っていく!!!」
燃え上がる黄金の小宇宙に、耐えきれなくなったエーギルはついに剣をその手から放してへたり込む。
玄武の小宇宙に耐えきれなくなったは天地崩滅斬も同じか、
その身体から離脱して浮かび上がる天地崩滅斬へ、
玄武は天秤座の聖剣を高く掲げる。
「廬山昇天覇!!!」
勝ち誇ったように紹介するエーギル
「この、偉大なる小宇宙を放つ剣の名は、天地崩滅斬!!」
神話の時代より伝わる神々の聖剣の一振り。その一振りが天と地を崩壊させ、全てを滅するという破壊の剣。一級パラサイト、四天王、ハイペリオン様の剣よ!!」
「ハイペリオンだと……?」
「ハイペリオン様……このエーギル、天地崩滅斬、ありがたく使わせて頂きます!!」
「フッ、剣でも矢でも鉄砲でも持ってくるがいい。均衡と調和を司る黄金聖闘士、この天秤座の玄武は倒せん!!」
「フッ、それはどうかな。貴様も気づいていよう。この圧倒的で攻撃的な小宇宙を!」
ついに剣を手にするエーギル
「おお……なんという、禍々しく強大な小宇宙……!」
エーギルが床石から抜いただけでパライストラ全土が揺れる。
間近にいる玄武や神威の子はおろか
遠距離にいる檄先生までも怯むその威力。
「なんて小宇宙なの……!」
と叫ぶ横にシュタッと出現する栄斗。
「このままだと、パライストラが崩壊してしまうぞ……!」
「栄斗……?」
「剣から放たれる、アプス、いや、それ以上に強大な小宇宙を前に……!」
「天地崩滅斬!パラス様に仇為す聖闘士どもを滅ぼそうぞ!!」
剣に振り回されている感じのエーギル。
右腕のガントレットが無ければ多分振り回せそうにないくらいの
圧倒的な剣の存在感。
宇宙空間を周囲に出現させる天地崩滅斬を前に
「ここまでの小宇宙とは……!」
さすがの玄武も顔色が変わる。
「見るか?天地を滅ぼす力……!!」
横薙ぎの一閃が炸裂した
玄武はかわせなかったのか、かわさなかったのか、
その玄武を門に叩きつけるのみならず、門までも崩壊させる一撃。
『玄武!!!』
怒りが湧き上がってくる
アイツよくも
よくも玄武を!!
瓦礫の上に横たわる玄武は動かない。
「一太刀で逝ったか……さすがはハイペリオン様の剣……」
…
本拠地のパラスは相変わらずエウロパお手製人形を撫で撫でしている。
「全てを切り刻む破壊の剣。天地崩滅斬……聖闘士抹殺は剣のみで事足りるということか」
タイタンが御前の間にてハイペリオンに声を掛けている。
「俺が出るまでも無かろう。黄金聖闘士など、我が大いなる聖剣の前では、芥のごとく消え去るのみ……」
「天秤座の黄金聖闘士よ、貴様にも見せてやりたかった……この天地崩滅斬によって全ての聖闘士が息絶える様を」
勝敗は決したと見てすたすたと歩いて近づくエーギル。
見上げると崩壊した門の奥、丘の上から光牙を始めとする青銅聖闘士たちが
聖衣箱のベルトに手を掛けて見下ろす。
「ペガサス……」
「それ以上先へは行かせねえ!」
「よくも……」
と呟くのは龍峰。
「あそこには、可愛い後輩たちがいるんでねえ!通すわけにはいかねえんだよ!」
と蒼摩も続く
「いくぞ、みんな!」
の光牙の号令とともに、昴を含む六人の聖衣装着。
真っ先に飛びかかった光牙の拳を、
だがエーギルは左手の指一本で止める。
うむ、聖闘士星矢の伝統的防御である。
「神殺し、黄金潰しのおまえらとて、二級パラサイトの私を倒すことは不可能」
指一本の衝撃だけで一旦光牙を吹っ飛ばす。
とはいえ光牙もこれは着地できる。
その光牙をとりまくように栄斗たちも着地。
「貴様らなど、一級パラサイト、四天王ハイペリオン様の力を借りるまでもない!」
「一級パラサイト?」
ちゃんと昴の左肩には流星のマーク。
「さしずめ、聖闘士でいう黄金聖闘士ってところだろう」
「ぬるいわ!一級の力は黄金聖闘士を軽く凌ぐ!!」
栄斗の言葉を侮辱と見たエーギルさんは剣を栄斗に向ける。
「パラサイトは貴様ら聖闘士とは格が違うのだ。天秤座の屍を見ればわかるだろう?」
『あなたどこに屍があると言うの?どこに屍があるんだ。』
少しどころかキレてるヴァイオレット。
『ボクが相手になろうか?雑魚さん?』
「貴様は、獅子座の黄金聖闘士か。面白い
二人も倒せば楽しいことになるぞ!!」
「誰の屍だって?」
エーギル台詞を遮る声とともに、玄武がふたたび立ち上がる。
「馬鹿な……!天地崩滅斬を食らって!!」
「黄金聖衣を舐めるな……!中でも、円盾を備える天秤座の聖衣が、破れるはず無かろう!!」
きらりと輝く右肩の円盾。
「ヴァイオレット、手出しは無用!俺が片付ける」
『分かった』
その言葉と共に後ろに下がった
「玄武さん!!」
「何故おまえら……」
「だってさあ……!」
「誰が出てこいと言った!奴は俺の相手。ヴァイオレット同様戻ってろ!」
「そんな!」
「邪魔だと言っている!!エーギルとか言ったな。来るなら来い。その、天地崩滅斬とやらの力を持ってなっ!」
天秤座の聖衣を纏っている玄武があそこまでやられた以上、
青銅聖衣を纏っている光牙たちではまだ
天地崩滅斬に耐えきれないという判断。
「だが、この橋を渡ることはできんぞ……
お前が渡るのは、三途の川!!」
「フン、橋など渡るまでもない。教えてやろう。天地崩滅斬の恐ろしさを!この剣は、時をも斬り、砕く!!刮目せよ!天地崩滅斬は時の理を断ち切ることができるのだ!!全ての時よ、歩みを止めよ!クロノ・デストラクション!」
天頂まで展開される宇宙空間とともに、
幾重にも放たれる波動。
辛うじて凌いだ玄武だが……
「みんなの小宇宙が消えた……いや、止まってしまったのか!?」
振り返れば、すぐ後にいたはずの光牙たちが全員が全員、石化していた
『何で?石化している……。小宇宙全くを感じない…』
ヴァイオレットもかろうじて避けたがダメージが大きい
「こ、これは……何をした、エーギル!!」
「全ての物の時間を破壊したのだ。貴様とあの獅子座の女は黄金聖衣に守られたようだが……奴等の時はこの剣に奪われた。残念だったな。パライストラを守れず」
「貴様あああああ!」
激怒する玄武。
だが
「かすかな小宇宙……」
光牙たちの身体は動けなくても、目だけは時の破壊から戻った。
「動けなくても意識はあるということか……」
驚くエーギルだが、
「クロストーンより新生した聖衣のおかげか……だが、では奴は何故……ペガサスらに守られて、それとも、潜在的に小宇宙が高いのか……?」
エーギルが玄武以上に懸念して見つめるのは、纏っているのが鋼鉄聖衣だけのはずの昴。
なぜあのガキは聖衣でもない人工的に作られた鉄で意識を保てている?
なんの力だ?
「確か、奪われた時は、奪ったパラサイトを倒せば、元に戻るんだろう?」
瞬よりその情報が伝わっており、その事実を聖闘士たちに知られているという怒りがエーギルを襲う
「何?」
「至極、簡単なルールだ」
不敵に笑う玄武。自分がエーギルを倒せば戻るという確信がある。
「私を倒すとでも……?次は直に、その身に食らわせてやる!!」
右腕で大上段に天地崩滅斬を構えるエーギル。
「それはどうかな?天秤座の聖衣には、円盾を含め、六つの武器が備わっている」
「なんだと!?」
「トンファー、双節棍、三節棍、スピア、そして、天秤座の聖剣!!」
「こ、これは……!」
「聖闘士は武器の使用を禁じられている。
アテナ、もしくは天秤座の聖闘士が許せば、この武器は使用可能となる!!星の光を纏う、天秤座聖衣の聖剣、我が師童虎、あなたより授かりし天秤座の武器、使わせて頂きます……!」
青眼の構えにて黄金の小宇宙を燃え上がらせる玄武。
「受けるがいい、アテナを守護する黄金聖闘士、天秤座の聖剣を!
「ふん、そんなもの、この天地崩滅斬の前ではなまくらも同じ。へし折ってやるわ!!」
エーギルの狂気の入った勝ち誇る笑顔。
「これは……!天地崩滅斬を堪えるとは……!」
「この星をも砕く天秤座の聖剣を、舐めて貰っては困る!!」
「だが!!」
一旦着地の後、ふたたび接近戦の間合いにて、幾合と剣が激突する。
一旦間合いを取った後、玄武が膝を突く。
「どうやら、剣を交えるたびに放たれる強大な小宇宙。剣では受け止めても、黄金聖衣が防ぎきれない……天地崩滅斬の衝撃は、その身体にダメージを刻んでいく。貴様にはもう、勝ち目など無いのだ!!」
剣の打ち合わせではなく、黄金聖衣をも切り裂けとばかりに、
エーギルが真っ正面から突きの姿勢で突っ込んでいく。
「ハイペリオン様の前に散れえええええ!」
だが、それでもなお玄武は息絶えぬ。
「な、何!!」
うつ伏せの姿勢から、地を掴むようにして顔を上げる玄武の胸に、
かつての五老峰での修行の光景が去来する。
「我が師、童虎……あなたには、よく言われた……俺には、根気がないって、な……ここで倒れたら……師匠にも……若い聖闘士達にも……示しが、つかん!!」
己の全身を叱咤するようにして立ち上がり、ふたたび剣を構える玄武。
「ほざくなああ!!」
怒りにまかせて剣の威力を叩きつけるエーギルに、玄武は防御することもできずに吹っ飛ばされる。
だが、死なない。
またも立ち上がり、エーギルに向き直る。
「な、なぜだ……なぜ立ち上がる……」
「師匠の思いを、若き聖闘士たちへ繋ぐため……」
「こざかしいわあああ!!」
エーギルが振り抜く威力を、受け止めなければ背後にいる光牙たちを破壊してしまう。
玄武は避けることをせず耐える。
「我が師、童虎……そして、我が兄弟子、紫龍……彼らが仲間のために命を賭けて何度も立ち上がったように……この身を犠牲にしてでも、こいつらは守る!!」
新時代の聖闘士たちを背中に背負って、
堂々たる様にて、玄武は仁王立ちする。
「フフフ、無駄だ。この天地崩滅斬の前で、全ての聖闘士は滅びるのだ。待っていろ、今、最期の一太刀をくれてやる!!」
天高く跳び上がり、最大上段から振りかぶったエーギルの天地崩滅斬が
玄武の目の前まで来てもなお玄武は動かない。その、黄金聖衣を纏った身を、無情にも天地崩滅斬が切り裂いて迸る鮮血が、石化したまま意識だけを残した聖闘士たちの前で飛び散る。
「フッ、無様な。立ったまま往生したか」
天地崩滅斬の刀身は、玄武の左肩から心臓をあるあたりを通って腹まで到達している。その身を裂く、禍々しい小宇宙を湛えながら。
「青銅聖闘士どもを守ると息巻いていたが、フン、あとは残りの聖闘士どもを砕くのみ」
光牙たちの瞳は見開かれたまま、瞬き一つすることもできず、また、せず、
その光景を目の当たりにしている。
「貴様は愚かな無駄死にを選んだのだ」
と告げた直後、エーギルは異変に気づく。
「ぬ、抜けない……!?」
そして、半身を割かれた玄武の瞳がなお開く。
「おまえの……負けだ」
「まさか……この天地崩滅斬を食らって、生きているというのか!?」
「この玄武、ただでは死なん!一つ教えてやる……この聖剣は、おまえを倒すために手にしたのではない……!」
「なんだと……!?」
「俺は、おまえなどは見ていない……俺の相手は最初から、この剣の向こう側にいる男よ!」
ハイペリオン、というその名前を、玄武は確かに最初から通して意識していた。
「この剣さえ破壊すれば、みんなが元に戻る……!この、天秤座の聖剣で!!はああああああ!!!」
割かれたまま、貫かれたまま、その剣を逃すものかと、玄武は聖剣を構える。
「ま、まさか……この天地崩滅斬を破壊するため、己の身体で剣を受け止めたというのかあああああ!!」
「せめて、俺の命とひきかえに、この剣を破壊してみせよう!若き聖闘士達よ、我が魂を受け継ぎ、巨大な邪悪を討つのだ!」
その背にある聖闘士たちよ、まさにこれをこそ刮目して見るがよい。
「我が師童虎より、天秤座聖衣を俺が引き継いだように聖闘士は新しき世代に思いを紡ぎ、託して行くもの!!」
その言葉を、遙か遠くで聞くハイペリオンは、かすかに笑う。
「ハイペリオンよ、お前の剣は、この玄武が貰っていく!!!」
燃え上がる黄金の小宇宙に、耐えきれなくなったエーギルはついに剣をその手から放してへたり込む。
玄武の小宇宙に耐えきれなくなったは天地崩滅斬も同じか、
その身体から離脱して浮かび上がる天地崩滅斬へ、
玄武は天秤座の聖剣を高く掲げる。
「廬山昇天覇!!!」