「こんにちは…海藤くん」

「君は…雨宮さん…。」

「蔵馬は…？」

また禁断症状が出てる

「僕の方にも連絡はないよ。これ、南野のノート。渡しといてくれ。僕はこれから彼女に呼び出されてるんだ。早く行かないと殺される。」

「そう…分かったわ。」

踵を返し、元きた道をもどっていく。


南野…少しは帰る日を言ったらどうだ

毎回、あの子を返すこっちの身にもなれ



ーーー

「おかえりなさい…。」

「今日は寝る」

「夕飯は…？」

「いらない…。」

螢子のところへ帰り、布団に潜り込む

持って帰ってきたノートを机の上に置きっぱなしにしている


「じゃぁ私、食堂に行ってきますね。食べたくなったら来てください」

そう言って螢子は部屋を出た。



ーーー

翌日の深夜 海藤の部屋にて

「海藤くん、俺のノートは？」

「君、帰ってくるの、昨日って言ったよね？」

「ちょっと長引いちゃいまして。」

「君の彼女に渡しといたよ。あと、これが今日の分。連絡でもして合いなよ。禁断症状出てたよ。また。」

「あ〜…。そうですね。今日にでも会いますよ。」

「海藤くん、少し怒ってます？」

「さぁね…。君に何を言っても無駄なのは知ってるからね。ただ…帰ってくる日にちは間違わないでくれ。」

めんどくさいとため息をつく。

「これから家に帰るのか？」

「もう夜中ですし、今から部屋に向かっても不法侵入にされてしまいますので。」

「まぁ…そうだね」


そういい海藤の部屋の窓から出ていった

…

さて、どう会おうか…。

それにしても

海藤くんに俺の彼女だと思われてるのか

凛は…

違うと言っても信じてくれるような感じしないし

別に虫がつかなければどんな嘘でもいいんだけど

街の灯りが薄暗く光る中

家へと向かった