4日目
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その後、凛が熱中症でふらつき倒れかけたという話が山側まで届く。
「仁王くんどうしました?」
「ちと…人が倒れそうってだけでも心臓に悪いなって思っただけぜよ。」
「そうですね…私達にはちょっと刺激が強すぎますね。」
「幸村がついているようだが、心配だな。」
「まぁあっちは、ジャッカル先輩と丸井先輩が代わりに動くって意気込んでたんで大丈夫じゃないっすか?」
「そこは心配じゃないが…あの2人が倒れたり、体調が悪くならないかだけが心配だ。」
12:00
精市に休んでていいよと言われ、特に何もすることなく休んでることにした。
ハイビスカスを手に取り自分の部屋の布団の上に置いてきた。
外しちゃダメって言われたけど
ボロボロになるのは嫌だし。
ごめんね。
精市。
そのまま、特に何もすることなく、
14:30になった。
あまりにも暇になり、外に出ることにした。
「ブンちゃん…。」
「お?どうした?」
「何か手伝うことある?」
「んじゃ、この辺りでキノコ探そうぜ。食えそうな山菜とかあったら教えてくれ。」
「うん」
「図鑑はその辺においてあるからさ。」
「了解」
「じゃ、はじめよっか」
「うん」
・・・
「あっぜんまい見っけ。こっちはつくしの群生が…っ。」
「お前見つけるのうまいな~」
「偶然だから」
違う…。こういう類はずっと田舎で見てきた。だから、わかる。
「俺も負けてられねぇな。」
「頑張って探そう」
「おう」
「ほとんどお前が採ったんじゃねぇか。お前、すごいな。関心するぜ。幸村くんも褒めてくれるぞ。」
「精市は…」
「照れんなよ…。」
「う、うるさい。」
「晩御飯楽しみだな。」
15:00
「探索行くの?」
「そうだよ。湖に行ってみようと思ってね。
体調は大丈夫?」
「大丈夫だよ。」
「そうかい?ここより広いところみたいだからさ、何か見つかるかもしれない。」
「私も一緒について行っていい?」
「いいよ、出掛けようか。」
「合宿所の外に出るのはちょっと楽しい。なんだか、ワクワクする。」
「そうだね。でも、その分危険もあるだろうから注意していこうか。」
「そうだね。ねぇ…精市はさ、夏は好き?」
「そうだなぁ…好きだよ。緑が奇麗な季節だからね。でも、一番好きな季節は春かな」
「なるほどねぇ」
「キミは春は好きかい?」
「春は好きだよ?誕生日の月だし…」
精市の誕生月だし…
「まぁ…俺たちの誕生日近いもんね。」
「そうだね…」
よく一緒に祝った
今年は病院で祝った
だから、来年は一緒に…家で祝えたらいいな。ってずっと思っている
「桜とか…チューリップとかきれいじゃん。チューリップは毎年植えてるし…」
「確かに…俺も桜もチューリップも好きだな…」
「うん。散っている最中の桜吹雪がきれいでさ。」
「そうだね。前に一緒に花見をしに行ったときさ、桜吹雪もすごい綺麗だったよね。」
「また一緒に行けるかな。」
「いけたらいいね」
「半分は過ぎたと思うけど、疲れていないかい?」
「大丈夫だよ?」
「でもさっき…」
「心配しすぎ。」
「じゃぁもう少し頑張ろう」
「うん。ここの湖ってそれほど大きくないらしいね。」
「そうらしいね」
「ねぇ。家に帰ったらさ、何かやりたいことある?」
「ん~これといって今は思いつかないなぁ…しいて言うなら、立海の練習を見ることだし…。」
「そういえば、君と部活まともにしてなかったもんね。それはやりたいな…」
「あ!向こうで光って見えるのは湖じゃない?」
「そうだね。じゃあ、あと少し頑張ろう。」
「うん。」
「さて、この周辺を調べてみよう。かなり範囲が広いから、二手に分かれたほうがいいだろうね。」
「そうだね」
「そんなに大きな湖でもないし、俺は右回りで回っていくから、キミは左回りで回ってくれるかい?」
「わかった。」
「対岸で落ち合おう。」
「やぁどうだった?」
「別に変ったところはなかったかな。」
「俺のほうはちょっと変なものを見つけたよ。」
「変なもの?」
「うん、キミの意見も聞きたいからさ。ついてきてよ。」
「あ、うん」
___
「ほら、これだよ。なんだと思う?」
「地面がへこんでる?それに動物の足跡みたいだけど…哺乳類じゃなくて爬虫類のような…恐竜みたいな…」
「不思議だけど…いるわけないよね。まぁ、これ以外にかわったものはないみたいだし、そろそろ帰ろうか。」
「でも、その前に」
「ん?何かある?」
「少し湖の岸で休まない?足を浸けると涼しいと思う。」
「そうだね。そうしようか。」
「うん」
「冷たくて気持ちいい」
「気持ちいいね」
「あー、こうやっていると本当にのどか。遭難していること忘れちゃいそう。」
「ふふっ、そうだね。でもこうやって休んでるときくらいは忘れてもいいんじゃない?」
「フフッそうだね」
「でも、本当にこれが遭難とかじゃなくて、キミとデートだったらよかったのにって思うよ。」
「精市、私じゃあなたのデート相手には釣り合わないよ。」
「そうなことないよ。うーん……むずかしいな~」
「精市?」
「何でもない…もう少しゆっくりしていこうか。」
本心を言ってみたけれど
いつもこう…
なんで【私は釣り合わない】って言ってくるのか分からない
釣り合うって何?
俺が君といたいって思ってはダメなの?
「さ、あまり冷えてもダメだから帰ろう。」
さっきとはうって変わり、余り喋らなくなる幸村であった
17:00
「元気がありませんね」
「ん~。そうなのかもしれない。」
夕飯の準備をしながら観月に話しかけられる。
「何かありましたか?」
「私は、データに基づいて考えるなんて能力がないからわからないから、なんで彼が‥。やっぱり何でもない」
「そうですか。僕には言えなくてもお仲間さんたちには言えるでしょう?追いつめられる前に言っておいたほうがいいですよ」
・・・
「幸村君?」
「丸井か。」
「どうしたんだよ…。」
「さっき探索行ってきたんだよ。二人でね。彼女と湖にいってあまりにもきれいだったんだ。一緒にいることが幸せで、デートみたいだねっていったんだ。そしたら…
《私は、あなたに釣り合わない》
って言われてしまったよ。どういう意味だろうね。」
「あいつはさ、なんていうか、うまく言えないけど、幸村君のそばに入れるのはうれしいけど、なんていうか…幸村君が遠い存在って思ってるところがあるんだよ。だから、幸村君が安心させてあげれば…そんな考えが少しでも減ると思う。」
「そうだぜ。ちょっとうまく言えないだけだからさ。あまり気にするなって。」
「ありがとう。丸井。ジャッカル。」
でも…
俺が安心させるってどうすれば…
そう思ってると跡部と千石が霧の話をしていた。大きな影がヌゥンっとあったということ。それはまるで恐竜の様であったということ。
「恐竜?」
「なんだ?幸村。」
「笑わないで聞いてほしいんだけど…。おれも恐竜の足跡みたいなものを見つけたんだよ。」
「…笑えねぇ冗談だな、幸村。第一、なんでそれが恐竜の足跡だってわかるんだ?」
「図鑑で見たのと同じような形だったからね。とはいえ、俺もさっきまではほとんど信じていなかったよ。千石の話を聞くまではね。」
しかし、跡部は否定をする。
見間違いだと
しかし、目撃者は1人ではない
「1人なら見間違いかもしれないけど目撃者が2人もいるんだ。頭から否定してほしくないなぁ…」
「千石、3人だよ」
「あ…マネちゃんか…俺が女の子のことを忘れるなんて…」
「千石…女の子ならみんなかわいいかもしれないけど、彼女はダメだよ」
「え、何、嫉妬?」
「違うよ。彼女に近づけば確実に引かれるか、冷たい目で見られるよ。千石。それに彼女が嫌がるようなことはしたくないんだよ。わかってくれるよね?」
「うん…」
目がマジだと察した千石はそれ以上何も言わなかった。
19:00
「凛。」
「精市?よかった。探してたの」
「え?」
「これ…。」
「これって押し花?」
「うん…」
ピンクと赤コスモスか…花言葉は、乙女の純潔と乙女の愛情。それとも、宇宙を意味するコスモスなのか…確か、宇宙のほうはギリシャ語が語源だったかな…。意味は秩序。対義語はカオスだったかな…。この辺は俺より彼女のほうが知ってそうだけど。
「ありがとう。大切にするよ」
「なんかずっと精市に世話になってばかりだし…。」
「気にしなくてもいいのに…って言いたいところだけど。そしたらまた君が気にしちゃいそうだから、言わないでおくよ。」
彼女から物をくれるなんていつぶりだろうか?
いつも俺があげていた
病院にいるときも絵を送った
病棟のデイルームで体が動かなくなる前にっとイーゼルを立てて小さなキャンバスに宇宙を描いた。
画用紙にも描いた。
こんなに黒を使う絵もなかなかないし、黒は暗いイメージだけでなく、明るくもなるって彼女が教えてくれた。
12星座も88星座も書いた。
きっと彼女の部屋は俺の絵だらけ。
絵を描いている時だけ、病気のことが忘れられた。
渡す時だけ忘れられた。日に日に体が動かなくなって描くペースが落ちた
だけど、それでも彼女に貰ってほしくてずっと書き続けた。
手術の前日まで…。術後に部屋に来てもらい渡した。術後だからなのか体は動かなかったし、数時間ごとに血圧をはかられたし、合併症がといわれても、俺には全国大会があったから…特に何も考えず同意書に同意をしたなぁっと、なぜ今思い出すのかわからない。
「どうかした?」
「いいや、少し昔のことを思い出していただけ。」
「昔の事?」
「うん、ちょっと入院していたことを思い出したんだ。でも、不思議とねこの思い出は哀しくはないんだよな。なんでかな。」
あの時間が俺の中で一番楽しくて、あの時間だけが安らぎだった。
「闘病生活は辛かったけど、俺に天使が合いに来てくれてたから。」
「天使?」
「そう、天使。君もいつか、そういう人に会えるよ」
まぁ、天使かどうかはわからないけど。
「そうね」