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もう、終わり__。
私は今ここで死ぬのかと考えながら、頭の中で再生される褪せた思い出に身を任せる。だが、それは風で流れる煙のように薄れていき、意識が目の前の現実に引き戻されていく。
視界に収まり切らない程近くにいた大きな生物は、幾等分にされ、崩れていった。
中型の怪獣でも、私よりも何倍も大きかったものが、私よりも小さくなった。
「もう大丈夫やで。怪我…はよ治療せなあかんな」
怪獣だったものを茫然としながら見つめていた。でも、視界いっぱいに広がった笑顔に満たされていく。柔らかい笑みを浮かべたオカッパ。
その人は「ちょお我慢してな」と零しながら、私の背中と膝に腕を回し、抱え上げる。私を安心させようとしているのが、ひしひしと伝わってきた。
「安全なとこ行こな。きっと、君の家族もおるで」
そっと見上げると、オカッ…その防衛隊員は目を閉じたまま、遠くを真っ直ぐ見ていた。ちゃんと見えているのだろうかと、少し不安になる。
だけど、その腕の温かさに、身体の緊張がゆっくりと解けていく。すごく安心して、深く息を吐きながら涙を零した。瓦礫で切れた足がズキズキと痛む。今になって、痛みが増していく。でも、その人の横顔から、目を離すことは出来なかった。
「そない見つめんといて。照れるやん。……汚れとる?」
「え?あ、いえ……ごめんなさい…」
見つめるなと言われても、目を離せなかった。心臓が痛い程鳴っている。涙は止まらないけど、ずっと…見惚れていた。
――――――――――――⋯⋯5年前。
私が15歳の時の、鮮烈な記憶。
よく晴れたあの日、怪獣は旅行中の私たち家族から、最も大切なものを奪った。そして――溢れんばかりの想いを与えた。
あの日私は、最愛の父を失った。憎しみは膨れ上がっていったけど、その黒い感情に呑み込まれることはなかった。憧憬の念と淡い恋心が、私の胸を打ったから。
それでも憎しみは残るけれど…私はそれを強さに変えていく__。
私は今ここで死ぬのかと考えながら、頭の中で再生される褪せた思い出に身を任せる。だが、それは風で流れる煙のように薄れていき、意識が目の前の現実に引き戻されていく。
視界に収まり切らない程近くにいた大きな生物は、幾等分にされ、崩れていった。
中型の怪獣でも、私よりも何倍も大きかったものが、私よりも小さくなった。
「もう大丈夫やで。怪我…はよ治療せなあかんな」
怪獣だったものを茫然としながら見つめていた。でも、視界いっぱいに広がった笑顔に満たされていく。柔らかい笑みを浮かべたオカッパ。
その人は「ちょお我慢してな」と零しながら、私の背中と膝に腕を回し、抱え上げる。私を安心させようとしているのが、ひしひしと伝わってきた。
「安全なとこ行こな。きっと、君の家族もおるで」
そっと見上げると、オカッ…その防衛隊員は目を閉じたまま、遠くを真っ直ぐ見ていた。ちゃんと見えているのだろうかと、少し不安になる。
だけど、その腕の温かさに、身体の緊張がゆっくりと解けていく。すごく安心して、深く息を吐きながら涙を零した。瓦礫で切れた足がズキズキと痛む。今になって、痛みが増していく。でも、その人の横顔から、目を離すことは出来なかった。
「そない見つめんといて。照れるやん。……汚れとる?」
「え?あ、いえ……ごめんなさい…」
見つめるなと言われても、目を離せなかった。心臓が痛い程鳴っている。涙は止まらないけど、ずっと…見惚れていた。
――――――――――――⋯⋯5年前。
私が15歳の時の、鮮烈な記憶。
よく晴れたあの日、怪獣は旅行中の私たち家族から、最も大切なものを奪った。そして――溢れんばかりの想いを与えた。
あの日私は、最愛の父を失った。憎しみは膨れ上がっていったけど、その黒い感情に呑み込まれることはなかった。憧憬の念と淡い恋心が、私の胸を打ったから。
それでも憎しみは残るけれど…私はそれを強さに変えていく__。
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