恋 人 ✖︎ 以 上
名前
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「お酒でも飲む?」
『え、いや今日はやめとこうかな』
「僕はいくらでも介抱するけど?」
『だ、大丈夫です‼︎』
「そう?
少しは落ち着いた?」
『うん、だいぶ。これで良かったと思ってる。
悟、ありがとね、悟のおかげ』
「僕は何もしてないよ、むかついてカッとなって勢いで・・・
大人としては良くない行動だね」
『まぁね。私の言葉なんか全然聞いてくれないし
話はどんどん進められるし』
「ごめん」
『嘘、本当に感謝してる。
でも彼女に悪いからなるべく早く出てくね。
少しだけお世話になります』
「別に気にしなくていいのに、部屋も余ってるし。」
『そういう訳にはいかないでしょ』
これ以上、悟に迷惑をかける訳にはいかない
優しさに甘える訳にはいかない
『それにしても・・・・・
なんでこんなとこ住んでるの?』
「え?いや普通じゃない?」
『普通じゃないけど
悟ってもしかしてボンボン?』
「その言われ方なんか嫌なんだけど」
『なるほど・・・。なんでうちの店で働いてんの?』
「んー僕あの仕事好きなんだよねーそれだけ」
『ふーん・・・・』
「名前はさ、あの男のどこが好きだったの?」
『デリカシー。』
「あ、まだ聞かない方がよかった?」
『別にいいけど・・・。
どこが好き、ねぇ。最初からあんな人だった訳じゃないよ?
すごく優しかったし仕事熱心で尊敬できた。
自分の方が絶対疲れてるのに私の事ばかり気にしてくれてた。
すごく素敵な人だったよ。』
”そう素敵な人だった。彼の口からあんなにもスラスラと
私への暴言が出てくるなんて思わなかった”
「なんか妬けるな」
『へ?』
「いやなんでもない」
『悟は?昔からそーなの?
ちゃんと恋とかした事あんの?ないか‼︎』
「あるよ。まぁ昔の話だけどね」
なんとなくそれ以上は聞くなって顔をされた気がした
だからそれ以上は何も聞かなかった
『私も悟みたいに生きようかな〜』
「は?」
『誰かに依存すればする程お互いが窮屈になってさ
時に傷つけあったりして・・・・なーんかもう疲れちゃった』
「まぁね」
『でもさ人肌恋しくなることもあんのよ女だって
人間の3大欲求だしね』
「誰でもいいわけ?」
『それな
多分私には無理。誰でもいいからやりたい訳じゃないもん』
「ならよかった。名前には無理だよ絶対やめた方がいい」
『やらないって、そもそもあんたのその顔だからできんでしょ』
「まーねそれは否定しないけど。
名前だって可愛いよいくらでも男なんか寄ってくる。
名前とやりたい男なんて山程いるよこの世にはさ」
『褒められてんだかわかんないわね
なんか今日は疲れた。もう寝ようかな』
「そうだね、ゆっくり休みな」
『悟、今日だけ一緒に寝てもいいよ?』
「はぁあっ?!///」
『だって悟は私なんかに興味ないだろうし、手出さないでしょ?
一回普通に寝てるし・・・・。さすがに床とかソファで寝かせるのは・・・。』
「僕はだ、大丈夫だって」
『なら私も床で寝る。』
本当にこの子は言う事をきかないね
僕のことなんだと思ってるんだろ
僕だって大人の男なんだけど
興味がないのは僕じゃなくて名前の方だろ
結局僕は名前と同じベットの中にいる
『悟・・・・ありがとうね。今度おごる』
「はいはい、早く寝なよ」
『うん、おやすみ』
「・・・おやすみ」
少し離れて横になったのに思っていたよりも距離が近くて
名前が真っ直ぐ僕の眼を見て話すから柄にもなくドキドキしてしまった
あぁ僕今日寝られるかな
すぐそこに無防備でおまけに警戒心ゼロの兎が居るってのに
僕は見えない鎖でガッチリ繋がれた狼のようだ
生殺しとはこういうことだろう
でも絶対に手を出さない触れたりしない
名前のことは傷つけたくない
僕はいろんな葛藤と闘いながら必死で眠りにつこうとした