「えぇーーーーー‼︎‼︎別れちゃったんですか？！」


『・・・‼︎そ、そんなに驚く事？？』


「だ、だって・・・・いやでも私は別れて正解だと思います

浮気するような男・・・・許せない‼︎」


『そうだよね、私も・・・・

これでよかったと思う・・・。』


「・・・・よし‼︎じゃ今度合コンでもやりましょ‼︎

良い男捕まえるぞーーー‼︎」


























私は長年付き合った彼氏と別れた



関係は冷め切っていた



見て見ぬ振りをしていたけど彼が浮気していたのも知っていた











悟に迷惑をかけてしまった翌日





彼が帰るなりお前男いるだろ？と寝ている私に言ってきた


どうやら車で待ったいた悟を見て怪しいと思い
少し様子を見ていたらしい


そして私が悟の車に乗って行くところを見ていたとの事


彼は職場の同僚でそんな関係ではないと説明したが
全く信じてもらえなかった


それどころか酷い暴言を吐かれ挙げ句の果てに別れを告げられた


”尻軽女”

”裏切り者”

”あの男がお前に本気な訳ない”

”すぐに捨てられて終わりだ”





もうとっくに彼は私なんかに愛はなかった


きっとタイミングを待っていたんだなって思った


悟の車に乗り込む私を見て嘸かし嬉しかっただろう



何故私がここまで酷い事を言われなければならないのか



この数年間、彼は一度も私を愛した事なんかなかったのかもしれない



こんな時に何故か思い出される楽しかった、幸せだった頃の記憶



大好きだったな本当に大好きだったのにな



いざ終わりが来るとやっぱり寂しくて苦しくて



こんなに酷いこと言われてるのに




でもこれでいい。これでよかったのだと思う



ずっと逃げてきた、もうそれも疲れた









『今まで、ありがとう』


「・・・・出てくのすぐじゃなくてもいいから
どうせ顔合わせないし」


『ありがとう、でもなるべく早めに出てくよ』







なんて呆気ない終わりだろう

















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「名前さ〜ん‼︎あんまり無理しないでくださいね？

・・・浮気野郎だとしても何年も一緒にいたんですもんね
辛くないわけないです」


『ありがと、野薔薇ちゃん』




「釘崎さん」



「な、七海さん」



「お願いしていた業務は終わったのですか？」



「い、今すぐやりまーす‼︎」



「全く。

・・・・・苗字さん」


『は、はい』


「そんな顔でお客様の前に出るつもりですか？」


『す、すみません・・・』






一晩中泣いた私の目は赤く腫れて化粧でもごまかせなかった







「大丈夫ですか？釘崎さんも言っていましたが無理はしないでください。
私は何があったのかは知りません。深く聞くつもりもありません。
でもどうしても辛いのなら頼ってください、私はあなたの上司なのですから」


『七海さん、すみません・・・・

ありがとうございます』









七海さんの優しさが私の涙腺を緩める











「私は泣かせたいわけじゃないのですが・・・・」








言いながら親指で涙を優しく拭ってくれた









「今日は帰っても大丈夫ですよ、ゆっくり休んでください」



『本当にすみません・・・・』



「謝る必要なんてありませんよ」


























こんなに落ちるなんて思わなかった



いつ来てもおかしくない別れだったのに
いつ来ても心の準備はできていると思っていたのに


寂しさと安心と心の中が矛盾だらけでグチャグチャだ



























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「お疲れサマンサ〜」


「うわっ」


「ちょっとうわっはないでしょ〜


あれ？名前は？」


「名前さんはさっき早退したわよ」


「え、具合でも悪いの？」


「はぁ・・・・・名前さんの今日の顔見て気付かないわけ？」


「僕、朝から予約入ってたからね名前に今日会ってないの」


「あっっそ」


「で、名前どうしたの？」


「浮気男と別れたんだって

私はよかったと思ってるけど。でも名前さんはすごく落ち込んでるみたいだった。
目も腫れてたしきっとたくさん泣いたんだと思う」


「・・・浮気？何それ僕聞いてないけど」


「は？あんたに全て話してるわけじゃないでしょ？
彼氏じゃあるまいし〜本当変な奴」


「・・・・それもそうだね」














珍しく僕は少し混乱した


名前が彼氏と別れた


何故？急に。まさか僕のせいじゃないよな


彼氏が浮気してるなんて僕には一言も言わなかった


もうただの同居人だと笑いながら話していたのに
目が腫れるほどたくさん泣いたの？


そんなに別れが辛かったのか？



僕は勝手に”いつ別れてもいい”とそんな風に
名前は思っていると思っていた



・・・・いやなんで僕がこんなに訳の分からない事を考えてるんだ



名前の気持ちなんて名前にしか分からないのに



僕が考えたってわかるはずもないのに




ただ大事にしてくれない彼氏なんか別れた方がいいと思っていた


でも大事にしてくれない彼氏でも名前は別れが辛かったのか



別れてよかったと思う気持ちと


名前がそんなに辛いなら別れない方がよかったのか




今僕の気持ちはすごく矛盾していてる