第三章:変わりゆくもの
夢小説設定
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翌日、原田が土方達に私との話を報告してくれて、私の謹慎は解かれた。
「いいか、もう二度とあんな無茶な突っ込み方するんじゃねえぞ。今回は優勢に立てたからよかったものの、」
「ああ。もうわかってるよ」
また長い時間説教をされそうになったが、私の表情を見て、土方は納得したようだった。
「ああ、エリィ。お前が前に言ってた鎮静剤?の材料、集まったぞ。山南さんが持ってる」
「そうか!ありがとう」
私は集まった材料から早速薬作りを始めた。
まあ正直なところ、特別な知識はない。
スラム街の友人が薬屋でこっそり盗み見たという製造方法を真似てやるだけ。
成功するかはわからない。
「……こうかな」
出来上がる頃には、もう日が暮れていた。
熱中しすぎて、ご飯も食べていない。
何人かが訪ねてきたけれど、全員入ってこないように断った。
「エリィ!」
この声は、原田だ。
「原田?」
「!」
扉の外から息を呑む空気が伝わってきた。
ガラッと勢いよく扉が開けられる。
「エリィ、お前、今までずっと薬を……?」
「ああ。試行錯誤だった。量もあんまりよくわからないし、作り方もうろ覚えで何度も失敗してしまって。材料をたくさん用意してもらえてよかったよ」
「……寝てないのか」
「は?寝るわけないだろう。そんなに時間が経ったわけでもな───」
「1週間だぞ!」
「………は?」
原田の話によると、私はずっとここに籠もりきりで、入ってくるなの一点張り。
誰も中に入れず、食事にも手をつけていない状態で、1週間が過ぎていたらしい。
「すまない。どうも熱中すると時間を忘れてしまうようだな、私は」
「……はあ、本当に心配したんだからな。無茶な戦い方をやめるように言った次はこれかって土方さんも呆れてたぞ」
「そうか。それは悪いことをしたな。……私が1週間籠っていた間に、何かあったか?」
「ああ……」
伊藤甲子太郎。
山南が左腕を怪我してしまったこともあって、幹部が1人増えたらしい。
藤堂が連れてきたんだとか。
でも、そいつには羅刹の存在を教えていない。だから私のいる小屋には来なかったようだ。
「それでさっき……、その、山南さんが変若水を」
「はあ!?なんで!」
どうやら、そいつの影響で精神的に刀を握れないことに耐えられなくなったようだった。
そして、千鶴の血を少し飲んで落ち着いたと。
「ああ、そうか。あの味を知ってしまったか……」
「あの味?」
「そう、千鶴の、鬼の血の味。私も前に一度飲ませてもらったんだけど、もちろん合意でね。そしたらもう、吸血衝動なんてすぐ収まった」
「!」
「まあだからこそ、風間の血を拝借したんだけどな」
「それで、あの時の瓶か!」
「その通り。謹慎で部屋に連行されてから、見張り役を通じて血を羅刹に与えてみたところ、小屋にいる羅刹達も少し容態が落ち着いたらしい」
「そんなことがあったのか」
「まあ、この鎮静剤が効いてくれれば、千鶴の血も必要なくなるけどな」
質はあの血には劣るが、まあそこは理性でカバーして欲しいところだ。
「早速試しに行くよ」
「ああ」