序章:世界からの脱却
夢小説設定
この小説の夢小説設定日本人とイギリス人のハーフ、という設定ですので、ミドルネーム(名字(日)の部分)が存在します。
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両親が死んでから、
ずっと、終わりの時を待っている。
1日、また1日と、
自分の身体が弱っていく感覚。
もうどれほど血を飲んでいないかわからない。
項垂れる私の目の前で、
次々と倒れていく同胞達。
このまま血を吸わなければどうなるのか。
両親の最期を見た私は知っている。
人と吸血鬼は異なる種族だ。
しかし、最後は。
火葬される人間と、灰になる吸血鬼。
私は、私達はどこで生き方を間違えたのか。
どうして、こんな目に合わなければならないのか。
問うても問うても答えは出ず、
私は深い眠りに落ちそうになる。
────。
─────瞬間。
一筋の眩い光。
温かいような、冷たいような、曖昧な温度。
───汝は、神によって選ばれし者。
声が響き、あたりの景色が一変する。
───我ら神の気まぐれに、汝の運命を委ねるか?
神の気まぐれ。
この世界で、貧困層が唯一の希望として信じる言い伝え。
───汝、答えを述べよ。
これは夢なのか?
そんなことはもはやどちらでもいい。
私は、こんな理不尽な世界から脱却したい。
私を、別の世界へ連れて行ってほしい。
異なる地で、私は。
───その願い、しかと聞き届けた。
その声を聞き、私は眠りに落ちた。