第2章
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
イッキ先輩から聞いた話は、トーマ君から聞いた話とほとんど同じで、聞く限り、悩みは「彼女が3ヶ月経つと曖昧な理由で別れていくこと」だろう。
要は、嫌いになったとか、ここが嫌だったとか、そういった明確な理由もなく、ただ別れを告げられることに疑問を感じている状態。
中には嫌がらせを受けているから別れたいと言ってきた子もいたようだが、大半は突然別れを切り出されたり、どうかすると、告白の際に「3ヶ月でいいから付き合ってほしい」と言ってくる人もいるらしい。
そういうこともあって、最近では大学で「3ヶ月経ったら捨てられる」などと根も葉もない噂が立っているとか。
「そんな……イッキ先輩は何も悪くないのに」
「いや、たぶん何か悪かったんだと思う。僕としては、そういうの言ってほしいなって思っちゃうんだよね」
「そう、ですね。何も言わずに離れていかれるのは、辛いですね」
少し考える。
告白してきた彼女達の目的は一体何なのか。
少しでもいいからイッキ先輩と付き合うという夢を見たかった?
でもそれなら、1ヶ月とかでも良さそうだし、全員が偶然3ヶ月で離れていくことの説明ができない。
嫌がらせをしているのは間違いなくFCだが、嫌がらせを受けた子と受けなかった子の差は?
嫌がらせを受けた子が本気でイッキ先輩とお付き合いしたいと思っていた子の可能性は捨てきれない。
では、曖昧な理由で別れているのは、FCの子達なのか?
「なんか、君って不思議だね」
「え?」
「女の子相手にこんなに弱音吐いたの、初めてかも」
イッキ先輩が、初めて頼った女の子が、私?
ああ、ダメだ。頬が緩む。
というか、顔が全体的に緩む。
「す、すみません。たぶん今、だらしない顔をしていますよね。すみません、すぐ戻します。少し、嬉しくなってしまって、」
あーーーーーと言いながら顔を覆い、深呼吸する。
イッキ先輩は面白そうに私を見ていて、暗かった表情も、多少は戻ったように感じた。
「ふう……。イッキ先輩、私相手だからいいですけれど、先輩は綺麗な顔をなさっているのですし、そういった発言は相手に期待させてしまいますよ」
「期待してもいいよ、って言ったら?」
「えっ」
予想外の展開だった。
イッキ先輩が、こんな返しをしてくるなんて。
「ええと、その……どうしましょう?」
返答に困って質問で返すと、イッキ先輩はふふっと笑った。
「ねえマコちゃん、僕と付き合わない?」
「……はい?」