第5章
夢小説設定
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「ん……」
目を開けると、そこは見知らぬ部屋だった。
ここ、どこだろう。
「あ、起きた?」
声が聞こえて振り返ると、イッキ先輩がいた。
「!?」
そうだ。ここ、イッキ先輩の家だ。
でも、私はなんでベッドに……?
とりあえず素早くベッドから降りる。
「びっくりしたよ、キスしたら気を失っちゃうんだもん」
「……キス…………」
ぼんやりと記憶が戻ってくる。
そう、そうだ。私はイッキ先輩にき、キス、されて……。
「もしかして忘れちゃった?もう一回しようか」
「えっ!?い、いえっ、あの、だ、大丈夫です!覚えてます!」
顔を近づけてきたイッキ先輩から、反射的に距離をとる。
「そんな反応されると悲しいなあ」
「す、すみません……」
少しの沈黙。
イッキ先輩の誤解も解けて、頭が追いつかないけれどイッキ先輩が私を、恋愛的な意味で、好き、ということも知れた。
何だか少し、まだ気まずい。
「あ、」
「うん?」
「私、イッキ先輩にもう1つお伝えすることがありました」
「なに?」
「あの、過呼吸になったことなんですけど」
「うん」
「私、元々精神的にあんまり強くなくて、思い詰めたりとか、情緒が不安定になった時、過呼吸になってしまうことがあって……」
「あー……」
イッキ先輩は何かを思い出したように聞いていたけれど、私はそのまま話を続けた。
「それで、その、今後また同じようにご迷惑をおかけしてしまうかもしれませんので、あらかじめお伝えしておかないと、と……」
「ありがとう、話してくれて。今度からは対処法を調べておくね」
「い、いえ、そこまでしていただかなくても大丈夫です。私が倒れてしまった時は、お父様に連絡を───あっ」
「マコちゃん?」
そういえば、お父様はイッキ先輩を家に連れてくるように言っていたっけ。
いつにしよう……。
別に結婚するわけではないから、かしこまるようなこともないし、イッキ先輩が気軽に来れるような時がいいな。
それから、あまり早い時間に行くと長話をすることになるから、遅めの時間に行って早く先輩が帰れるようにしたい。
「どうしたの?」
「!すみません、少し考え事を。それで、ええと、そうです、私が過呼吸になってしまった時は、私の携帯を使ってお父様に連絡を取っていただければ、あとは何とかしてくださいますので」
「君の、お父さん?」
「はい。まだお会いになられたことはありませんよね?ええと、」
時間を確認する。
この時間なら、そんなに長話にはならないだろう。
うちへ来た帰りはサカキに送らせればいい。
イッキ先輩さえよければ、今がベストかもしれない。
「よければ、これからうちへいらっしゃいませんか?父がイッキ先輩とお会いしたいと言っていたので、イッキ先輩さえよろしければ」
「えっ、それってプロポ───」
「違います!本当に、ただ父がイッキ先輩にご挨拶したいと言っていただけで、深い意味はありませんから。手土産とかも必要ありませんし、気軽にいらしてください」
「そう……?でも今から行ったらご迷惑じゃない?」
「大丈夫です。時間を間違えると、かなり長く話し込まれてしまうので、これくらいの時間の方がちょうどいいかと」
「マコちゃんが言うなら、お言葉に甘えて、ご挨拶させていただこうかな」
「ありがとうございます。では、運転手に迎えに来させますので」
「……運転手?」
イッキ先輩は首を傾げていたけれど、私は急いでサカキに連絡を取った。