第5章
夢小説設定
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翌日、無事退院した私は、すぐに冥土の羊に向かった。
たしか今日は、私もイッキ先輩もシフトが入っていたはず。
私は店長から「ゆっくり休むように」と休みをもらったけど、イッキ先輩はいるはずだ。
そもそももう休息は必要ないのだから、今日からでも働ける。というか出勤しないとイッキ先輩に会うきっかけがない。
家の前で待っていようかとも思ったけど、何だか必死すぎて後ろめたいことがあるみたいだ。
イッキ先輩に対して後ろめたいことなんてひとつもない。
それを理解してもらわないと。
「おはようございます!」
勢いよく事務所の扉を開けると、トーマとケントさんが振り向いてギョッとする。
「マコ!?もう体調はいいのか?」
「君は今日休みのはずではなかったか?」
「もう体調に問題はありませんので、昨晩のうちに店長に連絡を入れて、出勤の許可をいただきました」
「イッキさんからお前が倒れたって聞いて驚いたよ」
「ああ。当のイッキュウは動揺して仕事にならなかったしな」
「そうなのですか…?あの、ところでイッキ先輩は……」
目が覚めてすぐ連絡入れた。
昼休憩の時に携帯を開けば、私からの連絡が見れたはず……。
メール、届いていなかったのかな。
「ああ、イッキュウなら、先日のミス連発から、店長が急遽休みを出している」
「えっ」
じゃあ、今日イッキ先輩はお休み……?
どうしよう、じゃあもう会う機会が……。
「おや、マコさん?」
「店長!ご心配をおかけしてしまい、」
「いえいえ、いいんですよ。メール見てませんか?」
「え?」
「やはりお休みになってくださいとお送りしたのですが」
「す、すみません、慌てて来てしまって」
急いでメールを確認すると、確かに店長からメールが来ていた。
「イッキくんのところに行くのでしょう?」
「えっ?いや、でも……その、お約束したわけでもありませんし、突然会いに行ってはご迷惑に、」
「恋人なんだから、会いに行く理由はそれで十分だろ」
「そ、そう?」
「わざわざ偶然を装わなくても、恋人なんだから、マコの会いたい時に会いに行ったらいいよ」
「トーマくん……」
「そも恋人とはそのような間柄のことを言うのではないか?」
「ケントさん……」
「行ってらっしゃい」
「……」
店長にも後押しされ、私は覚悟を決めた。
「はい!いってきます!」
恋人といっても、このままずっとイッキ先輩と一緒にいるつもりはなかった。
私よりも素敵な方と出会って、幸せになってほしかったから。
だから、どこまでイッキ先輩に踏み込んでいいのかわからなくて。
でも私なりにイッキ先輩を救いたくて。
FCのことで頭がいっぱいだった。
そろそろ嫌がらせの証拠も集まるし、今度はイッキ先輩に目を向けないと。
私は急いでサカキに車を回してもらい、イッキ先輩の家に向かった。