第4章
夢小説設定
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翌日。
この日はトーマ君とカナさんもシフトで入っていた。
「なんか久しぶりだな、マコ」
「そうね。あまりシフトが被らなかったものね」
「もうひと月くらい経つかな。どう?もう大丈夫か?」
「ええ、ありがとう。料理をするのも、それなりに慣れてきたし、当初よりミスも減ったと思うわ」
「そりゃあよかった」
私がトーマ君と話していると、カナさんがチラチラとこちらを気にする様子で見ていた。
彼女の気持ちを察した私は、彼女にも声をかける。
「カナさん」
「は、はい!」
突然呼ばれ、カナさんは少し戸惑いがちに寄ってくる。
「何でしょうか……」
見ていたことがバレたと思い、少し怯えた様子だ。
「2人にね、報告があるの」
「報告?」
「そう。私、イッキ先輩と付き合ってるの」
「えっ、そうだったんですか!」
「ああ、イッキさんから聞いたよ。カナにも言わなかったか?」
「き、聞いてない……」
トーマ君はイッキ先輩と仲が良いみたいだし、知っているだろうとは思っていた。
カナさんは、知らなかったみたいだけれど。
「そういうことだから」
「!」
「?」
そう言ってカナさんに微笑むと、顔を赤らめてパタパタと手で仰ぎ始める。
その横でトーマ君は首を傾げていた。
「何の話?」
「イッキ先輩!」
「イッキさんとマコが付き合ってるって話ですよ」
「トーマ君にはイッキ先輩から伝わっていると思ったのですけれど、私からも伝えたくて」
「そう」
イッキ先輩は少し複雑そうな顔をしていたけれど、直ぐにいつも通りに戻って、業務にも特に支障はなかった。
その日は一度もホールに出なかったので、FCからの被害もなく、私も穏やかな一日を終えた。
その帰り、いつものように先にイッキ先輩が退室し、私も待ち合わせの場所に向かおうとした時。
「マコ、ちょっといいか?」
声をかけてきたのはトーマ君だった。
カナさんは先に帰ったらしく、周りに人がいないか警戒しながら、小声で話すトーマ君。
「この後、予定は?」
「イッキ先輩と帰るわ」
「……そうか。じゃあ今度予定が空いてる時、少し話せる?」
「時間がかかる、真面目な話?」
「ああ」
「……」
少し考えてから、「少し待っていて」と声をかけ、私はイッキ先輩に電話をかけた。
呼び出し音がしばらく続き、留守番電話サービスに繋がる。
「すみません、イッキ先輩。所用ができましたので、本日は一緒に帰ることができなくなりました。埋め合わせは必ずします。また明日、お会いしましょう。おやすみなさい」
そう言って電話を切ると、トーマ君が目を見開いていた。
「いいの?」
「ええ。真面目で時間のかかる話、とても大切な話なのでしょう?それなら、早く話ができた方がいいもの。行きましょう。どこかお店へ入ろうか?」
「……ああ」
そうして私達は帰り道の途中にある、人気のないカフェに入った。