第4章
夢小説設定
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薄暗い帰り道。
私はあえて人通りの少ない道を通って帰る。
FCが仕掛けてくるなら今。
イッキ先輩と別れて、1人になった時間だ。
「……」
とはいえ、私には付き人がいる。
だから、今聞こえていていい足音は二つ。
しかし。
「……」
明らかに一つ多い。
家までまだ距離がある。
もし私を尾けてきているなら、家には帰らない方がいいな。
「……」
私は付き人に合図を送り、次の角を曲がった。
「おい、」
尾いてきていた相手が私に追いつき、肩に手を置く。
「何か?」
振り返ると、ひどく酔った様子の中年の男性。
「俺と一緒に飲もうぜ〜」
「……」
FCとは関係ない……?
「いえ、ご遠慮させていただきますわ」
「そう言わずによォ〜」
そう言って腕を掴まれそうになった時、付き人のサカキが男性の腕を掴んだ。
「失礼、私の連れに何か?」
「あ?何だよ連れがいんのかよ」
おじさんはサカキの手を振り払うと、そのままどこかへ行ってしまった。
「ありがとう、サカキ。助かったわ」
「とんでもございません。お嬢様、お怪我は?」
「大丈夫よ。……ねえ、あのおじ様、どう思う?」
「おそらく、FCとは何の関わりもないでしょう。念の為身元確認をしておかれますか?」
「ええ、そうね。お願いするわ」
「……それにしても、このような危険な作戦はやはり私は反対です」
「けれど、これが一番確実だし、警察に突き出す証拠もできるでしょう?サカキ、あなたがいるからこの作戦が実行できるのよ」
「私をそのように信用していただけるのは光栄ですが……。何かあってからでは遅いですから」
「……あなたがいない時は気をつけるわ。それで許してちょうだい」
「……差し出がましいことを申しました。申し訳ありません」
「いいえ。私のことを心配してくれてありがとう。これからもよろしく頼むわね」
「はい」
もし、この現場をFCに見られていたとしたら。
もうサカキがいても、囮作戦は使えないだろう。
あちらが仕掛けてくるとしたら、私が『本当に』1人になった時。
サカキが私の傍を離れ、かつ誰にも引き継ぎをせず、私の付き人が誰もいない、というのは奇跡のようにありえないことだ。
……これは、フラグかもしれないけれど。
結局その後は何事もなく、私達は家にたどり着いた。
サカキは周囲を警戒していたけれど、誰かに尾けられているということもなかった。