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継ぐ者

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審神者の真名(名字)
審神者の真名(名前)
審神者の仮名
使用人の名前

刀剣男士の本分は、歴史修正主義者を倒すこと。
改変されそうな歴史の時間軸に向かい、敵を倒す。
終わりの見えない戦争に身を置くことこそ、彼らの本分。
審神者になった以上、私もその采配を執り行う必要がある。

「まずは刀剣男士のレベルを把握して、部隊を編成してみてください!」

こんのすけのチュートリアルに従って、ひとまず刀剣男士の一覧を見てみる。
過去にあの人が組んでいた編成も含め、今のレベルを考慮して……。

「……こうするか」
「決まった?」

私が編成を決め終えると、近侍を務めている加州が部屋を覗きにくる。
編成を決めたら、近侍から皆に発表するのがこの本丸のルールのようだ。

「うん。これでお願い」
「りょーかい」

加州について、一緒に広場へ行く。
そこには、この本丸の全刀剣男士が集まっていた。

「はい、注もーく!」

ざわざわしていた男士たちが一気に静かになる。

「今日の編成を発表します。じゃあまずは遠征組から、まず───」

加州が一振りずつ読み上げていくと、呼ばれた男士が集団から外れ、旗印の前に並んでいく。
1〜4までの数字が書かれた旗の前に並んでいき、順番に出発していくシステムらしい。

「以上!」

名前を呼ばれなかった男士は少し残念そうな顔をしながらも、また畑当番や馬当番など、振られている自らの役割に戻っていく。
中には、部隊を門まで見送る者もいた。

「俺も今日は留守番か〜」

読み終えた加州も、少し口を尖らせている。

「私はまだ色々と慣れていないから、加州がいてくれた方が心強いんだよ。……だって、あの人の初めての刀でしょ?」

あの人が話していた。
審神者になって初めての刀は、可愛くて、愛されたがりで、いつも不安そうで。
でも、そういうところも全て愛しいのだと。
爪紅を塗ってあげたこともあると言っていた。

「……知ってたんだ。ま、そういうことなら俺に任せてよ。何かわからないこととかあったら、いつでも俺を頼って」

あの人が私に何も話していないと思っていたのか、加州は少し意外そうにしていた。

「ありがとう。お言葉に甘えるね」

実際、この本丸の話はそれくらいしか聞いたことはない。
あの人も、そんなに審神者業について多くを語る人ではなかったから。

「出陣中の刀剣男士の様子はこちらから確認できます!状況によっては審神者様に撤退のご判断もしていただきますので、彼らが戻ってくるまではなるべく目を離さないようお願いいたします」
「わかった」

私にはステータス情報としてしか見えていないけれど、この先で彼らは敵と命をかけて戦っている。
なんというか、感覚が狂いそうな気がした。

「じゃ、俺は内番の奴らの様子でも見てくるから、何かあったら呼んで」
「うん、ありがとう加州」

加州はひらひらと手を振って審神者部屋を出ていく。

「刀装も付けたし、お守りも持たせてあるし、大丈夫だとは思うけどな……」

私の心配とは裏腹に、結局出陣は何事もなく終わった。
刀装を剥がされてしまった子もいるが、一番削られた子でも軽傷だ。

「ただいまー!」

大きい声が本丸に響く。
出陣させていた部隊が帰ってきたのだ。
私は急いで審神者部屋から玄関へ向かい、部隊を迎え入れる。

「……おかえり」
「あれ、さなさま、なんだかうかないかおですね」
さな、俺たちは無事だ。そんな顔はしないでほしい」
「画面を見ていたなら、無事だとわかるはずだがなあ」

今剣、蜂須賀、鶴丸。

「みんな無事だぜ、さな
「あんたが大層な装備をつけてくれたからな!」
「おやおや、泣いているのかい?」

薬研、和泉守、にっかり。
六振り全員の無事を視認して初めて、やっと肩の荷が下りた気がした。

「無事じゃ、ないじゃん。薬研怪我してるでしょ。早く手入れしないと」
「大した怪我じゃない。気にすんな」
「気にするって!ほら、早く。他のみんなもゆっくり休んでね。無事に帰ってきてくれてありがとう」

私は薬研とこんのすけを連れて手入れ部屋へ急ぐ。
こんのすけにやり方を聞きながら手入れし、手伝い札を使って式神たちにも手伝ってもらった。

「本当に大した怪我じゃなかったんだが、手伝い札まで使ってもらっちまって、悪いな」
「悪いのは私だよ。もっとレベル差を考えないと……」
「まあまあ。俺たちは戦ってなんぼの刀剣男士だ。怪我は付き物だからよ」

こりゃあ俺っち以外も怪我しちまってたら大変だったなあ、と薬研は軽く笑ってみせる。
彼らは刀剣男士で、付喪神で、歴史を守るために戦ってもらう必要があって。
戦う以上怪我は避けて通れない。それはよくわかる。
ただ、自分の采配でこうして怪我をしたり、実際に血を流しているところを見てしまうと、どうしても心が痛む。

「お、手入れは終わったかい?」
「鶴丸……」
「なあに、あんたが絶対そんな顔してると思ってな」
「え?」
「主も、初めて出陣先で俺たちが怪我した時、そんな顔してたよ」

加州も鶴丸の後ろから顔を覗かせる。

「あの人も……」
「ま、最初は誰でもそんなもんだ。初めから完璧な采配をされちゃあ、他の審神者たちも立つ瀬がないだろ」

鶴丸は私の背をポンポンと軽く叩く。

「軽傷で済んだんだ。大したもんだよ」

私の頭をわしゃっと撫で、どこかへ行ってしまった。

「鶴丸の言う通りだ。ほら、見てみろ。手入れすれば治る程度の傷だ。安心しな」
「薬研もこう言ってるし、ね?」
「……うん、ありがとう。弱気になってごめん」

いいってことよ、と二振りはにかっと笑う。
そうは言ったものの、結局その日、私は遠征組も含め全員が無事に戻ってきたことを確認するまで、眠りにつくことはできなかった。
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