第一章:ノルンでの日々
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ノルンの施設は、生活するには十分なものだ。
ただ、唯一の弱点が、船内の設備のみでは食事を賄えないところだった。
「……すごいな」
こはると共に船内を案内され、その弱点が克服されたことを知る。
結賀駆の能力によって、そこには畑があった。
「畑の世話も交代でしてるんだ」
「料理にはここの野菜を使うのか?」
「そうだな、賄える分はここのを使ってるよ」
これだけ立派な畑があれば、飢えに苦しんで死ぬことはないだろう。
地上へ降りて供給ができなくても、まあ何とかなる。
能力者達が乗り込んだことによって、ノルンは弱点や欠損を補われ、完璧な形になろうとしていた。
老朽化によって弱まってきていた結界も、久我深琴が補ってくれたようだ。
「久我への負担が相当大きいだろ、これは」
「……ああ。本人は平気そうにしているが、かなり負担はかかっていると思う」
現状のノルンは、久我の能力によって守られていると言ってもいい。
それほどまでに老朽化は進み、島の科学者達だけでは直すことはできなかった。
つまり、久我に何かあれば、ノルンはほぼ剥き出しのような状態になってしまう。
そんな時に襲撃でもされれば、一溜りもない。
ノルンは結界を使用している分、中の防御は弱い。
結界によって守られているから大丈夫という傲慢さは、カバーしきれない弱点だ。
「そういえば、空汰は?」
「ああ、空汰ならヒヨコさんの部屋で暮らすことにしたみたいだ」
ヒヨコ。
例のお世話ロボットか。
あれには基久の盗聴器が仕掛けられてるが、身の安全は確保されやすいだろう。
『世界』としても、島の科学者達にとっても、鈴原空汰は死なせたくない存在だろうから。
「次はこっちだ」
ひとまず一通り正宗に案内してもらう。
そして最後には、現在の役割分担の話になる。
「今、3つのグループに別れてる。俺、駆、千里のグループと、深琴、朔也、一月のグループ、それから七海、暁人、平士、ロンのグループだ」
「人数的には正宗のところと、深琴のところが少ないんだな。じゃあ私とこはるで別れるか」
「そうですね」
今後を考えると、私は正宗とは別れて行動したい。
久我のグループに入れば、久我の傍にも居やすいし。
「じゃあ、私が久我のところに入ってもいいか?」
「わかりました。それでは、私は正宗さんのグループですね!」
「よろしくな、久我、二条、加賀見」
「ええ、よろしく、#名前#」
「よろしくね、#名前#さん」
「よろしく、#名前#ちゃん」
アイオンと関わりのある宿吏、何を考えているか読みづらい室星のいる不知火のグループとは、どうしても疎遠になってしまうのが痛い。
こんな時、分身できたり、もう1人くらい協力者がいればいいのにと思ってしまう。
「じゃあ、今日はうちのグループは掃除当番だから。行きましょう」
「ああ」
不知火のグループを少し気にしつつ、私は久我について行った。