最終章:『世界』
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
次の日の朝、朝食を摂り終えると、船が着陸した。
島に着いたようだ。
皆で顔を見合わせ、1人ずつ降りていく。
森の中を、木をかき分けて進み、中心部、アイオンのところにたどり着く。
皆、初めは驚いていたが、アイオンの話に耳を傾けるうちに、次第に事の大きさに気づいていった。
「じゃあ、私達が旅をしていたのって……」
「『リセット』を行うかどうかの決断をするため、ということだね」
アイオンが皆に話しているうちに、私は久しぶりにメンテナンスをした。
わたしがいない間、アイオンは数名だけ中に入ることを許したらしい。
少し、整備をした跡があった。
久しぶりに見たアイオンは、かなり弱りきっていた。
内部が老朽化し、今動いているのが奇跡のようだ。
「!」
アイオンの説明が終わりかけた時、遠くで爆発音がする。
それと同時に、アイオンの張る結界にダメージが加わった衝撃で、アイオンは停止した。
「アイオン!?」
姿を保てなくなり、完全に機能が停止している。
島の結界も解かれ、今ここは完全に無防備だ。
「アイオン!アイオン!?」
「どうした!?」
「正宗……!アイオンが、停止してる!!」
「そんな……!!」
そこへ、夏彦と室星が駆け込んでくる。
「おい、どういうことだ。何故島の結界が解かれている、アイオン!」
「……夏彦……」
「アリサ……?」
「アイオンは、停止した」
「なんだと……!」
夏彦は瞬時に状況を理解する。
「この攻撃、あなた達の仕業なの!?」
「違う。結賀史狼の軍だ。それも、本隊が来ている。ロン、行くぞ」
「はーい」
夏彦達が出ていこうとすると、不知火もそこに続く。
「千里、手貸せ」
「ひっ、ぼ、僕は戦うなんてできませんよ……!?」
「ああ!?誰もてめぇに戦えなんて言ってねえよ!手を貸せって言ってんだ、右手!」
「は、はいっ……」
すると、宿吏は市ノ瀬から能力の譲渡を行う。
力を失った市ノ瀬は倒れ、宿吏は優しく支えると、二条に託した。
「おい、女」
こはるはビクッと体を震わせる。
「……はい。私も行きます!」
こはるの目には、強い意志が宿っていた。
「……私も行く」
「東条!?」
「本隊が来てるなら、迎撃できる人数は多い方がいいだろ。正宗は科学者達に知らせろ」
「ああ、わかった!」
「お前、病み上がりだろ!?大人しく待ってろよ!」
「嫌に決まってんだろ!銃も持ってるし、私は大丈夫だ」
そう言いつつ、この銃は室星か夏彦が弾切れを起こした時に渡す用だ。
私程度の腕では、他の奴らに当たりかねない。
「ほら行くぞ!」
宿吏は、後ろを着いてきた不知火にも同じリアクションをしながらも、前を向いて走った。