第二章:変わりゆく関係
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部屋に戻る途中、1人で歩く空汰を見かけた。
「空汰!」
「あ、東条さん」
「アリサでいい。それより、あまり1人で出歩くのは感心しないぞ」
「大丈夫だよ、部屋に戻るだけだし、ヒヨコさんもいるし」
「このヒヨコには悪いが、大して頼りにならないぞこいつは」
そう言うと、ヒヨコがピピーッ!!と抗議の声を上げる。
「頼むから、部屋から出る時は、誰かと一緒にいてくれ……」
肩を掴み、乞う。
空汰は私の想いを察したのか、わかった、とだけ言ってくれた。
「なるべく部屋の様子を見に行くようにするから」
「どうして僕にそこまでするの?僕と会ったのつい昨日だよね?」
「……そうだな、空汰は未来から来ただろ?本来なら、こんなことに巻き込まれるはずじゃなかった。だから、無事に『世界』に届けてやりたい」
「……ふーん」
空汰は聡い子だから、たぶん信じてはいない。
だが、私が空汰を気にかけることは、許してもらえたようだ。
「じゃあ、部屋まで送らせてくれるか?」
「……いいよ」
そうしてまた手を繋ぎ、空汰の部屋に行こうとした時だった。
「おい、東条!」
「?ああ、宿吏」
「ペアで行動しろっつってんのに、勝手にウロウロするなよ」
「悪い。これから空汰を部屋まで届けるから、一緒に行こう」
「反省してねえな……?」
と、言いながらも宿吏はついてきてくれる。
船内を探し回ったのか、宿吏は少し汗をかいていた。
「汗かいてんな、空汰を届けてからもう一度風呂に行くか?」
「あー、そうだな」
「私も後で行く。バタバタしてて入れてなかったしな。空汰は?もう風呂入ったか?」
「とっくに入ったよ」
「そうか」
それからしばらくして、空汰が部屋として使っているヒヨコの部屋に着いた。
「じゃあ、またな、空汰」
「うん、おやすみなさい」
「ああ、おやすみ。良い夢を」
空汰の頭を撫で、見送る。
扉が完全に閉まるのを見届けてから、私は宿吏と風呂に向かった。
「お前、あいつと何かあるのか?」
「何かって?」
「よく気にかけてるだろ」
「ああ。……大切な奴が、大事にしてる子だから」
「?」
「何でもない。じゃあ、風呂上がったらそこのベンチに集合な」
「……ああ」