GX 短編
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「えっ、今日万丈目の誕生日なの?」
危うく落としかけたドローパンを根性でキャッチし、安堵した[#dn=1#]は隣で今日も黄金のタマゴパンを引き当てた十代に問いかける。
「あぁ、みたいだぜ。[#dn=1#]、知らなかったのか?」
「全然」
「そっか、まぁ俺もさっき翔に聞いたんだけどな!」
では翔くんは誰から聞いたのだろう。
そんな疑問を胸に秘めながら[#dn=1#]はドローパンを齧る。
8月1日。それはどうやら万丈目準の生まれた日であるようだ。
知ってしまったからには祝おうと思いはするが、何をプレゼントすれば万丈目は喜ぶのだろうか。
明日香関連であれば大概喜ぶとは思うが、そんなことに彼女を巻き込むのは申し訳ないし、おそらく律儀な彼女は自分でも用意しているに違いない。この考えはボツだな、と結論付けて最後の一欠片を飲み込んだ。
「十代は何かあげるの?」
「俺か?そうだなぁ…やっぱりデュエルじゃねぇか?!」
「それは十代がやりたいだけでしょ…」
とはいえ彼の考えも外れではない。
万丈目にとって十代と戦う機会というのは願ってもないものだろう。デュエル大好きな十代らしいプレゼントであると同時に彼の欲求を満たせる良いプレゼントである。
おそらく十代自身は自分がデュエルすることしか考えていないと思うが。
「私は、どうしようかなぁ…」
「別に何でもいいんじゃないか?万丈目なら受け取ってくれるさ!」
「んー…そうかなぁ」
結局考えてみてもその場で万丈目の誕生日案は浮かんでこず、[#dn=1#]はなんとも言えない気持ちのまま授業に向かうこととなった。
「……結局、これかなぁ」
風の噂で万丈目と十代がデュエルをしていると聞こえてきた頃、1人オシリスレッド寮に帰ってきた[#dn=1#]は食堂に顔を出した。
「トメさーん、今日の夕ご飯何?」
「今日?今日はハンバーグよ」
「……実はお願いがあるんだけれども」
厨房で食事の支度をしていたトメさんに声をかける。[#dn=1#]の密かな声を聞き取り、ついでに彼女の目的に気付いたトメさんはにんまりと笑うと、何も言わずに厨房のスペースを開けた。
「ありがとう、トメさん」
「いいんだよ。好きな男のために厨房に立つなんて[#dn=2#]ちゃんも乙女ねぇ」
「うぇあ?!いや、そういうわけじゃ…っ」
かくしてその夜。十代とのデュエルに敗北して機嫌が悪い万丈目の夕食に1人だけエビフライとカップケーキが追加されており、彼の機嫌は直ることとなる。
その様子を見ることなく自室に帰った[#dn=1#]はどこか満足した笑みを浮かべながら自室に戻った。久々に厨房に立ったために途中から楽しくなってしまい、本来エビフライだけの予定がカップケーキまで作ってしまった。
そのせいかやけに疲れたと瞼を擦り辿り着いた自室の扉を開けるとそのままベッドに倒れ込む。
「おたんじょうびおめでと、万丈目…」
意識を手放す前にこれだけ言っておこうと呟いた言葉にまた微笑むと、今度こそ睡魔に身を任せた。
その次の日、目を開けると目の前に万丈目の端正な顔があり驚いて仰け反って頭を壁にぶつけた[#dn=1#]は自分が部屋を間違えたことに気付くのだが、それはまた別のお話で。
危うく落としかけたドローパンを根性でキャッチし、安堵した[#dn=1#]は隣で今日も黄金のタマゴパンを引き当てた十代に問いかける。
「あぁ、みたいだぜ。[#dn=1#]、知らなかったのか?」
「全然」
「そっか、まぁ俺もさっき翔に聞いたんだけどな!」
では翔くんは誰から聞いたのだろう。
そんな疑問を胸に秘めながら[#dn=1#]はドローパンを齧る。
8月1日。それはどうやら万丈目準の生まれた日であるようだ。
知ってしまったからには祝おうと思いはするが、何をプレゼントすれば万丈目は喜ぶのだろうか。
明日香関連であれば大概喜ぶとは思うが、そんなことに彼女を巻き込むのは申し訳ないし、おそらく律儀な彼女は自分でも用意しているに違いない。この考えはボツだな、と結論付けて最後の一欠片を飲み込んだ。
「十代は何かあげるの?」
「俺か?そうだなぁ…やっぱりデュエルじゃねぇか?!」
「それは十代がやりたいだけでしょ…」
とはいえ彼の考えも外れではない。
万丈目にとって十代と戦う機会というのは願ってもないものだろう。デュエル大好きな十代らしいプレゼントであると同時に彼の欲求を満たせる良いプレゼントである。
おそらく十代自身は自分がデュエルすることしか考えていないと思うが。
「私は、どうしようかなぁ…」
「別に何でもいいんじゃないか?万丈目なら受け取ってくれるさ!」
「んー…そうかなぁ」
結局考えてみてもその場で万丈目の誕生日案は浮かんでこず、[#dn=1#]はなんとも言えない気持ちのまま授業に向かうこととなった。
「……結局、これかなぁ」
風の噂で万丈目と十代がデュエルをしていると聞こえてきた頃、1人オシリスレッド寮に帰ってきた[#dn=1#]は食堂に顔を出した。
「トメさーん、今日の夕ご飯何?」
「今日?今日はハンバーグよ」
「……実はお願いがあるんだけれども」
厨房で食事の支度をしていたトメさんに声をかける。[#dn=1#]の密かな声を聞き取り、ついでに彼女の目的に気付いたトメさんはにんまりと笑うと、何も言わずに厨房のスペースを開けた。
「ありがとう、トメさん」
「いいんだよ。好きな男のために厨房に立つなんて[#dn=2#]ちゃんも乙女ねぇ」
「うぇあ?!いや、そういうわけじゃ…っ」
かくしてその夜。十代とのデュエルに敗北して機嫌が悪い万丈目の夕食に1人だけエビフライとカップケーキが追加されており、彼の機嫌は直ることとなる。
その様子を見ることなく自室に帰った[#dn=1#]はどこか満足した笑みを浮かべながら自室に戻った。久々に厨房に立ったために途中から楽しくなってしまい、本来エビフライだけの予定がカップケーキまで作ってしまった。
そのせいかやけに疲れたと瞼を擦り辿り着いた自室の扉を開けるとそのままベッドに倒れ込む。
「おたんじょうびおめでと、万丈目…」
意識を手放す前にこれだけ言っておこうと呟いた言葉にまた微笑むと、今度こそ睡魔に身を任せた。
その次の日、目を開けると目の前に万丈目の端正な顔があり驚いて仰け反って頭を壁にぶつけた[#dn=1#]は自分が部屋を間違えたことに気付くのだが、それはまた別のお話で。
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