花ひとひら
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「うーん…風はこっちから吹いてるんだけど…」
草をかき分けながら桜は森の中を進んでいく。
上を見ても緑の葉が揺れているのみ。
「ううーん…やっぱりこの時期に桜は………あっ」
木々が途切れ、小さな小道に出た。
左から右へ、目の前を横に走っている。
「…どっちに行こう…」
右を見ても左を見ても、桜の気配はない。
--------迷ったらだめだから一旦戻ろうかな
踵を返し、また草を分けた。
「?」
ふいに背後に感じた気配に振り返る。
そこにはボサボサの髪の毛を一つに束ね、薄汚れた服を着ている一人の男の姿。
「へっ、こんな辺ぴな所に良い女がいやがった」
こういう男の類を一度遠くで見かけたことがあった。
--------野党…?!
殺しや盗みを平気でやってのける集団。
男はにやつきながら桜に近づいて来る。
「こ、来ないで…」
-------迂闊だった…!こんな所に野党がいるなんて…
桜は強張る体に逆らって、刀を抜こうとした刹那。
ゴンッという鈍い音と共に、頭部から全身へ激痛が走る。
吐き気を催しながら全身が崩れ落ちていく。
桜は視界の端で背後に忍び寄っていた別の男を捉えながら、意識を手放していった。
------ごめん、邪見…りんちゃん…
ごめんなさい…殺生丸さま……
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