花ひとひら
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「おい、起きろ、女ぁ」
---------------う…
どれほど経ったのかは分からないが、男の声に気がついた。
視界がぐらぐらと揺れ、胸にこみ上げる吐き気が気持ち悪い。
動けずにいた途端。
「起きろつってんだろうがぁ!」
「ぐっ………!?」
脇腹を蹴り上げられた。
跳ね上がった体が容赦無く地面に打ちつけられる。
経験した事のないような痛みに、混濁した意識が冴え渡っていった。
そして、男は髪の毛を掴み、桜の体を持ち上げる。
「親分が待ってんだ、お前はさっさと酌をしろ!」
「は、はい…」
冷静になり、落ち着いていくにつれて、恐怖も身に染みていく。
震える身体を抱きしめるように、男の指す方を見た。
5メートル程離れた大きな桜の木の下に人だかりが出来ている。
その中央に厳めしい顔の大男が座っていた。
恐らくそいつが頭首なのだろう。
「おら、さっさと行け!」
背中を強く押され転びそうになるのを堪えながら、よろよろと野党の群れへ向かった。
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