第十一章 覚悟
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殺生丸が阿吽を連れて帰ってきたのは、それから丸二日経った頃だった。
桜はすっかり回復し、小鈴は桜憐に呼ばれたとかで桜花の郷へ戻っていた。
「殺生丸さま、お帰りなさい!」
りんが無邪気に殺生丸に纏わり付く。
「こりゃ!りん!殺生丸さまはお疲れなのじゃぞ!!」
殺生丸が出かけて行ったすぐ後に白霊山の結界は解かれたようで、邪見もピンピンしている。
「邪見がうるさいよ~」
邪見をからかいつつ殺生丸を見上げた。
「おかえりなさい、殺生丸さま」
殺生丸は黙って三人を見渡す。
そして、凜とした声を響かせた。
「奈落は逃げた。…今からここを発つ」
「はい!!」
りんと邪見、桜は阿吽に乗り、一行は空へ舞う。
「桜ちゃん、あれ!!」
「わ…白霊山が無くなってる!」
霧の向こうに見えていた白霊山が跡形も無い。
「奈落が去って崩れたんじゃろう」
「奈落って本当にすごい力を持ってるんだねぇ」
白霊山の中での戦闘を思い返す。
平成の世界では考えられなかったような、まるで物語のような出来事だった。
---------現実……なんだよね。
胸の勾玉に手を当てる。
--------また奈落はこの勾玉を狙ってくるって小鈴が言ってた。
------でも私だって、次はもっと闘える──!
「桜ちゃん、まだ…その…」
りんが心配そうに桜の顔を伺った。
そんなりんを見て、桜 はにっこりと笑う。
「もう大丈夫!」
空には青が広がり、明るい光が輝いていた。
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