第十一章 覚悟
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霧を纏いながら二人の男が現れた。
一人は蛇骨。
桜を殺生丸と引き離した張本人。
そして、左手にりんを抱え、右手に長い鉤爪を付けている、もう一人の男は…
「あれは睡骨じゃ!」
邪見が言うには、桜が白霊山の中で闘っている間にもこの二人は殺生丸を襲ってきたらしい。
その戦闘のせいで、りんとはぐれてしまったのだとか。
殺生丸が抜刀すると同時に蛇骨が刀を振った。
その刀から何枚も連なった刃が飛び出し、蛇のようにうねりながら殺生丸を襲う。
殺生丸はそれを自らの刀で払う、が。
「あっ!!」
刀を握っている右手から血が僅かに吹き出した。
「この結界のせいじゃ……殺生丸さまの動きが鈍くなるのも仕方ない…」
そういう邪見も最早ぐったりと地面に寝そべっている。
--------殺生丸さま…
殺生丸は相変わらず表情は変えないものの、山から離れるよう蛇骨を誘導しながら闘っているように見える。
だが、りんを抱えた睡骨は山へと近付き、桜達のいる岩陰のすぐ側へとやって来た。
「おう、睡骨!山から離れるんじゃねえぞ!」
「言われなくても分かってる」
睡骨は蛇骨に返事をし、俺はこのガキ殺したくてウズウズしてるんだからよ、と言いながら右手の鉤爪をりんの首元に突き立てる。
----------こんなに近くにいるのに私はりんちゃんすら助けられないの…!?
桜が悔しさに歯を食いしばった直後、
蛇骨に向かいながら、殺生丸が自分の刀を別の方向へ投げた。
「!!」
その刀は睡骨の右胸へ刺さり、殺生丸自身は蛇骨の刀をかいくぐると彼の左胸を己が右手で突き刺す。
桜は息を飲み、身を乗り出した。
りんは睡骨の手から逃れると、殺生丸の方向へ駆け出す。
しかし、
睡骨が左手でりんを押さえつける。
「りんちゃんっ!!」
「あの男達…何故平気そうにしているのですか!?」
「七人隊は骨と墓土で出来た身体を四魂のかけらで動かしているんじゃ。
そのかけらを取らない限りは……」
蛇骨も表情は歪んでいるが、何か殺生丸に喋っている。
「蛇骨よ、もういいだろ。このガキ殺すぜ」
---------りんちゃん!!!
睡骨が鉤爪を振り上げる。
殺生丸は蛇骨から手を抜き、りんの方へ振り向く。
「ばーか、もう遅いっつーの!」
蛇骨の嘲る声が聞こえる。
---------駄目
------------りんちゃんを殺さないで
考えている時間は無かった。
「桜さま!!!」
「桜!!!!」
人の形をしていようとも、
大切な少女を殺そうとしている。
「やめて─────っ!!!」
振り返る睡骨の右腕目掛けて、
桜は闇桜を振り下ろした。
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