第九章 七人隊
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
りん達と別れて少し経つと、先の方に白い煙が上がっているのが見えてきた。
「殺生丸さま、あれ…!」
「毒だ」
殺生丸は速度を上げ、煙の出所へと向かう。
そして、地面に降り立ったその時。
「あそこ!」
桜は白煙に囲まれて、ぼんやりと見える小屋を指差し、悲鳴に近い声を上げた。
小屋の周りには人や家畜が倒れている。
-------------あれは…もしかして死んでる!?
ごくりと生唾を飲み込み、殺生丸を見上げた。
「七人隊の仕業だ。貴様は此処にいろ」
「はい…」
小屋へと駆ける殺生丸の後ろ姿を桜は見送る。
-----------ひどい…辺りが大変なことになっちゃってる…
関係ない人達だっているだろうに……
今まで平和な日常に暮らしていた桜は、初めて見る惨状に眉をしかめた。
なるべく空気を吸わないように、震える手で口で覆い、息を浅くする。
--------あっ
ふいに、小屋の中に見たことのある赤い着物を着た人が飛び込んで行った。
----------あれは、もしかして犬夜叉!?
ザァ…と音を立てて毒の煙が晴れていく。
桜は息を飲んだ。
そこには、少しの間のうちに壁と屋根が大きく破壊された小屋。
その中で殺生丸と犬夜叉が対峙しているのが見える。
そして、
「かごめちゃん達!」
毒にやられたのか、倒れ込んでいるかごめと弥勒、珊瑚達が小さく見えたのだ。
-----------かごめちゃん達も奈落を追って来てたんだ!
思わず駆け寄ろうとした刹那。
「おい、お前は何者だ?」
背後から首元に刀を突きつけられる。
「ひっ…」
ゆっくり首を回して振り返る。
視線の先には、派手な女物の着物を着崩し、かんざしで髪を纏め上げた人。
よく見ると口元には紅をさしていて、男か女か余計分からない。
その人はまるで桜を蔑むような視線で刃を向けていた。
-------------まさか、この人も……
「七人隊…?」
「ああ?そうさ、俺は七人隊の一人、蛇骨だ。
てめえはあのすかした奴の連れかって聞いてんだよ」
蛇骨は顎で殺生丸の方を指す。
桜は首元の刀に恐怖を覚えながら、頷くのが精一杯だった。
--------------殺生丸さま…
「あいつも犬夜叉の仲間か?」
「い、犬夜叉のお兄さん…」
「ふーん、あいつがねぇ」
蛇骨は刀を下ろすことなく、じろじろと殺生丸の方を見つめる。
「ということは、お前が話に聞いてた、弱点の連れの女だな」
「!」
----------まずい、この人私を人質にするつもりだ…
桜はぎゅ、と唇を噛んだ。
蛇骨は睨みを利かせながら、刃をより桜の方へ近づける。
「おい、無駄な抵抗はすんなよ?
俺は女には容赦しねえからな」
--------------私は結界がある限り殺される事はない、はず、だけど…
この人に逆らえる自信なんてないよ………
「着いてきな」
-------------殺生丸さま…
小屋の方を見るも、殺生丸が気付く気配はない。
「おい、切り刻まれてーのか」
「やっ…行きます…」
恐怖に震えながら、桜は体を蛇骨の方へ向ける。
--------------きっと殺生丸さまは鼻が良いから、見つけてくれる…
大丈夫……
そう自分に言い聞かせながら、桜は蛇骨と共にその場を離れた。
.