第一章 出会い
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ビクッと体が跳ね、後ろを振り返る。
そこにいたのは。
銀色の長い髪を風にまかせ、棘のある鎧を身に纏い、肩にふわふわした毛束を背負った男。
頬に2本のラインがあり、金色の鋭い瞳で桜を見据えている。
「だ、誰……」
明らかに普通の人間とは異なる外見の彼から桜は後ずさった。
男との距離は10メートル以上離れているが、彼が不機嫌なのは伝わってくる。
「動くな」
「!」
-----------一瞬で間合いを詰められた!?
息を飲む間もなく、男は桜の目の前まで来ていたのだ。
近くで見ると、額に三日月模様があるのが分かる。
さらに、耳の形も人間とは違うことも。
ジャキッ…
「ひっ」
男が腰の刀に手をかけ、桜の体は恐怖に支配される。
「その刀、何処で手に入れた。何故貴様が持っている?」
「えっ、えっと…」
---------刀?
自分の握った黒い刀を見やり、ハッとする。
「あ!これですか、すいません!
お、落ちてたので、拾ってしまいましたっ!お返しいたしますっ!」
思わず大きくなった声で何とか言い終えると、刀を男に差し出した。
「……落ちていた、だと?」
彼は尚も不服そうに、眉間に皺を寄せる。
男は腰の刀から手を離すと、桜の方に伸ばし、彼女の顎を持ち上げる。
「貴様、何者だ」
男の金色の瞳と視線がぶつかり、逃れられない。
----------な、何か言わなきゃ…
ゴロゴロゴロ.......…
「……?」
ふいに聞こえる雷鳴。
--------晴れていたはずなのに…
ズゥゥゥゥゥンッ
「えっ?!」
男の背後で雷が落ちたような、凄まじい音が轟く。
男は、ちらと視線だけ後ろにやり、「刀々斎」と呟いた。
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