第閑話 笑顔
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穏やかな昼下がり。
ぽかぽかとした陽気に包まれながら、一行は森の中を進んでいた。
いつもの通り、殺生丸の後ろには阿吽に乗った桜とりん、そして邪見。
桜とりんは阿吽に揺られながら、眠りこけている。
邪見もうつらうつらとしていた。
殺生丸は背後の3人をそっと一瞥して、また毅然と前を見つめる。
---------何故、こうなったのか。
何度目かの自問。
強さを求める旅に連れなどいらぬとあれほど思っていたのに。
ましてや、人間など。
足を止め、振り返る。
阿吽に寄ると、その双頭の妖怪は不思議そうに殺生丸を見つめた。
夢でも見ているのか、時折体をぴくりと動かす桜とりん。
その無防備な喉に爪を立てるだけで、殺してしまえるのに。
----------愚問。
利用出来るものは利用するのみ。
それがたとえ人間だとしても……
『人間か妖怪、そういう問題ではないのだ、殺生丸』
ふと、脳裏に蘇った言葉。
----------あれは、父上…
胸に浮かんだ記憶の断片。
殺生丸は目を細める。
そして、何かを振り切るように踵を返して歩み始めるのだった。
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