第六章 兆し
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ドガガガガッッ
「きゃ!」
「あぶねえ!!」
強い風に乗って桜の花びらが大量に一同に襲いかかる。
だが、それは花びら等ではなく、鋭い刃のようだ。
犬夜叉はりんを抱いたかごめを庇うように立ち、刀で防ぐが、防ぎきれなかったものが服を破り、肌を裂く。
一陣の風が終わると、かごめが叫んだ。
「きっと、奈落に操られているんだわ!」
殺生丸はつと眉をひそめ、桜の間合いへと飛ぶ。
どうやら結界は消えたようだ。
その瞬間、殺生丸へ琥珀が鎖鎌を投げた。
そして、示し合わせたように桜も刀を向け、殺生丸に向かって駆け出す。
「殺生丸!」
殺生丸はちっと舌を打ち、刀を抜いた。
鎖鎌を刀で払いよけ、体を横へひねって桜の刀を避ける。
そのまま後ろに回り込み、首筋を手刀で叩いた。
桜の体が崩れ落ちる。
その隙にかごめが桜の元へ駆け寄った。
「四魂のかけらをとるわ!」
殺生丸は桜をちらと見やり、琥珀へ視線を移す。
琥珀は鎖鎌を構え、じりじりと機をねらっている。
「殺生丸!このガキも四魂のかけらで……おい!」
次の瞬間、
殺生丸は間合いを詰め、片手で琥珀の首を締め上げていた。
琥珀はだらんと手を下ろし、何の抵抗もしない。
「殺生丸!その手を離さねえと、ぶった切るぞ!」
犬夜叉が刀を向けた。
「やめて、殺生丸!」と、かごめも叫ぶ。
だが、殺生丸はそれには応じず、つ、と目を細める。
----------こいつも、操られているのか
そして、琥珀を地面へ叩きつけた。
ゴッと風が吹き上がる。
見上げると、上空に羽のようなものに乗った神楽が琥珀を連れている。
そのまま二人はどこかへと飛んでいった。
「ちっ…」
犬夜叉は空を睨み、刀を収める。
そして、桜を見やった。
桜の傍らでかごめが懸命に額に手をかざしたりしていたが、やがて首を振った。
「四魂のかけらが……さっきよりは浄化出来たけど、汚れを保っていて、取れないの………」
殺生丸の体がぴくりと動く。
一同は無表情のまま気を失っている桜を見た。
風が吹き、雲が太陽を陰らせた。
.
5/5ページ