第六章 兆し
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静かに二人の体が林の中へ降り立つ。
桜が礼を述べながら見上げると、殺生丸が前方を鋭い視線で睨んでいる事が分かった。
びくりとして、その視線の先を見、桜は絶句する。
目の前で、短髪を頭の上で短く結った十歳くらいの少年が倒れているりんに鎖のついた鎌を振り上げているのだ。
りんは気絶している様で、その少年はゆっくりとこちらを向いた。
「りんちゃん!」
駆け寄ろうとする桜を殺生丸が手で制す。
少年は振り上げていた鎌を下ろすと、殺生丸に向けて立ち直り、身構えた。
「ほお…刃向かう気か……」
バキバキと殺生丸が指を鳴らす。
----------殺生丸さま、この子を殺す気…?
桜は不安げな視線を殺生丸に投げかける。
「何やってんだ、琥珀!!!」
その時、聞き覚えのある声が響いた。
同時に、どこからか現れた犬夜叉に少年は殴り飛ばされる。
「大丈夫よ、この子…気絶してるだけだわ!!」
琥珀、と呼ばれた少年を目で追っていた桜は犬夜叉の方に視線を戻す。
「あ……」
そこでりんを抱えていたのは、見慣れたセーラー服を着た女の子。
---------あの子が……例の巫女…?
向こうもこちらに気付いたようで、目を丸くさせた。
だが、すぐに真剣な眼差しで桜を見る。
「あの…なんで四魂のかけらを持ってるんですか…?」
「え………?」
「どういうこどだ、かごめ!」
----------四魂のかけらって…何だっけ…?
聞いた事あるようなないような……
桜は首をひねった。
刹那、
___ドクン…
心臓が大きく脈打った。
「───っ!?」
-----------この感じ…この世界に来た時の……っ
_____ドクン…ドクン……
桜は膝をつく。
「額に、四魂のかけらを持ってるの!しかも、すごく汚れてる!!」
「殺生丸、てめえ何か知らねえのか!?」
ズキズキと頭が痛み出し、周り声が遠くなっていく。
---------そういえば…
-----------奈落の所で目が覚めた…あの時に……
殺生丸がこちらへ近づいてくるのがぼんやりと見える。
だが、バチバチッという閃光が光り、近づく事ができない。
----------これも、結界…?私がやっているの………?
頭痛は痛みを増し、息も途切れて来る。
「せっしょ…まるさま………っ」
───────殺せ───────
----------誰…?
────その場にいる者を殺せ────
その場は静まり返る。
だが、全員が桜の放つ空気が変わった事に気がついていた。
桜が闇桜を抜き、殺生丸は目をすっと細める。
桜は光の宿らない瞳を向け、闇桜で宙を裂いた。
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