第六章 兆し
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殺生丸は前だけを真っすぐ見つめ、進んでいく。
りんのいる場所を嗅ぎ付けたようだ。
--------りんちゃん、無事かな…
先程までの高まりが収まった桜の胸に、今度は不安が渦巻いていた。
脳裏にりんの叫び声がよぎる。
-----------殺生丸さまはりんちゃんの事をとても大切にしてるって、前邪見が言ってた。
守れなかった私の事、怒っているかもしれない…
ちらりと殺生丸を見上げる。
その表情はいつもの事ながら、全く読めない。
桜が表情を曇らせた時。
「りんのことは案ずるな」
桜の気持ちを見透かした様に殺生丸が口を開いた。
桜は目を見開き殺生丸を見上げ、また視線を落とし、「すいません」と小さな声を絞り出す。
一瞬殺生丸は桜を一瞥し、前を見ながら言った。
「邪見から、闇桜を抜いたと聞いた。…今はそれでよい」
「そんな…っ」
--------自分が情けない
桜はぐっと唇を噛む。
「もっと強くなります…」
その声は少し震えていた。
殺生丸の桜を抱く手に心持ち力が籠る。
そして、ゆっくりと高度が下がっていった。
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