第六章 兆し
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「殺生丸さま、いったいどうなさるおつもりで…」
あたふたとする邪見を引き連れ、殺生丸は山と林に囲まれている開けた土地にたどり着いた。
「奈落の城だ」
「…?城など見えませぬが……」
目の前には城どころか、何もない。
「!?」
その時、その空間がぐにゃりと歪み始めた。
「結界が開いた……?」
戸惑う邪見をよそに、殺生丸は眉をひそめる。
-------------桜の臭い…?
目の前に現れた城へ歩を進める。
すると、前方から低い声が聞こえた。
「お待ちしておりました、殺生丸さま」
殺生丸はふん、と鼻を鳴らした。
「…わざと臭いをもらし、城の場所を教え、この殺生丸を招き入れるとはな」
「ただお招きしただけでは、来ていただけそうになかったので……」
目の前の拝殿に先ほどのひひの獣が現れる。
「もっとも、お捜しの小娘は、ここにはおりませんがな…。
なにしろ、この城の瘴気の中では、人間は一瞬たりとも息が出来ぬ。
小娘は城の外でお預かりしております。今の所はご安心を……」
怪訝そうに目を細めた殺生丸に奈落は言葉を繋げていく。
「ああ、あの犬夜叉の連れと同じ様な格好の小娘はこの建物内にございます。
結界で守られ、ちゃんと生きてますので、用件がすんだらお引き渡し致しましょう」
「奈落、きさま…」
「わかっております、殺生丸さまは人に指図されるのが大嫌いなご様子……
犬夜叉を殺すでなく、小娘を捜すでもなく…まず、この奈落を殺しに来ると、分かっておりました」
ザワ………
辺りの空気に殺気が満ち始める。
バキバキバキ、という音が響き、ひひの毛皮が破れ、数本の触手と蜘蛛の足の様なものが現れた。
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