第五章 拉致
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---------風の臭いがかわった……
満天の星空のもと、殺生丸は不穏な空気を感じていた。
「殺生丸さまぁぁ」
よろよろと邪見がおぼつかない足取りでやって来る。
「りんと桜が…連れ去られました!
奈落の分身の神楽という女が現れて、いきなり……」
殺生丸は眉をひそめた。
「ご安心下さい、殺生丸さま」
殺生丸の背後にひひが現れる。
「願いを聞いていただきさえすれば……りんと桜という娘達は無事にお返しいたします」
「きさまっ奈落、またしても…!」
「奈落…か。今度は何を企んでいる」
殺生丸は邪見を制すように口を開いた。
「特別な事ではございません。ただ、犬夜叉を殺してくださればいい」
「ふっ、そんな事のために、もってまわったことを…」
ザンッ
次の瞬間、殺生丸はひひの首を引き裂いた。
しかし、血が流れる事はなく、そのままひひの体は崩れ、中から木の人形に一本の髪の毛を巻き付けたものが出て来る。
「これは…傀儡……」
邪見が呟いた。
「この殺生丸が、たかが人間の小娘のために、言いなりになると思っているのか」
殺生丸は吐き捨てるように言う。
「では殺生丸さま、りんと桜をお見捨てに…?」
まさか、と邪見は思った。
特に桜は闇桜を持っている。
「って、殺生丸さまっ!どちらへ!?」
そのまま殺生丸は歩を進めていた。
------------------奈落の臭いがする。
殺生丸は少し足早に臭いの方向へ進んでいた。
--------------この殺生丸が人間の小娘ごときに心動かされる訳がない。
その瞳は鋭く前を見据えている。
------------だが、この気持ちは何なのだ…
ギリ、と歯を鳴らし、臭いを追うのだった。
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