第五章 拉致
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桜は神楽に黒い剣先を突きつける。
「桜ちゃん!」
「桜!!」
りんと邪見が悲鳴に近い声を上げた。
桜の頬に汗が伝う。
---------闇桜、お願い、今は暴走しないで…
「あたしに刃を向けるとは良い度胸じゃねえか。
だけど、足が笑ってるぜ!とっととくたばりな!」
神楽は相変わらずすました顔で扇を振るう。
すると、風が刃のようになって桜に向かって飛んでくるではないか。
「きゃっっ」
思わず目を瞑る。
「桜ちゃんっっ!!!!」
その時。
バチバチッッッ
電気が走る様な、そんな音がした。
桜が目を開けると、先ほどの風の刃が消えている。
「ちっ…結界か!」
神楽の舌打ちが聞こえるも、桜は状況をすぐに理解出来なかった。
「何…?」
-----------前にも一度あったような…
「桜ちゃん、多分刀の守りの力だと思う!」
「りんちゃん…分かった!」
--------よく分からないけど、とりあえず、りんちゃんを逃がす事を優先しなきゃ!
「りんちゃん、走れる?!」
「うん!!」
「邪見!りんちゃんを…!」
「分かっておる!」
いつの間にか邪見がりんの隣にいるのを確認し、桜は神楽に向き直る。
「そうはいかせねえぜ!」
「!!!」
桜の右手側の上空から黒い群れがこちらに向かってきている。
よく見ると竜の形のもの、鬼の様なもの、蛇みたいなものの集団だ。
「こんな雑魚妖怪、消し飛ぶが良い!」
桜が戸惑ううちに、邪見の人頭杖が火を噴いた。
ジュッという音とともにそれらは跡形なく消える。
またしても神楽が舌打ちをした時だった。
ズウウウン、という地響きが轟く。
「今度は何!?」
「ククク……殺生丸の奴、面白いものを手に入れよった」
白い毛皮…ひひ、という動物の毛皮を来たものが神楽の後ろに立っている。
顔もまた、ひひの面をつけていて分からない。
「奈落じゃ!!!」
邪見の金切り声が響く。
「あれが…っ!?」
「桜、お前でも無理じゃ!逃げるぞ!」
「うん!!」
桜が素早く闇桜をしまい、背を向けると、三人の前方の土中から再び、ひひが現れる。
「きゃあっっ」
ゴゴゴゴ......
ひひの体が大きくなっていく。
邪見が人頭杖で火を噴かせるも、全く効かない。
---------どうなっているの!?
後ろには神楽って人がいるし、逃げられない…っ!
ひひの体から太い触手がはえ、三人を絡めとり、桜は意識を手放した。
りんの悲鳴を聞きながら─────
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