第四章 決意
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「こーーりゃ起きんかい桜!」
「うん……?」
桜は邪見の怒鳴り声で目を覚ました。
りんも気が付いたようで、目を擦っている。
「邪見………どうしたの?」
同じように重たい瞼を擦りながら桜は口を開いた。
「どーしたじゃない!桜、殺生丸さまがお呼びじゃ!」
「!」
殺生丸の名が出た途端、桜の頭は覚醒する。
そして、辺りをきょろきょろと見ると、少し離れた岩場に殺生丸の影があった。
此処は岩に囲まれていて、霧が立ちこめている。
白骨でも落ちていそうなほど、閑散とした土地だ。
そんな所で何の用だろう、と桜は疑問に思いながら、「行ってくる!」と阿吽から飛び降りた。
--------殺生丸さまと二人きりで話すのは久しぶりかも。
あの日以来じゃないかな…
「殺生丸さま」
「刀々斎の所へ行く」
「えっ?」
---------刀々斎さんって、この世界に来た時にいたおじいさんだよね?
桜はその意図を読み取れないまま、こくりと頷く。
「桜ちゃん、何処か行くの?!」
「こりゃ!今はお話し中じゃ!」
すると、りんが駆け寄って来て、邪見がいつも持っている杖、人頭杖を振り回しながら追いかけて来た。
「あ、私達、刀々斎さんの所へ行くの」
「なっ?!あそこは人間が…「邪見」」
邪見が何か言いかけたが、殺生丸によって遮られる。
桜が首を傾げ、尋ねようとした時。
「りんも行く!」
と、りんが頬を膨らましながら言った。
桜は困ったように殺生丸を見上げる。
殺生丸はふいと踵を返す。
「りんと邪見は此処で待て」
そう言い残すと、歩を進め始めたので、桜も行って来ます!と後を追うのだった。
「いいなー、桜ちゃん。殺生丸さまと一緒に行けて」
邪見と二人きりになったりんが呟いた。
「それはこっちの台詞じゃ」
邪見は拗ねたように岩の上で寝転がっている。
「わしだって、ていうか、わしこそが殺生丸さまのお側に居れるはずなのに」
「邪見さま、可哀想……」
「じゃろ?
って、誰のせいだと思ってるんじゃ!!」
キーキーと憤る邪見をよそに、りんは大きく溜息をついた。
「あぁ、りん」
思い出したように、邪見が口を開く。
「おぬしはどっちにしろ、此処からは着いて行けんぞ?」
「えぇ?!何で?」
「此処らは火山も多い、危険な地帯なのじゃ」
「でも、桜ちゃんは人間の女の子だよ?」
「あいつは闇桜を持っているじゃろ。
わしの推測じゃが、それの結界が働くなりで安全なんじゃないか?」
「ふーん?」
そして、二人は殺生丸達が去って行った方角を見つめるのであった。
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